そこに手が届くなら

夏目心 KOKORONATSUME

9 奇跡(脚本)

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〇田舎の学校
如月智也「ふわ〜・・・まだ寝たりねぇ・・・」
如月智也「そう言えば今日、俺日直だったな・・・昨日の事はあれだったが、もう気にしても仕方無いよな・・・」

〇散らかった職員室
如月智也「ん?何か騒がしいな・・・」
男性教員「一体どうなってるんですか!?何なんですかこの大量の手紙は!!」
高崎浩一「わ、分かりません!ですが、ここ宛の手紙がまだ来て!」
男性教員「い、一体何が起こって・・・!?」
如月智也「え?手紙?」
木村愛美「あ!智也!やっと見つけた!」
如月智也「愛美?どうしたんだよ?」
木村愛美「どうしたじゃ無いよ!大変なの!こっち来て!!」
如月智也「え?え??」

〇教室
木村愛美「委員長!智也連れて来たよ!」
橋本裕也「あぁ!やっと来てくれた!」
如月智也「何だよ?何で皆そんなに慌ててるんだ?」
橋本裕也「如月君!単刀直入に聞きます!この◯イッターの文章、君が書いた物ですか!?」
如月智也「え?どれどれ・・・あぁ、確かにこれ俺のだ・・・って・・・」
如月智也「え?何・・・何だよこれ・・・何でこんなにバズって!?」
橋本裕也「やっぱりそうでしたか!如月君が書いた文章が外国の方にバズって、その方々がお金と応援メッセージを送って来てるんです!」
橋本裕也「僕達の目標だった500万も軽く超えてるんです!!」
如月智也「え、えぇ!!」
木村愛美「智也!メッセージ見て見ない?何か分かるかも!」
如月智也「あ、あぁ!」
  如月達は慌てて◯イッターに送られたメッセージを確認した。
  『私は以前、震災に合って妻を亡くして絶望のどん底にいました。ですがある時、日本の方に子供を助けて頂き、
  その日本の方に自分が本当に行くべき道を示して頂きました!今は親として毎日頑張ってます!その方には、私と同じ苦しみを
  味わって欲しく無い!少ないですが、私のお金を使って下さい!』
  『私は黒人で周囲から毎日の様に迫害されてました。ですが、初めて日本を訪れた時、日本人は黒人である私にさえも
  優しくしてくれた!何に置いても妥協をしない日本人の心意気に感動しました!ずっと恩返しがしたいと思ってました!
  だからこれ使って下さい!』
如月智也「一つや二つじゃ無い・・・何だよこれ・・・何でこんなに外国の人達が・・・」
木村愛美「ねぇ、これ江崎先生に伝えない?このチャンス逃したら・・・!」
橋本裕也「ま、間違いありません!如月君、一緒に来て!後の事は後で考えましょう!」
如月智也「わ、分かった!」
  如月と委員長は私の元へ来て、事の発端を話した。最初は何かの間違いかと思ったが、彼らの言う通りこのチャンスを
  物にしない訳には行かなくなり、私は送られた内の500万を手に取り、妻と共に病院へ行くのだった。

〇病院の待合室
江崎拓郎「皆、待たせたな・・・」
木村愛美「江崎先生!結果は!?」
江崎拓郎「あぁ、成功だ!」
如月智也「・・・本当ですか!?」
江崎拓郎「あぁ!今は良く眠ってるよ!」
江崎ミツル「・・・・・・」
如月智也「・・・!良かった・・・良かった・・・!!」
如月智也「あの!もう余命半年とかじゃ無いんですよね?もう大丈夫なんですよね!?」
江崎拓郎「あぁ・・・君達には感謝してもし切れない・・・君達・・・本当に良くやってくれた・・・」
如月智也「よっしゃ・・・よっしゃあ!!」
木村愛美「智也!赤ちゃん起きちゃう!」
如月智也「え?あぁ!ごめんごめん!」
江崎春奈「あなたが如月君?良かったら、ミツルの事抱いて見ない?」
如月智也「え?」
江崎春奈「あなたがいてくれなかったら、私達は本当に・・・」
如月智也「いやいや!そこまでの事じゃ・・・」
熊谷和真「何言ってるんだよ相棒!最初にやりだしたのお前だろ!お前はもっと胸を張って良いって!」
如月智也「そうか・・・あの、少しだけ・・・」
江崎春奈「勿論よ!」
如月智也「ミツル君か・・・良かった、これからもっと大きくなれよ・・・」
  ミツルの手術は無事成功した。生徒達、特に如月には心から感謝しか無かった。彼の行動が無ければ、私達は途方にくれてただろう。
  ミツルの手術が終わった後、海外から送られた余った金は、学校の総力を上げてお礼の手紙を添えて持ち主に送り返したのは、
  言うまでも無い話だ。

次のエピソード:10 笑顔

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