6 緊急事態(脚本)
〇おしゃれなリビングダイニング
江崎拓郎「ただいま!」
江崎春奈「お帰りなさいあなた!聞いたわよ!あなたの教え子達、頑張ってるんだって?」
江崎拓郎「あぁ、もう凄いなんて物じゃ無い・・・後一ヶ月位で500万が溜まりそうなんだ!」
江崎春奈「何よそれ!朗報じゃ無い!」
江崎拓郎「あぁ!これが実現すれば私達はまた笑顔で過ごせる!」
江崎拓郎「所で、ミツルは今どうしてる?」
江崎春奈「幾らか発作は見受けられたけど、今は落ち着いてるわ・・・」
江崎拓郎「そうか・・・でも、本当にもう少しだ・・・500万さえあれば、ミツルは助かる・・・」
江崎春奈「・・・そうよ・・・そうよね!」
ミツルの余命が尽きるまで後二ヶ月となった。あの日、如月が始めた一歩のお陰で、私の家族には一筋の希望が見えた。
後少しでミツルは助かる。それが現実になって欲しいと、心からそう思った。
〇教室
翌日。
如月智也「委員長!」
橋本裕也「如月君?どうしましたか?」
如月智也「あのさぁ、後どれ位で500万に到達するか聞きたくて・・・」
橋本裕也「その事ですか!現在の金額が420万ですから・・・」
如月智也「おぉ!このまま皆で頑張れば、確実に間に合うな!」
橋本裕也「間違いありません!」
橋本裕也「如月君、僕からも感謝しないと行けませんね・・・」
如月智也「え?俺何かしたか?」
橋本裕也「充分過ぎる程してくれたじゃ無いですか!如月君が最初の一歩を踏み出してくれたから、僕達は団結して一つの目標に」
橋本裕也「向かって行く事ができた!如月君のお陰で変われる事のできた人だっています!これは誇って良い事ですよ!」
如月智也「・・・委員長・・・」
正樹誠治「み、皆大変や!!」
橋本裕也「正樹君?どうしたんです?そんなに慌てて?」
正樹誠治「皆が頑張って稼いだ金の入った金庫が開けられとるんや!そんで持って中身は空っぽや!!」
橋本裕也「・・・・・・」
如月智也「は、はぁ?嘘だろ?何かの間違いだろ!?」
正樹誠治「ホンマや!金のカの字もあらへんかったわ!」
橋本裕也「・・・・・・」
橋本裕也「いっ・・・一体何の冗談だ・・・?一体誰がそんな事を・・・如月君は大至急皆を集めて!僕は金庫を確認して来る!!」
如月智也「わ、分かった!」
橋本裕也「正樹君!僕も金庫の所へ!」
正樹誠治「わ、分かったわ!」
如月がクラス皆を緊急招集してる間、委員長は金庫を確認して見たが、正樹の言う通り、金庫の中身は空っぽだった。
突然の出来事で、クラスはパニックになっていた。
橋本裕也「皆さん集まりましたね!緊急事態が発生しました!僕達が稼いだお金が、何者かに盗まれました!」
木村愛美「はぁ!?一体何の冗談よ!!?」
熊谷和真「どう言う事だ?何があった!?」
橋本裕也「分かりません・・・昨日誰か、金庫に近付いた人はいませんか?何か知ってる事があれば教えて下さい!」
木下トウヤ「金庫の中身盗まれたって・・・俺ら昨日バイトだったよな!?」
相澤友香「ま、間違い無いよ!私達金庫に近付いて無い!!」
青木拓磨「マジかよ・・・俺も心当たりがねぇ!」
草薙明美「私も知らないわ!」
阿久津修平「え?あの金全部盗まれたのか?でも何の為に?」
熊谷和真「おいデブ・・・まさかお前、食い物欲しさに金盗んだんじゃねぇだろうな?」
阿久津修平「は、はぁ!?そんな事してねぇよ!第一、金庫なんてどうやって開けるか分からねぇよ!!」
熊谷和真「嘘付け!その燃費の悪そうな身体じゃやりかねねぇな・・・」
阿久津修平「て、テメェやる気かぁ・・・」
如月智也「おいおいお前ら喧嘩するな!今はこんな事してる場合じゃ無い!」
熊谷和真「あ、あぁ、すまねぇ相棒・・・」
如月智也「とにかく、今は誰か昨日金庫に近付いた奴を見てないか分からない事には・・・」
草薙明美「あ、あの委員長・・・」
橋本裕也「ん?どうしました?草薙さん・・・」
草薙明美「さっきから気になってたんだけど、私達のクラス全員集めたのよね?何か3人位足りない気がするんだけど・・・」
橋本裕也「3人程足りない?分かりました、直ぐ確認します・・・」
委員長はクラスのメンバーを全員確認したら、人数が足りない事に気付く。
橋本裕也「・・・!確かに足りない!あの3人は昨日まで来てたし、風邪を引いた感じも無かった!」
熊谷和真「委員長!金を盗んだのはそいつらで間違いねぇ!早く見つけないとヤバいぜ!!」
橋本裕也「確かに・・・でも、彼らは一体どこへ・・・」
如月智也「委員長、俺ら全員手分けして捜すしか無い・・・今こうしてモタ付いてたら、俺達は終わりだ・・・」
橋本裕也「・・・!確かに迷ってる時間が惜しい!皆さんは今直ぐ彼らを探して下さい!先生方には、僕が話して置きます!」
熊谷和真「決まりだな・・・おっしゃ行くぞお前ら!!」
〇ビルの裏
根津翔子「皆、勘付かれて無いわね?」
秋本庄司「バッチリだぜ副委員長!」
日村誠「うっひゃ〜!こうして見ると本当心が踊るぜ!何に使おうかなぁ・・・!」
秋本庄司「ここでモタ付いてるのが勿体ねぇ!早く年上のチャンネー口説きてぇぜ!」
根津翔子「皆慌てないで!約束通り皆で山分けよ!その後の事は各々に任せるわ・・・」
日村誠「分かってるって!決めた!山分け終わったらゲームに課金しよっと!」
根津翔子「えぇ、それじゃ、やるわよ・・・」
秋本庄司「よっしゃ!じゃあ俺ナンパして来るわ!」
日村誠「副委員長、恩にきるぜ!やりたかった奴がこれでできる!」
根津翔子「・・・本当、タカが一つの命を守る為に、皆必死になって働いて・・・本当馬鹿見たい・・・折角手に入れた大金なんだから、」
根津翔子「自分の為に使わないと・・・」