そこに手が届くなら

夏目心 KOKORONATSUME

1 父と教師(脚本)

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〇教室
江崎拓郎「良し!今日の授業はここまで!各自、確り復習する様にな!」
如月智也「あぁ、終わった終わった・・・」
木村愛美「智也お疲れ!これからどうするの?」
如月智也「そうだな・・・家に帰ったら宿題やって、その後はゲームでも・・・」
熊谷和真「よぉ如月!ちょっと金貸してくんねぇかな?」
如月智也「げ、熊谷・・・」
熊谷和真「今日財布忘れちまってよ・・・飲みたいのあるから・・・」
木村愛美「ちょっと熊谷!あんたそうやってお金借りてるけど、ちゃんと智也に返した事あった!?借りてばっかしてないで、」
木村愛美「少しは返すって事したら!?」
熊谷和真「うるせぇな木村!俺がどうしようと俺の勝手だろ!テメェに指図される言われはねぇ!!」
如月智也「・・・悪い熊谷、俺今そんなに手持ち無いんだ・・・そんなに喉渇いてるなら他を当ってくれないか?」
熊谷和真「あぁ!?人が喉渇いてるって言ってんだから助けろよ!!」
江崎拓郎「お前達・・・一体何を騒いでいる?」
熊谷和真「け!先行か・・・仕方ねぇ、この辺にしといてやる・・・」
如月智也「あ〜、助かった・・・」
江崎拓郎「お前達、一体何を騒いでたんだ?」
木村愛美「あ、江崎先生、実はですね・・・」
  私の名前は江崎拓郎、別の街から家族と共に引っ越して来た教師だ。生徒達が何か騒いでいたのが気になって来て見たが、
  その内の一人には逃げられ、生徒の木村から事情を聞く事に。
江崎拓郎「そんな事が・・・熊谷の奴そんな事してたとはな・・・」
木村愛美「はい・・・智也からはお金ばかりせがんで、真面目に返した事一度も無くて・・・」
江崎拓郎「何てけしからん話だ!如月、何かあったら直ぐ先生に言うんだぞ!」
如月智也「・・・ありがとうございます・・・」
江崎拓郎「・・・っと、私もそろそろ時間だ、お前達、余り長居しない様にな?」
如月智也「あぁ・・・やっぱこう、もっと早く相談すれば良かったな・・・」
木村愛美「そうだよ・・・本気で助けて欲しいって思ったら、相談しないと始まらないよ・・・」
如月智也「あぁ、肝に命じとく・・・」

〇おしゃれなリビングダイニング
  仕事終わり。
江崎拓郎「おい、帰ったぞ・・・」
江崎春奈「あ!お帰りあなた!今ご飯温め直すから!」
江崎拓郎「あぁ、頼む・・・それはそうと、あの子の様子は?」
江崎春奈「あなたが帰って来る前に寝ちゃったわ・・・」
江崎拓郎「そうか・・・余り大きな音は出せないな・・・」
江崎ミツル「・・・・・・」
  私の家には妻が一人と、もう直ぐ1歳になる息子がいる。初めて子供ができた時はもう心から嬉しく、余りの出来事に
  言葉も出なかった。
江崎拓郎「良く眠っているな・・・ミツル・・・」
江崎春奈「あなた、ご飯の用意できたわ!」
江崎拓郎「そうか、直ぐ行く!」
  別の街から家族と共に引っ越して、私は夏目高校の教師として、ミツルの父親として、これからの生活が楽しみで仕方無かった。
  問題は山積みだが、家族がいるなら大丈夫。この時の私はそう思ってた。

次のエピソード:2 500万円

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