事故物件サバイブ ~心霊現象総スルーな兄が最強すぎる、致死率150%呪いのロンダリング・バイト~

資源三世

4月8日 レクリエーション #シナリオ(脚本)

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〇ハイテクな学校

〇おしゃれな教室
  上級者さんへの接触を狙っていた私ですが、チャンスは早々に訪れました
妹「似顔絵描き、私と組みましょう」
  レクリエーションで、クラスメイトの似顔絵を描くことになったのです
妹(一対一でじっくり話せるチャンス。逃がしはしない)
梓「静かなとこでいい?」
妹「おけー」

〇鏡のある廊下
梓「私に聞きたいことあるんでしょ」
妹「うん」
梓「私も、あなたに聞きたいことがあるけど、答えて貰える?」
妹「おけー」
  私達はお互いに向き合い、似顔絵を描きながら、まずは上級者さんから話し始めました
梓「私はね、人の感情が色彩として見えるの。共感覚っていうやつ」
妹「ネットで見たことあるよ」
  共感覚がある人は、言葉や文字に色を感じたり、音に匂いを感じたりと、本来の感覚に別の感覚が伴うそうです
梓「私の場合、好意的な感情は明るく、悪感情ほど暗い色彩に見えるんだけど」
梓「あなたの顔は真っ黒のもやで塗りつぶされて見えないんだ」
梓「あなた、こっち側なんだよね? 生きてる人でいいんだよね?」
妹「生きてるよ。脈、確認する?」
  私は腕を出しますが、彼女は首を振りました
梓「だよね。他のとは違うもの」
妹「もしかして入学式の日に、ずっと睨んでたのって」
梓「疑ってた」
梓「でも次第にもやが晴れていってね、人間なのか何度か確かめようとしたよ。あのラップもどきやってるときとか」
妹「あれは忘れて」
梓「でもね、もやは薄くぼやけるほどに、周囲の影を取り込みだしたの」

〇学校の廊下
  もや自体は至る所にあるけど、どれも真水の中に黒インクを零したみたいな、ぼんやりとして実体のないものなんだ
  だけど、あなたについたもやは、あなたを中心に、まるで綿あめをつくるみたいに、絡み合い大きくなっていった

〇鏡のある廊下
梓「それは次第に人の形をとっていったと思ったら、あなたは急に誰かと話し始めた」
梓「それで怖くなって、夢中であなたをあの場所から引き離したの。影はそのまま途切れてついてこなくて助かったよ」
妹「まさか、そんなことがあったとは」
妹「助けてくれてありがと」
梓「私も・・・勇気出して良かったと思えるよ」
妹「ところでもやって、今もついてる?」
  彼女は答えとして、描いていた似顔絵を私に差し出しました。そこには、真っ黒なもやに顔を覆われた私の姿
妹「こういうのって、今まで見たことある?」
梓「・・・」
妹「良くない感じ?」
梓「人はたまに・・・。場所なら、私の部屋から毎日見えるよ」
妹「それって、まさか」

〇中規模マンション
上級者さん「隣のマンションの最上階、エレベーターを中心に何部屋かを飲み込んでる」
上級者さん「あれはだんだんと大きくなっては萎んで、しばらくするとまた大きくなっては萎んでを繰り返してる」

〇鏡のある廊下
妹「やっぱり」
梓「噂は知ってるよね。あのマンションの人だし」
妹「噂というか、そこに住んでますが」
梓「は?」
妹「大変、授業終わっちゃった。この話はまた今度、じっくりとするから」
梓「え? あ、うん」
妹「早く、教室戻ろ、上級者さん」
梓「いや、なに、上級者って」

〇ハイテクな学校
  事故物件をきっかけに、また新しい友達ができました

次のエピソード:4月9日 階段

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