インソムニア

komarinet

第19話 伽藍人志(脚本)

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〇空

〇商業ビル
ロンダリング金融 社員「ちっ、こんな時間までかかっちまった」

〇雑誌編集部
ロンダリング金融 社員「やれやれ。戻りましたよっと・・・」
ロンダリング金融 社員「ふ、副社長!?」
白宵 覚(しらよい さとる)「お疲れ様。どうした?」
ロンダリング金融 社員「いえ、まだ働いていらっしゃるとは」
白宵 覚(しらよい さとる)「まだ・・・?」
白宵 覚(しらよい さとる)「深夜2時過ぎか」
白宵 覚(しらよい さとる)「始業まであと5時間しか働けんな」
ロンダリング金融 社員(いや何言ってんのこの人)
ロンダリング金融 社員「どうしてこんな時間まで?」
白宵 覚(しらよい さとる)「なんだか今夜は眠れなくてな」
白宵 覚(しらよい さとる)「子守唄代わりに仕事をしてるだけさ」
白宵 覚(しらよい さとる)「新太の分も取り戻さないといけないしな」
白宵 覚(しらよい さとる)「お前は早く寝ろよ」
ロンダリング金融 社員「うす。お疲れ様でした・・・」

〇オフィスの廊下
ロンダリング金融 社員「俺、あいつのこと誤解してたかもしれねぇ」
ロンダリング金融 社員「誰よりも働いてるじゃねえかよ」
ロンダリング金融 社員「俺ももっと頑張らなきゃな・・・」

〇雑誌編集部
白宵 覚(しらよい さとる)「ふうっ。大分片付いたか」
白宵 覚(しらよい さとる)(・・・睦月)
  明日、伽藍教授に面談を依頼した

〇シックなバー
白宵 覚(しらよい さとる)「面談を!?」
白宵 覚(しらよい さとる)「そ、それは准教授も一緒にか?」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「いや、教授だけだ」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「准教授ってのは、教授の椅子を狙ってる」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「そんな相手に自分の秘密を漏らすか?」
白宵 覚(しらよい さとる)「た、確かにな」
白宵 覚(しらよい さとる)「・・・すまん、明闇」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「勘違いするなよ、覚」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「別にお前さんに気を遣ったわけじゃない」
三井 陽和(みつい ひより)「もちろん、彼の心も読ませてもらうわよ」
三井 陽和(みつい ひより)「准教授が共謀してないとは限らない」
白宵 覚(しらよい さとる)「あ、ああ。ガンガン読んでやってくれ」
白宵 覚(しらよい さとる)「食うか寝るしか考えてないと思うけどな」
白宵 覚(しらよい さとる)「あは・・・はははっ」

〇雑誌編集部
白宵 覚(しらよい さとる)「面談は10時だったな」
白宵 覚(しらよい さとる)「あと5時間後か」

〇空

〇おしゃれな大学
白宵 覚(しらよい さとる)「ここが大東大か」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「覚は初めてか?」
白宵 覚(しらよい さとる)「大東大生はうちから借りたりしないしな」
白宵 覚(しらよい さとる)「そうか、あいつ・・・」
白宵 覚(しらよい さとる)「こんな立派なところで教えてるんだな」
三井 陽和(みつい ひより)「白宵くん、気が乗らないなら」
白宵 覚(しらよい さとる)「いや、同行させてくれ」
白宵 覚(しらよい さとる)「もし相手が記憶を消す能力者なら──」
白宵 覚(しらよい さとる)「消される前に予知で回避してみせる」
三井 陽和(みつい ひより)「わかった。頼りにしてる」
???「こんにちは。HASHIBAの方ですか」
教授秘書 碓氷 銘守(うすい めもる)「はじめまして! 教授室の碓氷です」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「お世話になります、羽柴です」
教授秘書 碓氷 銘守(うすい めもる)「わお! 本物の羽柴社長!?」
教授秘書 碓氷 銘守(うすい めもる)「サイン、頂いても?」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「私ので良ければ、喜んで!」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)(影武者だけどな)

〇会議室のドア
教授秘書 碓氷 銘守(うすい めもる)「教授はお部屋でお待ちです」
教授秘書 碓氷 銘守(うすい めもる)「今日は珍しくいらっしゃってて」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「珍しく?」
教授秘書 碓氷 銘守(うすい めもる)「実は最近、私もお会いしてなくて」
白宵 覚(しらよい さとる)「大東大の教授は大変ですね」
教授秘書 碓氷 銘守(うすい めもる)「それでも! 連絡は密にしてほしいですよ」
教授秘書 碓氷 銘守(うすい めもる)「メールも読んでくれないし・・・ブツブツ」
教授秘書 碓氷 銘守(うすい めもる)「はっ」
教授秘書 碓氷 銘守(うすい めもる)「お客様にこんなこと言っちゃ駄目ですね」
教授秘書 碓氷 銘守(うすい めもる)「私、お茶の準備をしてきます」
教授秘書 碓氷 銘守(うすい めもる)「先にお入りください」
教授秘書 碓氷 銘守(うすい めもる)「教授、お見えになりましたよ!」
伽藍 人志(がらん ひとし)「ああ、お入り下さい」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「教授は50代という話だが、若い声だな」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「よし、入るか」
白宵 覚(しらよい さとる)(伽藍人志・・・一体どんな人間なんだ)
白宵 覚(しらよい さとる)(頼む・・・睦月と無関係であってくれ)
  いいか、覚。こちらには武器がある

