映栄杉さん家はお侍

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お侍家族と診断サイト(脚本)

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〇映栄杉家の居間
映栄杉太郎丸「診断結果の発表でござる! 父上がもし戦国時代に生まれていたら──」
  残念! 落ち武者です!
映栄杉しのぶ「あっはは! あんた、令和の世に生きててよかったね!」
映栄杉蔵之介「こ、こんな物、まったく当たっておらん! 太郎丸、もっとまともな診断はござらんのか!?」
映栄杉太郎丸「では、この『当てすぎ侍』という作者の診断はいかがでござるか?」
映栄杉太郎丸「よく当たると巷で評判にござる!」
映栄杉ともえ「なになに、診断内容は──」
  〈あなたの長所は〉
映栄杉ともえ「何やら面白みがございませんね」
映栄杉蔵之介「現実的で良いではないか! 先ほどの『名誉返上』をかけ、拙者から参る!!」
映栄杉しのぶ「馬鹿だねえ。それを言うなら『名誉挽回』だよ」
映栄杉太郎丸「では、父上の名前と誕生日を入力してと・・・。いざ、診断開始!」
映栄杉蔵之介「名前と誕生日だけとな!? そんなもので拙者の何が分かると──」
  行動力があり物怖じしない! 上司が相手でも言いたいことを言える!!
映栄杉蔵之介「なんとっ!? こやつ、なかなか見る目があるではないか!」
映栄杉ともえ「むむ・・・? ただの偶然では? 次はわたくしを診断してくださいませ!」
映栄杉太郎丸「お任せを。姉上の長所は──」
  英語と韓国語が得意! 海外のイケメンに道を聞かれても完璧!!
映栄杉ともえ「Amazing! 大正解にございます!」
映栄杉しのぶ「やるもんだねぇ! けど、さすがにあたしのは当てられないだろう?」
映栄杉太郎丸「フフン。母上の長所は──」
  あらゆる忍術に精通! 実は元くノ一!!
映栄杉しのぶ「な、なんで分かるんだい!?」
映栄杉蔵之介「しのぶの過去まで見透かすとは! 『当てすぎ侍』とやら、あっぱれでござる!!」
映栄杉太郎丸「さぁさぁ! この作者の診断は、まだまだあるでござるよ!」

〇映栄杉家の外観

〇映栄杉家の居間
  〈あなたが今ハマっているもの〉
  診断結果は──
映栄杉蔵之介「運動後のサウナ・・・」
映栄杉しのぶ「美容に良いと話題の海藻・・・」
映栄杉ともえ「イケメンアイドル・・・」
「大当たりー!!」
映栄杉蔵之介「太郎丸! 他の診断はないのか!?」
映栄杉太郎丸「ご安心を。最後にとっておきの診断が残ってるでござるよ!」
  〈家族に迷惑かけてること〉
映栄杉太郎丸「まずは父上! 診断結果は──」
  息子に外遊びを強制する所!
映栄杉蔵之介「おや? はずれでござるな」
映栄杉蔵之介「外遊びを強いてるのは、太郎丸を立派な侍にするため。迷惑なわけが──」
映栄杉太郎丸「父上。それ、迷惑でござる」
映栄杉蔵之介「なぬ!?」
映栄杉太郎丸「恥ずかしながら、吾輩は運動が不得手にござる。外遊びなど・・・ただの苦行!」
映栄杉太郎丸「吾輩、家で遊びたい!」
映栄杉蔵之介「そ、そんな・・・せがれのためと思っていたことが裏目に・・・」
映栄杉太郎丸「次は母上でござる!」
  偏った食事ばかり作る所!
映栄杉しのぶ「な、なんだって!? いつも良い食材を使ってるじゃないか!」
映栄杉太郎丸「そう『美容』に良い物ばかりを」
映栄杉しのぶ「それはっ。そうだけど・・・」
映栄杉太郎丸「吾輩がほしいのは、美容より美食!」
映栄杉太郎丸「もっと色んな美味しい料理を食べたい!」
映栄杉しのぶ「太郎丸・・・。あたし、自分本位なことをしてたんだね・・・」
映栄杉太郎丸「最後は姉上!」
映栄杉ともえ「ふっ、わたくしが迷惑など──」
  推し活がうるさすぎる所!
映栄杉ともえ「え」
映栄杉太郎丸「推しの歌が、昼夜問わず吾輩の部屋に聞こえてくるでござる!」
映栄杉太郎丸「吾輩が最後に部屋でくつろげたのは、いつの頃だったか・・・ぐすん」
映栄杉ともえ「そ、そんなにうるさかった・・・?」
映栄杉太郎丸(計・略・成・功!!)
映栄杉太郎丸(何を隠そう、診断を作った『当てすぎ侍』とは、吾輩のこと!)
映栄杉太郎丸(皆の迷惑行為を自覚させるため、一計を案じたのでござる!!)
映栄杉太郎丸「吾輩も鬼ではござらん。皆が改心してくれたら、この件は不問に処すでござる」
「あ、ありがたき幸せ!!」
映栄杉蔵之介「太郎丸よ! 外遊びが嫌なら、家でテレビゲームに興じるのはどうだ?」
映栄杉太郎丸「さ、最新のゲーム機ではないですか! もちろんよいでござるよ!!」
映栄杉蔵之介「では、このコントローラーを持て」
映栄杉太郎丸「分かったでござ・・・ん!?」
映栄杉蔵之介「剣の腕を磨く体感ゲームを見つけてな! これなら家でも鍛えられるぞ!」
映栄杉太郎丸「いやいや、父上! 吾輩は運動そのものが嫌だと申して──」
映栄杉蔵之介「何をしておる! 刀を振らんか!!」
映栄杉太郎丸「め・・・面、胴、小手・・・」
映栄杉蔵之介「声が小さーい!!」

〇映栄杉家の居間
映栄杉太郎丸「酷い目にあったでござる・・・」
映栄杉しのぶ「運動した後は美味しい食事だよ!」
映栄杉太郎丸「母上! やっと分かってくれ──」
映栄杉太郎丸「あの・・・これは?」
映栄杉しのぶ「いろんな味が楽しめるように、世界中の海藻を集めたのさ!」
映栄杉太郎丸「いや、海藻の味なんかほとんどいっしょ──」
映栄杉しのぶ「ぐたぐた言うんじゃないよ! 残したら承知しないからね!!」
映栄杉太郎丸「は、はい! いただくでござる!!」

〇映栄杉太郎丸の部屋
映栄杉太郎丸「おえ・・・気持ち悪いでござる」
映栄杉ともえ「太郎丸、待っておりましたよ」
映栄杉太郎丸「あ、姉上!? なぜ吾輩の部屋に?」
映栄杉ともえ「それはもちろん──」
映栄杉ともえ「推しの普及をするためです!」
映栄杉太郎丸「へ」
映栄杉ともえ「太郎丸も推しの素晴らしさを知れば、うるさいだなんて思わなくなるはず!」
映栄杉太郎丸「ちょ! そういうことじゃな──」
映栄杉ともえ「さあ、朝まで楽しみましょう♡」

〇映栄杉家の外観
映栄杉太郎丸「だ、誰か! お助けをー!!」

次のエピソード:サウナと我慢とお侍

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