3月16日 シミ(脚本)
〇中規模マンション
〇汚い一人部屋
( ´∀`)「シミだよな?」
妹「シミだねぇ」
その日、床にシミがついているのが見つかりました
点々と水が滴り落ち、弾けた跡。そんな薄黒く濁ったシミが、兄の部屋の床についていました
( ´∀`)「雨漏りだよな? この前、雨だったし」
妹「それなら天井にもシミができるでしょ」
天井には濡れた跡はありません
( ´∀`)「雨漏りじゃないとすると、まさか、これは・・・」
妹「何か心当たりがあるの? 前の住人がここで首を吊ってたとか、割腹自殺してたとか。まさか床の下に死体が?!」
( ´∀`)「想像力豊かだな、お前」
妹「だって、そういう家なんだもの」
( ´∀`)「安心しろ。既に張り替えてあるから」
妹「それ何かがあったってことだよね?」
( ´∀`)「いや、お前の言った通り、ここでだな」
妹「言わなくていいよ」
妹「事実が分からない方が、気楽なこともあるって初めて知ったよ」
( ´∀`)「しかしそうなると、これは俺かお前がなにかこぼしたことになるが。ここで何も干してないよな?」
妹「干してないし、もう立ち寄りたくないよ」
( ´∀`)「そうかぁ」
( ´∀`)「でも何とかしないと、退去時に修繕費払わされるからなあ」
結局、これ以上シミがつかないように、兄はそこに風呂桶を置くことにしました
〇中規模マンション
しかし、翌日には──
〇汚い一人部屋
( ´∀`)「シミが増えてる・・・」
水滴の数は増え、色も濃くなっています。今にも腐臭が漂ってきそうな、気持ちの悪い濁った黒いシミ
( ´∀`)「桶の下に新聞紙を敷いてみるか・・・」
〇中規模マンション
しかし、その翌日もまた──
〇汚い一人部屋
( ´∀`)「増えてる・・・」
シミはさらに増え、色はより濃く濁っていました
どんな色をどんな風に混ぜたら、こんな気持ち悪い色がだせるのでしょうか
妹(こんなの普通じゃない)
私の脳裏に恐ろしい想像がよぎります
そっと兄に目を向ければ、兄もまた顔を青くして、体を小刻みに震わせていました。心なしか息も荒いです
妹(流石のお兄ちゃんも、私と同じこと考えてるんだね)
妹「お兄ちゃん、これってやっぱり──」
( ´∀`)「おいやめろ、やめてくれ! 修繕費が、修繕費が! うわー!」
妹「・・・そっちかぁ」
〇中規模マンション
──その日、私達の真下の階の住人が亡くなっていることがわかりました
場所は丁度、兄の部屋のシミができた場所。死亡推定時刻はシミが見つかる前の日
死因は──
〇高層マンションの一室
( ´∀`)「絞死の跡はあるらしいんが、遺体は逆さ吊りで、殺された後に吊るされたわけでもないらしい」
妹「またミステリアスな死に方が・・・」
( ´∀`)「そんでもって・・・」
( ´∀`)「死体が垂れ流した液体は、床でなく天井にこびりついていたそうだ」
妹「それって、まさか、あのシミは──」
( ´∀`)「ああ。天井裏から俺の部屋の床に向かっても、滴り落ちた痕跡があったってさ」
( ´∀`)「おかげで修繕費払わなくて済むどころか、床の張替えもしてくれるそうだ」
妹「めっちゃポジティブ」
それにしても──
この部屋だけでなく、隣や下の住人も変死をしている。これは偶然なのでしょうか? それとも──
ほぼ毎日更新されてるのですね⁉ 大いなる創作力に感嘆しました。
よくアイデアがつきませんね、素晴らしい‼
前回の両隣が喧嘩してるの面白かったですww
そして今回もポジティブ兄が面白いのですが、死体が多いのは霊というより殺人鬼が住んでるのかと、別の恐怖も感じました😆