4月12日 食事(脚本)
〇中規模マンション
〇マンションの共用廊下
部活が終わり、家につき、早く夕飯の準備をしなくちゃと考えながら、玄関を開けると美味しそうな匂いが漂ってきました
妹「え? ご飯作るの私の担当なのに。お兄ちゃん?」
〇おしゃれなキッチン
不思議に思いながらキッチンへ向かうと、既にご飯が用意してありました
お茶碗によそわれたご飯からは、温かな湯気がたち、まるで丁度、今食べ始めるかのようでした
妹(お兄ちゃんが準備した? いや、違うな。私より美味しそうなご飯を作れるわけないし、ここまで準備する甲斐性もない)
兄はスムージーすらまともに作れず、挫折するような人です
誰かに来てやってもらったのでしょうか。私は話を聞くために、兄の部屋へ向かいました
〇汚い一人部屋
( ´∀`)「夕飯の準備? 誰にも頼んでないぞ」
妹「でも、準備できてるよ?」
食事の準備は兄でなく、兄が誰かに頼んだわけでもありませんでした
( ´∀`)「そう言えば、夕方のチャイムが聞こえた時に、まな板を叩く包丁の音も聞こえた気がする」
( ´∀`)「お前が帰って、夕飯を作り始めたくらいにしか思わなかったが違うのか?」
妹「違うよ。その時間はまだ部活だもの」
( ´∀`)「じゃあ、誰かがやって来て、料理を作ったのか?」
妹「誰かって、誰?」
( ´∀`)「家を間違えた主婦とか」
妹「そんな馬鹿な」
もし誰かいたとして、私とすれ違わずに外に出ることは出来ません。台所から玄関までは一本道ですから
妹「怪奇現象?」
妹「いやいや、家事代行お化けなんて聞いたことない」
( ´∀`)「まあ、食ってみれば分かるだろ」
兄はそう言うと、一人で台所へ向かい、私は慌ててその後をついてゆきます
〇おしゃれなキッチン
( ´∀`)「どれ」
兄は、誰が何のために作ったかも分からないものを、躊躇うことなく、一口つまみます
さすが感性が枯れ果ててるだけはあります。恐れ知らずです
妹「大丈夫? 髪の毛の束とか、血とか釘とか入ってない?」
( ´∀`)「食ってる時に変な事言うなよ」
( ´∀`)「別に変なものは入ってない・・・つーか旨い」
( ´∀`)「つーか、これ、おふくろの味付けだ」
妹「お母さんの?」
母の味と言われると、ちょっと食べてみたい気にもなりますが・・・やはり正体不明の料理は無理です
( ´∀`)「おふくろが来て、作っていったんじゃないか?」
妹「来るって連絡きてないよ」
母は子供の家でも、無断で入るような人ではありません
トン、トン、トン!
突然、小気味よい包丁の音が、後ろから聞こえました
それは慣れ親しんだ生活音なのに、誰がその音を出しているのかわからない今は、妖気漂う鼓動のようでした
( ´∀`)「おい、ちょっと待て。なんだ、この包丁の音は」
怪異に直面した今回ばかりは、兄も苦し気な表情を浮かべます
妹「お兄ちゃん、これはやっぱり・・・」
( ´∀`)「これ以上、おかずを用意されても食いきれねぇぞ」
妹「そうじゃないよ?」
トン、トン・・・
包丁の音は止み、代わりにカランっと、乾いた金属音が響きました
慌てて振り返ると、そこには包丁が落ちているだけでした
( ´∀`)「あれ?」
妹「どうしたの?」
( ´∀`)「料理がなくなってる」
妹「あ・・・」
先ほど、料理の並んでいたテーブルを眺めると、確かにそこには何もなくなっていました
白い湯気の立つ、暖かなご飯も、お茶も、お味噌汁も、おかずも、お皿すらありません
妹「なんだったんだろう?」
それに答えてくれるものは何もありませんでした
ホラーとして怖かったですね!
今回はホラー大喜利ではなかったのかな?ww
不思議な感じや謎な感じで終わるのもいいですね。