3月23日 足音(脚本)
〇中規模マンション
〇女性の部屋
カツン・・・
夜、寝ている時のことです。何か固いものが響く音がして、目が覚めました
妹「なに?」
その日はやけに寝つきが悪く、寝て覚めてを、何度か繰り返していました
おかげでウトウトとして、あるいは恐怖に慣れてしまったからか、それに何の警戒もせずにいました
カツ、カツ・・・カツン
妹「足音?」
それは遠くから近づいてくる足音でした。帰りの遅い住人がいるのでしょう。私はまたウトウトとしはじめました
すると──
カツ、カツ・・・カツン!
カツ、カツ・・・カツン!
足音は次第にこちらに近付いてます
カツ、カツ、カツン!
足音はどんどん大きく、早足で近づき──
カツン!
音はすでに家の中から聞こえていました
眠気は既に吹き飛び、私は震えて、人形を抱きしめ、布団にもぐり、足音が通り過ぎるのを待ちます
カツ、カツ・・・カツン!
カツン!
カツン!
カッツン・・・!!
足音はどんどんと遅くなり、そして
私の部屋の前で止まりました
〇中規模マンション
〇高層マンションの一室
朝までの耐久レースを乗り越えた私は、兄に昨日の出来事を話しました
( ´∀`)「戸締りしてるんだがなあ」
妹「そういう問題じゃないよ。そもそもお化けにそんな通用しないよ」
弟「兄貴が夜寝ないで廊下で見張ればよくね?」
( ´∀`)「俺は24時間働けねぇよ。つーか、今夜は出かけないとならないし」
妹「じゃあ、私はどうなるの?」
( ´∀`)「全身にお経書いとけ」
妹「お経なんて書けないよ。書けても、耳だけ忘れるオチつけそうだから嫌だよ」
( ´∀`)「う~ん、じゃあ、あれか? でも、あれは危ないからな」
弟「何かあるなら、やればいいじゃん」
( ´∀`)「・・・いいか、お前ら、良く聞けよ」
( ´∀`)「対策はとってやる。その代わり、明日の朝まで、絶対にドアを開けて外にでるなよ」
( ´∀`)「それくらい、こっちも危ないものなんだ。いいか、絶対だぞ」
妹「う、うん」
いつになく語気を強める兄に気圧されて、私は頷くしかできませんでした
〇中規模マンション
その夜──
〇女性の部屋
部屋に入った私は部屋の鍵を閉め、じっと足音を待ちます
深夜二時を回った頃でした
カツン・・・
足音がしました
カツ、カツ・・・カツン!
昨日と同じように、遠くから、次第にこちらに近づいてきます
カツ、カツ・・・カツン!
昨日と同じように早足で近づき
カツン、カツン・・・カツン!
家の中に入ると、速度を緩め
カツン!
私の部屋まであと一歩のところで、足音は止まりました
妹(止まった?)
しばらくすると、足音は巻き戻しのように遠ざかり、そのまま聞こえなくなりました
妹(助かったの?)
兄は一体、何をしたのでしょう?
妹「ちょっとだけ」
私は忠告も忘れて、そっとドアを開き、隙間から外を見てしまいました
〇部屋の前
そこには──
マキビシが引き詰められていました
妹「何やってるの、お兄ちゃん?!」
弟「なんだなんだ・・・って」
弟「痛ってー!」
妹「そこ、まきびしあるから気を付けて!」
弟「手遅れだよ!」
まきびしは玄関に敷きなおされ、帰ってきた兄が餌食になったのは、また別のお話
本当によくアイデアがつきませんね!!
そして妹は怖がりながらもよく住み続けてますね😅
これを読むと、あらゆる心霊ネタが収集できそうです。丸で心霊図鑑ですね!!