5 兄さんとタケルおじさん(脚本)
〇ディベート会場
クチナシタケル「やぁ皆!タケル先生だ!今日は夏目工房の最新ロボットを紹介するぞ!」
クチナシタケル「これが最新ロボットだ、皆どうだ?」
少年「うお〜!でっけ〜!!」
少年「これが本場のロボットか!こうして見るとスゲェな!!」
少女「タケル先生!このロボットはどんな事ができるんですか!?」
クチナシタケル「あぁ教えよう!このロボットはな!」
長谷川花音「何だか順調ですね・・・これなら上手く行きそう・・・」
高橋真由美「・・・・・・」
長谷川花音「あれ?高橋先生?どうしたんですか?何か浮かない顔してますが・・・」
高橋真由美「あ、いやね・・・夏目工房の最新ロボットと聞いて一つ思い出した事があってさ・・・」
長谷川花音「思い出した事?」
高橋真由美「あぁ、実はね・・・」
〇ディベート会場
3年前のある日。
高橋真由美「ん?お客さんかな?はい、どちら様でしょうか?」
工房職員「あぁ!こんにちは!」
高橋真由美「どちら様でしょうか?」
工房職員「あぁ!先ずは突然来訪してしまった事は謝罪します!私は夏目工房の職員の者です!」
高橋真由美「夏目工房?確か、ロボットだか何だかを作ってるって・・・」
工房職員「左様でございます!」
長谷川拓人「あれ?高橋先生、お客さんですか?」
クチナシタケル「失礼ですが、本日はどの様なご要件で?」
工房職員「あぁ!職員の方ですか!」
長谷川拓人「まぁ、そうですね・・・」
工房職員「私は夏目工房の職員の者です!風の噂で、この孤児院でロボット作りを教えてると言うお話を聞きまして・・・」
クチナシタケル「え?夏目工房って、ロボット業界の最先端じゃ無いですか!!」
長谷川拓人「その方が、何故ここに?」
工房職員「はい、本日は孤児院の職員様方に、この様な話を持ち掛けようと思って来訪させて頂きました!」
高橋真由美「お話とは?」
工房職員「ここの皆様は、ロボット作りを子供達に教えてるのですよね?限られた状況下でロボット作りの技術を教える姿勢に」
工房職員「我々夏目工房は共感を受けました!子供達は未来の希望!そんな子供達を成長させる為に、我々も是非力を貸したいと思いまして!」
長谷川拓人「え?もしかして、夏目工房の最新技術とか、教えてくれるって事ですか?」
工房職員「勿論です!孤児院の子供達は身寄りが無い!ならば、力を持った大人が導くのは当然の事!」
工房職員「子供達を成長させる為なら、協力は惜しみません!」
長谷川拓人「・・・・・・!?」
クチナシタケル「な、何と!?あなた方の気持ちが本当でしたら、これは受けざるを得ませんね!高橋先生!拓人君!」
クチナシタケル「この話を請けましょう!」
長谷川拓人「・・・お断りします!」
クチナシタケル「だよなだよな!職員さん!早速契約して今後の方針を・・・って・・・」
クチナシタケル「はぁ!?拓人!お前今何て言った!?」
工房職員「お、お言葉ですが、報酬が足りませんか!?そう言う事でしたら!!」
長谷川拓人「お金の問題じゃありません!俺はあなた方の支援は受けないと言ってるんです!この孤児院の噂をどこで聞いたかは知りませんが、」
長谷川拓人「俺はこの孤児院でのやり方でロボット作りを教えたいと思ってます!お金の力で解決しようと言うなら、今直ぐ出てって下さい!!」
クチナシタケル「な、何言ってるんだ拓人君!考え直さないか!?こんなチャンス滅多に無いぞ!!」
長谷川拓人「あなた方が何を言おうと知りません!帰って下さい!!」
工房職員「・・・わ、分かりました・・・そう言う事でしたら、無理強いはできませんね・・・」
クチナシタケル「あぁ!待って下さい!こいつ気がおかしいんです!ですから!!」
工房職員「申し訳ありませんが、今無理に契約を結んでも、良い事はありません・・・ですので、今日は失礼致します・・・」
クチナシタケル「あぁ・・・何て事だ・・・」
長谷川拓人「良かった・・・これで・・・」
クチナシタケル「おい拓人・・・」
長谷川拓人「ん?タケルおじさん、どうかした?」
クチナシタケル「どうしたもこうしたも無い!これはどう言う事だ!?こんなレアなチャンスを手放すだなんて!!」
長谷川拓人「おじさん・・・あんなのに目をやるのはどうかと思うよ・・・?」
クチナシタケル「あんなのだと・・・あんなのだと!!!」
〇ディベート会場
そして現在。
長谷川花音「高橋先生!その話本当ですか!?」
高橋真由美「えぇ、職員さんを拓人君が無理矢理追い出してから、タケル先生とは上手く行かない事だらけになったわ・・・」
長谷川花音「そんな・・・」
高橋真由美「それでね・・・あの火事の後、タケル先生は夏目工房で面接を受けて今に至るけど、何だか拓人君がいなくなってから」
高橋真由美「タケル先生はどこか生き生きしてる様にも見えてね・・・その時の契約も、受かった後に再契約して・・・」
長谷川花音「う、嘘でしょ・・・タケルおじさん、まさか・・・」
少年「このロボットはどんな事ができるの?」
クチナシタケル「あぁ!このロボットはな、あれやこれやできて、将来的には・・・!」
長谷川花音「(間違い無い、兄さんを殺したのはタケルおじさん・・・でも、兄さんがその時何をどう思って支援を断ったのか分からないと。)」
長谷川花音「(兄さんの事、もう一度調べ直さないと・・・)」
いよいよ事件の真相が、解明されてきたみたいですね‼
ミステリーは不得意なので興味あります。ワクワクしますね。
孤児院でロボット教えるのも、すごく面白いアイデアだと思いました。
独特の視点が楽しいです。
妹がリアルな夢で却って、悲しく思うのは切なかったです😭