事故物件サバイブ ~心霊現象総スルーな兄が最強すぎる、致死率150%呪いのロンダリング・バイト~

資源三世

3月27日 11:30(脚本)

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〇中規模マンション

〇女性の部屋
  夜は早く寝る。それが事故物件で生活する上での鉄則です。即ち、一番怖い夜は寝てやり過ごせ
  そのはずでした──
妹「んー!」
  伸びをして、時計を見ると、まだ10時30分。ギリ怖くない時間帯です
妹「水を飲んでおこうかな」
  心に隙があったのでしょう。この時の小さなミスに気付けませんでした

〇おしゃれなキッチン
  怖いので、台所の扉は開け放したまま、台所に入ります
妹「冷蔵庫開けたら生首ニッコリ、私はビックリ」
  なんてことはおこらず、冷えたジュースをゴクリ
  一息ついて時計に目を向けると、時間は11時30分・・・
妹「11時?!」
妹(部屋を出てから1時間経ってる? そんなわけないか。見間違えたんだ)
  たった1時間。気づかなければ、なんてこと無かったでしょう
  ですが、気づいた今は、見える景色が豹変しました。台所はまるで薄闇を纏ったかのように暗く感じられます
妹(電気消すの怖いな。このまま戻っちゃっていいよね)
  兄に文句を言われそうですが、怖さには勝てません。私はそのまま部屋に戻ろうとしますが
妹「閉まってる?」
  扉が閉じていました。引き戸が勝手に閉まるわけもありません
妹(これ、絶対あけちゃダメなやつ)
  かといって、このままここにいるのも怖いです
妹(お兄ちゃんはまだ起きてる? 呼びかけたら・・・知らない声が返事をしたりしないよね)
「おーい、開けてくれ」
  どうしようか迷っていると、扉の向こうから声がしました
「おーい!」
妹(お兄ちゃんの声? いやでも、なんで自分で開けないの?)
「おーい、早くしてくれ!」
  扉の向こうの声に戸惑っていると、それは次第に荒々しくなってゆきました
「早く開けろっての!」
  扉を蹴る音。修繕費を気にする兄らしくない行動
妹(違う、お兄ちゃんじゃない! 何かが、声を真似てるんだ)
  私は怖くて、でも逃げ場がなくて、とにかく隠れたくてテーブルの下に身を潜ませ、早くそれが過ぎるのを祈りました
「おい、開けろっての! いるんだろ! 早く、開けろ!」
  目を閉じ、耳を塞ぎ、見ない聞かないに徹して──
弟「何してんの、姉ちゃん」
妹「え? あれ?」
  いつの間にか、そこには弟がいて、兄の声は聞こえなくなっていました
妹「助かった?」
  恐る恐るテーブルの下から脱出します。扉は入ってきたときと同じように開け放たれています
妹「お兄ちゃんのね、声したお化けがね、出たんだよ」
弟「この時間に? ちょっと早すぎじゃね?」
妹「こんな時間って、もう11・・・」
  時計は10時31分でした

〇中規模マンション
  翌日──

〇高層マンションの一室
妹(昨日のあれはなんだったんだろう?)
  今までにない不思議現象に困惑していた時です
( ´∀`)「おまえらー! いるなら、開けろよ!」
妹「な、何?」
( ´∀`)「何? じゃねぇよ。さっきから扉を開けてくれって頼んだのに返事もしないで」
妹「何のこと?」
  兄は荷物で両手が塞がっていたため、台所の扉をあけるよう頼んでいたそうです
  しかし私達はそんなの知りません。ここなら玄関からの声も聞こえるはずなのに、です
( ´∀`)「ったく、カッとなって扉を蹴っちまったが、さすがに修繕費とられないよな?」
  兄はそう言って苦々しい顔をします
  ふと時計を見ると、11時30分でした

次のエピソード:3月28日 人形 #シナリオ

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