〇綺麗な会議室
白宵 覚(しらよい さとる)「武器?」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「仮想通貨の取引ログだ」
白宵 覚(しらよい さとる)「本当か! そんなものどうやって!?」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「ふふん。実はな」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「先ほどJSが使っている通貨会社を買収した」
涅群 騎士(くろむら ないと)「お金ってあるところにはあるよね」
三井 陽和(みつい ひより)「影武者成金・・・」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「うぉい! 聞こえてっぞ!」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「おほん。ともかくそれによるとだな」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「JSが不眠症視聴者から得た売上は──」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「全て教授の個人口座に振り込まれていた」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「副業が大学にバレれば、教授はクビだ」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「これを見逃すことを条件に──」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「この街で起こっている不眠について尋ねる」
白宵 覚(しらよい さとる)「教授は自白するだろうか」
三井 陽和(みつい ひより)「自白は必要ないわ。私が居るから」
三井 陽和(みつい ひより)「心に思い描いてくれれば突き止められる」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「不眠症は機械によるものか、ウイルスか」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「はたまた誰かの能力なのか。いずれにせよ」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「──潰す」

〇会議室のドア
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「よし、じゃあ手はず通りに・・・覚?」
白宵 覚(しらよい さとる)「何だこれは・・・」
伽藍 人志(がらん ひとし)「どうぞ、遠慮はいりませんよ」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「ええ、失礼します」
白宵 覚(しらよい さとる)「駄目だ、部屋に入るな!」
三井 陽和(みつい ひより)「どうしたの? 白宵くん?」
白宵 覚(しらよい さとる)「実はさっきから──予知が見えない」
三井 陽和(みつい ひより)「ええっ!?」
白宵 覚(しらよい さとる)「俺にもわからない」
白宵 覚(しらよい さとる)「能力は発動しているはずなんだが」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「どういうことだ?」
三井 陽和(みつい ひより)「私、白宵くんを覗いてみます」
三井 陽和(みつい ひより)「これは・・・っ」

〇壁
白宵 覚(しらよい さとる)「何だ、三井? 何が見えている?」
三井 陽和(みつい ひより)「これは・・・記憶の鎖っ!?」
三井 陽和(みつい ひより)「白宵くんの記憶を閉じ込めたのと同じ!」

〇会議室のドア
三井 陽和(みつい ひより)「明闇さん! 私たち、攻撃されてるっ!」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「攻撃? それは一体──」
三井 陽和(みつい ひより)「記憶の消去よ!」
三井 陽和(みつい ひより)「白宵くんの予知が次々に消されてるの!」
三井 陽和(みつい ひより)「とにかくここから逃げなきゃ・・・」
三井 陽和(みつい ひより)「・・・逃げる?」
三井 陽和(みつい ひより)「逃げるって──何処へ?」

〇会議室のドア
三井 陽和(みつい ひより)「私・・・ここにどうやって来たの?」
白宵 覚(しらよい さとる)「クソッ・・・予知、予知が──」
白宵 覚(しらよい さとる)「何故予知をする必要が?」

〇流れる血
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「おーい、みんな! どこに行ったんだ!」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「みんな? 俺は、誰かとここへ?」

〇黒背景
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「わからない・・・思い出せない」
三井 陽和(みつい ひより)「自分が立っているのかさえ──わからない」

〇会議室のドア
伽藍 人志(がらん ひとし)「物を認識するのも、何かを考えるのも──」
伽藍 人志(がらん ひとし)「全てに『記憶』が関与する」

〇応接室
伽藍 人志(がらん ひとし)「さらばだ、インソムニア」
伽藍 人志(がらん ひとし)「全てを忘れ、永遠の眠りにつくといい」

〇黒背景
白宵 覚(しらよい さとる)「くそ・・・」
白宵 覚(しらよい さとる)「駄目だ・・・意識が遠く──」
???「ひより! 目を覚まして!」
三井 陽和(みつい ひより)(誰?)
???「僕だよ! 僕の心を読むんだ!」
三井 陽和(みつい ひより)(読む・・・心・・・)

〇会議室のドア
  これは・・・?
  ひより、ここから逃げるんだ!
  ひより・・・?
  二人を掴んで、前に進むんだよ!
  前に・・・? わからない──

〇黒背景
  でもなんだろう──この”声”は
  信じていい、と思う
  掴んで、進む、掴んで、進む・・・
  ひか・・・り・・・?

