事故物件サバイブ ~心霊現象総スルーな兄が最強すぎる、致死率150%呪いのロンダリング・バイト~

資源三世

4月14日 今までのこと #シナリオ(脚本)

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〇神社の本殿
妹「ちくわを探す幽霊に、人食い冷蔵庫、壁紙の下の万苦死。最近だと生贄求める巨大なおじさんとか」
梓「なにそのお化け屋敷。よく平然としていられるね」
妹「いやあ、慣れかな」
梓「慣れが一番怖いというけど・・・うん、違う意味でも怖いわ」
  学校の休みの日、私は梓に、今まであったことを教えました
  これまで起きた恐怖体験は、にわかには信じがたいものです。それでも梓は真摯に、青い顔で、震えながら、聞いてくれました
梓「正直、信じ難いけど、嘘吐くとは思ってないよ」
妹「ちなみに、これがベッドの下の人形です」
梓「なんで持ってきてるの?」
妹「どう? この子も黒いモヤとかついてる?」
梓「何もついてない、ただの人形だね」
梓「って、人を鑑定士みたいに使わないの」
  梓は共感覚の持ち主で、人の感情を色で視ることができます。良い感情は明るく、悪い感情は暗く
  彼女から視ると、私には黒いモヤがまとわりついている。要は悪意がこびり付いているそうです
妹「この子自体に悪意はないってことかな」
梓「一応は助けてくれたことあるんでしょ」
妹「でも、ヴェノムがでたときは、一人でベッドの下に逃げてたからなぁ」
梓「良くも悪くも、そんな強くなさそうだもの」
妹「この子はカースト底辺 抜け出したい永遠のワースト やったれ下剋上、火薬庫で聖戦だ」
梓「強さの序列があるとして、でもあいつらはどこから来たの?」
妹「そりゃ事故物件だし、今までに死んだ人たち?」
梓「でも最初の事故・・・5年前の火災で死者はいない。これは私も覚えてる」
妹「じゃあ、その次の人?」
梓「その人はなんで死んだの? 死者のいない事故物件で、何に殺されたの?」
梓「私の覚えてる限り、火災から一年以上は事件はなかった。その一年はなぜ無事だったの?」
梓「あそこには一体、何が棲みついてるの?」
  突然、バッグが小刻みに揺れました
妹「人形が震えてる?!」
妹「あ、スマホのバイブだった」
  バイブ設定にしていたアラームが、鳴っただけでした
梓「心臓止まるかと思った・・・」
妹「・・・あのマンションには何がいるのかな」
梓「話をふり直した」
妹「とにかく、元凶を突き止めるべきだと思うのだよ」
梓「好奇心は猫を殺す、と言いたいけど、既に死神の鎌が喉元に触れてるようなものだからね」
梓「分かった、私もマンションを調べてみるよ」
妹「ありがと」
  こうして私の事故物件の生存作戦は、友達の協力のもと、攻めへと転じることになったのでした
  それが昏く深い、底の知れぬ泥沼へと、足を踏み入れていることに、今は気付きもせずに──

次のエピソード:4月15日 虫

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