4月2日 タンス(脚本)
〇中規模マンション
〇高層マンションの一室
( ´∀`)「お前、髪の毛をお団子に出来たよな?」
妹「出来るよ。お兄ちゃんやるの?」
( ´∀`)「俺じゃなくて、他にやってもらいたい奴がいるんだ。頼めるか?」
妹「別にいいけど」
( ´∀`)「なら、すぐ頼む。タンスから髪の毛が生えて困ってたんだ」
妹「今、なんと?」
( ´∀`)「タンスから髪の毛が生えて困ってるから、お団子にしてくれ」
兄が意味不明なことを言い放ちました
妹「タンスの育毛成功?」
( ´∀`)「違う。タンスの上から勝手に髪が伸びてきたんだ」
また心霊現象です。私の進入禁止エリアが増えてしまう
妹「どこの?」
( ´∀`)「俺の部屋」
妹「そこは入らないから、別にいいかな」
( ´∀`)「良くねえよ! お前、自分に影響ないことには本当に無関心だな」
妹「お兄ちゃんに言われたくないんだけど」
妹「第一、いつもなら適当に片づけてるじゃん。今回も除毛クリームでもつけて終わりでいいでしょ」
( ´∀`)「馬鹿野郎、そんなことして何かあったらどうするんだ」
妹(お兄ちゃんが狼狽えている? これはついにお兄ちゃんにも人並みの感性が芽生えた?)
妹(いや、まさか、これは兄の姿をした偽物?)
( ´∀`)「タンスは備え付けなんだぞ。シミとかついて、修繕費取られたらどうするんだ?」
妹「あ、本物だった」
( ´∀`)「そういうわけだから、お団子頼むわ」
妹「やり方教えるから、自分でやってよ」
〇汚い一人部屋
( ´∀`)「あれだ」
部屋に入り、兄が指さしたタンスの上。そこから、確かに髪の毛が伸び垂れ下がっていました
妹(百聞は一見にしかずというけど、これは・・・想像以上におどろおどろしい)
パッと見た感じ、長さは私と同じくらい、毛量はやや多めでしょうか。酷く傷み、縮れているので、そう感じるだけかもしれません
艶のないくすんだ黒髪ですが、カビやホコリでところどころ白く、その不自然さが不気味さを際立たせていました
臭いはないのに、むせ返るような息苦しさに襲われます
( ´∀`)「あれをお団子にしてやってくれ」
妹「無理」
山奥で、見たこともない奇怪な虫を触るのに等しい抵抗感がありました
( ´∀`)「やはり、あれだけパサパサだとお団子は難しいのか」
妹「そうじゃないけど、それでいいよ」
〇高層マンションの一室
( ´∀`)「どうっすかなぁ。あれ切って修繕費要求されないかな?」
妹「大家さんに直接聞いたら?」
( ´∀`)「そうだな。そうするかな」
( ´∀`)「あ、もしもし、大家さん? あのさ、タンスから髪の毛が生えてるんだけど、これ切っていいかな?」
( ´∀`)「いや、そうじゃなくて。パサパサに傷んだ長い髪の毛が、タンスの上から伸びてきて、扉や手に絡んでくるんだよ」
( ´∀`)「おまけに一度絡まると中々外れないし、上に引っ張られる感じまでしてさ。困ってるんだよ」
妹(普通に不気味な話なのに、なんで平然と話せるの、この兄は)
( ´∀`)「は? どうなっても知らない?」
妹(そりゃまあ、藪をつつくときは自己責任だよね。さすがのお兄ちゃんも今回ばかりは)
( ´∀`)「それはつまり修繕費を要求すると言う脅し?」
妹(そうじゃない! どれだけ修繕費が気になるの?)
( ´∀`)「え? 違う。ああ、怪我しても自己責任ね。はいはい」
( ´∀`)「勝手にしてくれって、なぜか逆ギレされたぜ」
妹「そうだねー」
〇汚い一人部屋
兄はタンスの髪の毛を切りましたが、しばらくするとそれはまた伸びてきたそうです
何度やっても、何度やっても伸びてきて・・・
諦めた兄はワックスでガチガチに固めてリーゼントにしました。以来、タンスの髪の毛が伸びたとは聞いていません
前回は秀作でしたね!!
冷蔵庫の音と言いつつ、電気がきてないでホラー達人演出を感じましたが、更にそれがネタ番組ではなく、このマンションでの撮影と解る恐怖!!
毎日連作で、それが思いつく余裕が凄い💦
ところで気になってましたが、何故兄の表記は顔文字なのか・・・これも何かの伏線なのかな?