〇大学の広場
三井 陽和(みつい ひより)「・・・こ、ここは」
三井 陽和(みつい ひより)「大学・・・の中庭?」
三井 陽和(みつい ひより)「さっきまで確か、教授室の前にいたはず」
???「そう。三人とも倒れていたんだよ」
アルテミス「僕、一生懸命ひよりに話しかけたんだ」
アルテミス「元気になってくれてよかったよ」
三井 陽和(みつい ひより)「アル! どうしてここに!?」
三井 陽和(みつい ひより)「危ないから家でじっとしてなさいって」
アルテミス「ごめん。でも、ナイトから話を聞いて」
アルテミス「どうしてもひよりが心配になったんだ」
三井 陽和(みつい ひより)「ナイトから? それってどういう──」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「うう・・・む」
白宵 覚(しらよい さとる)「ここは──」
アルテミス「明闇! 覚! 無事で良かった!」
白宵 覚(しらよい さとる)「アルテミス!?」
白宵 覚(しらよい さとる)「そうか、少しずつはっきりしてきた」
白宵 覚(しらよい さとる)「教授室で俺たちは意識を失ったんだ」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「え? そうなのか!?」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「うーむ。大学に来た後の記憶が曖昧だ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「みんな、大丈夫?」

〇シックなバー
涅群 騎士(くろむら ないと)「構内のカメラから見てたんだけど」
涅群 騎士(くろむら ないと)「一体何があったの?」

〇大学の広場
白宵 覚(しらよい さとる)「記憶を消す攻撃を受けた”らしい”」
涅群 騎士(くろむら ないと)「”らしい”?」
白宵 覚(しらよい さとる)「何をされたのか全くわからなかった」
白宵 覚(しらよい さとる)「気付いたときには意識を失ってたよ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「今は攻撃されていないの?」
三井 陽和(みつい ひより)「たぶん、ね」
三井 陽和(みつい ひより)「いまは誰にもあの”鎖”が見えないから」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「とはいえ。もう教授室に戻りたくはねぇな」
三井 陽和(みつい ひより)「同感。いつの間にか記憶を消されるなんて」
三井 陽和(みつい ひより)「あんなのやられたら次は全員廃人だわ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「危険な能力だね。でも──」

〇シックなバー
涅群 騎士(くろむら ないと)「逃げられたってことは──」
涅群 騎士(くろむら ないと)「記憶消去は『距離』に比例するのかな」

〇大学の広場
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「断定はできねぇな」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「今回助かったのは奴の気まぐれかもしれん」
白宵 覚(しらよい さとる)「いずれにせよ、わかったことがある」
白宵 覚(しらよい さとる)「伽藍ってやつが黒幕だってことだ」
白宵 覚(しらよい さとる)「マズい! 明闇、三井。ここから去るぞ」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「おい、覚! ちょっと待て!」
SAT隊員「SAT200名、配置に付きました!」
SAT隊員「大東大の全出入口、敷地内に展開済です!」
小判 早馬(こばん そうま)「狙撃手は?」

〇学校の屋上
SAT隊員「大学の屋上に!」
SAT隊員「敷地内全域を狙撃できます!」

〇大学の広場
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「大丈夫なの? 小判くん」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「全SAT隊員の三分の二を動員なんて──」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「勘違いでしたじゃ済まないわよ」
小判 早馬(こばん そうま)「俺は全員連れても良かったと思ってます」
小判 早馬(こばん そうま)「記憶を消す能力を持つ犯罪者・・・」
小判 早馬(こばん そうま)「テロリストと遜色ないと思いますがね」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「わかったわ。責任はとったげる」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「存分にやりなさい」
小判 早馬(こばん そうま)「ありがとうございます!」
小判 早馬(こばん そうま)「各員に通達!」
小判 早馬(こばん そうま)「これから伽藍人志の確保を行う!」
小判 早馬(こばん そうま)「内偵情報によれは伽藍は現在教授室だ!」
小判 早馬(こばん そうま)「突入し、麻酔銃で身柄を確保しろ!」

〇シックなバー
涅群 騎士(くろむら ないと)「・・・やっぱりそうか」
涅群 騎士(くろむら ないと)「おかえりなさい、無事だったんだね」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「いやー、覚様々だ。予知ってスゲーな」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「醒夜も警察も余裕で回避よ」
三井 陽和(みつい ひより)「それよりナイト、聞きたいことがある」
三井 陽和(みつい ひより)「なぜ、アルを大学に来させたの?」
三井 陽和(みつい ひより)「九条くんに狙われたかもしれないのに!」
アルテミス「落ち着いてよ、ひより」
アルテミス「お陰でひよりたちを助けられたんだよ?」
三井 陽和(みつい ひより)「それはっ・・・そうだけど」
涅群 騎士(くろむら ないと)「僕は日光に弱い上に予知もないからね」
涅群 騎士(くろむら ないと)「小さい彼のほうが良いだろうって」

