映栄杉さん家はお侍

編集長

お侍の息子とAI読書感想文(脚本)

映栄杉さん家はお侍

編集長

今すぐ読む

映栄杉さん家はお侍
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇映栄杉太郎丸の部屋
映栄杉ともえ「たたた助けて、太郎丸!」
映栄杉太郎丸「姉上、何があったでござる!? まさか、クセ者が我が家に討ち入りを──」
映栄杉ともえ「宿題を手伝ってくださいませ!!」
映栄杉太郎丸「はぁ、何事かと思えば・・・」
映栄杉太郎丸「宿題は自らの力でやるもの。姉上の尻拭いなど御免でござる」
映栄杉ともえ「ちょ! カラクリで遊ぶ暇があるなら、手伝ってくれてもよいでは――ん?」
AI「〈何かお困りですか? 私があなたのことをサポートします〉」
映栄杉ともえ「そ、そのカラクリは!?」
映栄杉太郎丸「吾輩の開発したAIでござるよ」
映栄杉太郎丸「困り事を入力すると何でも答えてくれる、超優れモノでござる!」
映栄杉ともえ「もしや・・・宿題を手伝わせる事も!?」
映栄杉太郎丸「無論、朝飯前でござるよ」
映栄杉ともえ「へぇ・・・」
映栄杉太郎丸「ダメでござる! これは吾輩のために作ったものゆえ!」
映栄杉ともえ「ふーん? そんな事言って、本当は宿題を手伝うことなんて、できないのでしょう?」
映栄杉太郎丸「なっ!? 違うでござる!」
映栄杉ともえ「この目で見ない限り信じられません」
映栄杉太郎丸「いいでしょう! 吾輩の開発したAIの力、姉上に披露いたします!!」

〇映栄杉家の外観

〇映栄杉太郎丸の部屋
映栄杉太郎丸「なるほど、読書感想文でござるか」
映栄杉ともえ「ええ、この本なのですが・・・」
映栄杉太郎丸「では、まず本の情報を入力」
映栄杉太郎丸「あとは〈読書感想文を書いてください〉とお願いするだけで──」
AI「〈この本は、男子高校生の部活動を描いた青春小説である〉」
AI「〈私は、スポーツを通じて学友と友情を育む大切さを――〉」
映栄杉太郎丸「ほーら姉上、どうです!」
映栄杉ともえ「あわわ・・・!」
映栄杉太郎丸「驚きすぎて言葉も出ないでござるか。では、これにて一件落着──」
映栄杉ともえ「全然、わたくしっぽくなーい!!」
映栄杉太郎丸「へ」
映栄杉ともえ「一人称は『わたし』でなく、わ・た・く・し!」
映栄杉ともえ「それに、『である』なんて偉そうな言葉は使いません!」
映栄杉太郎丸「些細な事を気にするなでござる」
映栄杉ともえ「甘い! 他人が書いたとバレたらどうするのですか!?」
映栄杉太郎丸「なぜ吾輩がそこまで面倒を見なければいけないでござるか・・・」
映栄杉ともえ「しくしく・・・わたくし、先生に怒られてしまうのですね。AIの出来が悪いせいで」
映栄杉太郎丸「なっ!? 出来が悪い!?」
映栄杉ともえ「あら、本当の事ではありませんか」
映栄杉太郎丸「姉上らしくないのは、データが不足しているからです! 見てるでござる!」
映栄杉太郎丸「〈姉上は丁寧口調のJK〉!!」
AI「〈この本は、男子高校生たちの部活動を描いた青春小説にございます〉」
AI「〈わたくしは、スポーツを通じて友情を育む大切さを――〉」
映栄杉太郎丸「フフン! 少し姉上を学習させるだけで、この通りでござる」
映栄杉ともえ「ほう、少しは良くなりましたね」
映栄杉太郎丸「なぜそんな上から目線・・・」
映栄杉ともえ「次は、わたくしの特技も再現して頂きましょうか」
映栄杉太郎丸「特技・・・??」
映栄杉ともえ「世界のイケメンと話すために覚えた外国語でございます。いくらAIでも難し──」
映栄杉太郎丸「心配ご無用! 〈姉上の特技は英語と韓国語〉!!」
AI「〈イケメン高校生、もといGood-looking boysの部活動を描いた青春小説でございます〉」
AI「〈わたくしは、スポーツを通じて学友と友情、もとい우정を育む大切さを――〉」
映栄杉太郎丸「お望みなら、他の国の言葉も加えられるでござるよ?」
映栄杉ともえ「まだまだです! 文章の表現がわたくしっぽくない!!」
映栄杉太郎丸「た、たしかに!? 所々知性的な表現があり、姉上とは思えないでござる」
映栄杉ともえ「うんうん・・・ん?」
映栄杉太郎丸「〈姉上の語彙力は中学生レベル〉と学習させれば──」
映栄杉ともえ「ちょ、違ーう!!」
映栄杉ともえ「この本で最も推すべきは、イケメンたちが試合で熱く絡み合うシーン!」
映栄杉ともえ「『友情』なんて端的な言葉でなく、もっと趣ある言葉で──」
映栄杉太郎丸「ならばこうするまで! 〈姉上はイケメンに目がないオタ〉!!」
AI「〈わたくしの推しは主人公×ライバル。ラストのハイタッチ、尊みが深うございます・・・〉」
映栄杉太郎丸「どうでござるか! 吾輩のAIはどんな表現もお茶の子さいさいでござる!!」
映栄杉ともえ「・・・表現力はなかなかの物ですね」
映栄杉ともえ「しかーし、推しが私と違います! そこは見逃せません!!」
映栄杉太郎丸「ええぃ! こうなったら、何でも来やがれ!!」

〇映栄杉太郎丸の部屋
映栄杉ともえ「――これで最後でございます!!」
映栄杉太郎丸「承知! 〈姉上は勉強が大嫌い〉!!」
映栄杉ともえ「あれ!? 応答がありませんよ!?」
映栄杉太郎丸「おかしいでござるな?? これで姉上を完璧に学習できたはずなのに・・・」
AI「〈たたた助けて、太郎丸!〉」
「へ」
AI「〈宿題を手伝ってくださいませ!!〉」

次のエピソード:お侍家族と診断サイト

コメント

  • 次々とテンポよく出てくる感想文とそれに対する2人のコメントが面白いです。このやり方はは実際にやっているいる人もいそうですね。ただ、確かにそのままだと提出できないかもしれませんね… 姉上は(ずる)賢いのか頭がよくないのかわからないのが(?)楽しいです。

成分キーワード

ページTOPへ