恐怖のロンダリングバイト始まる #シナリオ(脚本)
〇中規模マンション
この春、私は兄の家に居候することになりました
〇エレベーターの中
女性「そう、お兄さんの家に」
妹「はい。これからよろしくお願いします」
両親は海外赴任で家を空ける為、家には誰もいなくなります。そこで一人暮らしをする兄に白羽の矢が立ったのです
女性「頼りにしてるのね」
妹「いやいや、か弱い女の子を一人暮らしさせるよりはマシというレベルです」
女性「そう。でも、ここは結構、曰く付きだから、気を付けてね」
妹「え?」
妹「あ、着いた」
妹「すみません、それじゃあ、また」
女性「ええ、また。退去日に会いましょう」
〇マンションの共用廊下
私はこの新生活に胸を膨らませていました
( ´∀`)「おう、いらっしゃい」
妹「今日からよろしくね、お兄ちゃん」
恐怖の日々が始まるなど思いもせずに──
〇高層マンションの一室
家の中に入ると、貧乏学生の一人暮らしには似合わない、とても広い部屋が目前に広がりました
妹「結構、いい部屋だね。ボロアパートを覚悟してたのに」
( ´∀`)「凄いだろ? と言いたいが、残念ながらバイトだ」
妹「モニターか何か?」
( ´∀`)「そんな感じ。住んでるときに起きたことを報告するんだとさ。この事故物件の」
妹「ああ、なる・・・」
妹「事故物件って何?」
( ´∀`)「住むと心霊現象が起こる家」
妹「知ってるけど聞きたくなかったよ、その情報」
( ´∀`)「大丈夫だって。俺はまだ何もないから」
妹「前の住民は?」
( ´∀`)「結構いるけど誰がいい? お勧めは部屋で変死を遂げたAさんだな。水のない所で溺死という謎トリックがだな」
妹「知らないし聞きたくなかったよ、その情報」
( ´∀`)「遊びに来た友人や親戚まで姿を消したBさんというのもいてな」
妹「いらないよ、その追加情報」
妹「実家に帰るね」
( ´∀`)「お、おい!」
〇エレベーターの前
妹「あれ? エレベーター動かない?」
( ´∀`)「それ、ずっと故障で動いてないぞ」
妹「でも、私、ここに来るとき乗ったよ。一緒にお姉さんもいたよ」
( ´∀`)「ああ、あの人か。俺も入居したときに会ったよ」
妹「な、なんだ。じゃあ、やっぱり」
( ´∀`)「変わった人だよな。ここ最上階なのに降りなくてさ」
妹「そういえば、一緒に降りなかった。ううん、それだけじゃない。一階からずっと中にいた」
妹「まだ肌寒いのにサマードレスを着て」
( ´∀`)「大家に聞いたら、急に血相変えて、そんな奴いないと怒鳴られてさ」
妹「そのパターンは間違いなく」
( ´∀`)「修理屋だろうな」
妹「違うと思うよ?」
( ´∀`)「故障したエレベーターにいるんだぜ? 修理屋に決まってるだろ」
エレベーターに乗って、異世界に迷い込む。そんな話を思い出します
動いていないエレベーターに乗った私は、今までと同じ世界にいるのでしょうか?
妹(些細な違いが何層にも重なった別世界だったら? 家族が、友達が、知らない人になってたら?)
もう一度乗ったら元の世界に戻れるのでしょうか? それとも・・・
今の私には、もう一度乗る勇気はありません
( ´∀`)「三か月後に、別の家を紹介して貰えるから」
妹「三か月かぁ」
妹(何か分かるまで下手に動かないほうがいいか・・・)
妹「わかったよ」
( ´∀`)「階段はあっちな。ここ最上階だから大変だぞ」
妹「実家に帰りたい」
こうして、私の新生活は幕を開けたのでした
とても面白いし、とても怖いですね😱
兄妹の会話がユーモラスで、兄がボケたりして笑えますww
いきなりエレベーターのお姉さんの仕掛けがあり、恐ろしい感じが漂ってます!!