〇綺麗なダイニング
  それに説明した直後、アルテミスは──
  通信を切って大学に行ってしまったんだ

〇シックなバー
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「それそれ。気になってたんだが──」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「アルテミスに一体何を言ったんだ?」
涅群 騎士(くろむら ないと)「大東大の監視カメラの記録だよ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「実はね、伽藍教授はこの十年間──」
涅群 騎士(くろむら ないと)「一度も大学に姿を見せたことはないんだ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「卒業アルバムは集合写真だけ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「どれも寸分違わず同じ顔だったよ」
白宵 覚(しらよい さとる)「じゃあ伽藍教授は・・・」
涅群 騎士(くろむら ないと)「誰かが作った”架空の教授”かもしれない」

〇研究所の中
  もちろん業績がないと教授にはなれない
  その誰かは教授に成り代わって論文を書き
  伽藍に代わり大学内の教授審査を通した

〇大会議室
  そして教授になった後は会議にも参加して
  他の出席者から自分の記憶を消去し──
  出席していたのが教授のように錯覚させた

〇シックなバー
アルテミス「どうしてそんな回りくどいことするの?」
アルテミス「自分で教授になってしまえばいいのに」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「後ろ暗いことをやってるからだろう」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「いざという時、罪をなすりつけられる」
白宵 覚(しらよい さとる)「なるほど。つまり教授に会うということは」
涅群 騎士(くろむら ないと)「記憶消去能力者の懐に入ることになる」
涅群 騎士(くろむら ないと)「九条さんから僕らの面は割れてるからね」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「おいおい、じゃあ何か?」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「奴は俺達をインソムニアだと気付いて?」
涅群 騎士(くろむら ないと)「そう。飛んで火に入る虫だったんだよ」
白宵 覚(しらよい さとる)「ナイト、それで”誰か”はわかったのか」
白宵 覚(しらよい さとる)「伽藍に成り代わり論文を書き──」
白宵 覚(しらよい さとる)「不眠症の人間を犯罪に駆り立てた人物は」
涅群 騎士(くろむら ないと)「・・・うん」
涅群 騎士(くろむら ないと)「でもわかったのは、ほんのさっきだよ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「警察の突入を監視カメラで見てわかった」

〇会議室のドア
  教授室へ次々と飛び込んでいくSAT
  その人物は彼らの間をあざ笑うように
  涼しい顔で隣を通り過ぎていったんだ

〇シックなバー
涅群 騎士(くろむら ないと)「凄い能力だよ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「周りの記憶を消しながら動くことで──」
涅群 騎士(くろむら ないと)「透明人間のように振る舞えるんだ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「その誰かは──」
白宵 覚(しらよい さとる)「もう十分だ!」
白宵 覚(しらよい さとる)「あるんだろ、ナイト。その映像」
白宵 覚(しらよい さとる)「見せてくれ。心の準備はもう出来てる」
アルテミス「覚・・・」
涅群 騎士(くろむら ないと)「わかった・・・じゃあ出すよ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「これが僕らの”敵”そして──」
涅群 騎士(くろむら ないと)「この街の不眠症を作り出した人間だよ」
白宵 覚(しらよい さとる)「・・・っ」
白宵 覚(しらよい さとる)「何で・・・何でだよ」

〇会議室のドア
白宵 覚(しらよい さとる)「何でお前なんだよ!」
白宵 覚(しらよい さとる)「睦月ぃぃぃぃーーーー!」

次のエピソード:第20話 見つけたぞ!

コメント

  • やはりアイツが……ッ!! わかってはいましたが出し方がうまい……
    (話が単純、という意味ではないです。難しい謎や設定は誰でも作れますが、読者に楽しく読ませる、推理させる、というのは技術がなければ出来ません。誤解されるかもなので念の為🙇)

    しかしコレ能力が強すぎる…… 決着は一体……?

  • うぉー!!!!!!😱💦心の準備をしてから読んだのですが、やはりー!!!!!!😭💦

    最後の方胸が苦しくなりました😭凄いお話ですね!!

    そして続きが本当に気になり過ぎます!!!!

    睦月の真意がとても気になるところです…

    覚大丈夫かなぁ…心配です…

    どうにか乗り越えていけますように!😭

    続きを楽しみにしています!!

  • コバンくん、頼もしいな!
    そして、覚の神経がまたズタズタに…?
    いよいよ手強そうな黒幕登場に、インソムニアメンバーがどう立ち向かうのか楽しみです。

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