事故物件サバイブ ~心霊現象総スルーな兄が最強すぎる、致死率150%呪いのロンダリング・バイト~

資源三世

4月7日 かくれんぼ(脚本)

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〇中規模マンション

〇高層マンションの一室
( ´∀`)「誰だよ、窓に手形つけた奴。拭いてもおちねぇじゃねぇか」
妹「それ、内側じゃないの?」
( ´∀`)「本当だ。こっちの汚れだったか」
( ´∀`)「って、誰かが不法侵入したのかよ」
  今日は窓に無数の手形がついていました。大人から子供まで、何人もの手形が窓いっぱいに
妹「これ、普通は怖がる場面だよね」
( ´∀`)「は? 不法侵入なんて通報で済む話だろ。何を怖がる必要が」
( ´∀`)「まさか、警察がグルなのか? 犯罪を揉み消すのか?」
妹「なんでそっちに行くのかな」
妹「本当、お兄ちゃんって幽霊信じないよね」
( ´∀`)「いや、いるとは思ってるぞ。見たことないだけで」
妹(いつも見てるのになぁ)
( ´∀`)「いや、一度だけ見たことあったな」
妹「あるの? 血まみれの女? 首のない男? 前半分がない子供?」
( ´∀`)「どんな化け物だよ。俺が会ったのは普通の奴だよ」

〇おしゃれなキッチン
  ここに越して間もない頃のことだ
  俺は新しい環境になかなか馴染めず、小さな失敗をしては落ち込んでを繰り返していたものだ
( ´∀`)「砂糖と塩を間違えた・・・。スムージーが海水じゃねぇか」
  そんなとき、部屋の片隅で子供の笑い声がしたんだ
  俺以外、誰もいない。戸締りもしてある。なのに、そこには見知らぬ子供が、こちらを見て笑っていたんだ
子供「あーそーぼー」
  その子は血色の悪い、やけに汚れた子供だった。これは流石の俺もすぐ分かったよ

〇高層マンションの一室
( ´∀`)「これが育児放棄だとね」
妹「違うよ?」

〇おしゃれなキッチン
  俺はお前らの面倒を見てきたから、子供の扱いは慣れたものさ
( ´∀`)「今、忙しいから後でな」
  長年培ってきたスルースキルで乗り切ろうとしたんだが
子供「かくれんぼがいい。わたしが鬼でいいよ」
( ´∀`)「じゃあ、十億数えたら探しに来い」
子供「つかまえたら、手をちょーだい」
( ´∀`)「今、手は空いてないんだ。代わりにこのスムージーやるから」
子供「いーち、にー、さーん」
( ´∀`)「今なん時だい?」
子供「8時。きゅう、じゅう!」
( ´∀`)「じゅうーいち、じゅうーに」
子供「じゅうーさん、じゅうーし」

〇高層マンションの一室
( ´∀`)「こうして育児放棄された子供の相手をしてやってな」
妹「相手してないし。私達もそうやって、しょっちゅうはぐらかされてたね」

〇おしゃれなキッチン
子供「きゅうーひゃく・・・」
( ´∀`)「今、何日だい?」
子供「さんがつなのか・・・さんびゃくはち、さんびゃくきゅう?」
子供「あれ?」
( ´∀`)「よし、今度こそスムージーが・・・」
( ´∀`)「苦っ! 何で青汁になるんだよ」
( ´∀`)「えーい、もうやってられんわ」
( ´∀`)「気分転換だ、遊んでやる。負けた方はスムージー飲む。いいな?」
子供「手がほしい・・・」
( ´∀`)「スムージー飲めば、そのうち生えてくる」
子供「えー・・・」
( ´∀`)「ほら、さっさと隠れろ。いーち、じゅうー、ひゃーく」
子供「わたしが鬼・・・」
( ´∀`)「ほら、早くしないとスムージー飲ませるぞ」
  そうして、その子とかくれんぼをしたんだ

〇高層マンションの一室
( ´∀`)「しかし、あの子はどこを探しても見つからなかった。ただの子供が、かくれんぼの達人である俺から逃げられるわけがない」
( ´∀`)「きっとあの子は幽霊で、俺に遊んでもらえたことが嬉しくて、成仏したんだろう」
( ´∀`)「あの日のスムージーの味はしょっぱかったぜ」
妹「砂糖と塩間違えただけでしょ」
  事故物件で、兄が生き残っている理由がわかったような夜でした

次のエピソード:4月8日 レクリエーション #シナリオ

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