ロボット君

夏目心 KOKORONATSUME

8 本当の気持ち(脚本)

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〇屋台
藤原直樹「くそ!一流企業の癖に他人を見る目が無い奴ばかりだぜ!何で僕だけが底辺にいるんだ・・・」
藤原直樹「ん?こんな所に屋台なんてあったか?」
藤原直樹「まぁ丁度良い。一杯やりたい気分だったからな・・・」
  今日の仕事終わり。僕はこのどうしようも無い苛立ちを抱えたまま帰路に着いてた。あれこれ考えてたから気付けなかったのか、
  僕は屋台を見つけたので一杯飲んで行く事にした。今帰っても親から色々急かされそうだったので、気分転換する事に。
藤原直樹「お〜い!誰かいないかぁ?」
佐藤博之「へいらっしゃい!」
藤原直樹「おぉ、誰かいてくれたか・・・取り合えずビール一杯・・・」
佐藤博之「まいど!」
佐藤博之「へいお待ち!」
藤原直樹「どうも・・・」
藤原直樹「ぷはー!やっぱ苛々したり楽しみたいと思った時は酒に限るなぁ!!」
佐藤博之「その気持ち分からなくも無いが、あんま飲み過ぎると帰れなくなるぜ?」
藤原直樹「分かってますって!!」
  その後、僕はひたすらビールだけを注文して、自然と酔っ払って愚痴をこぼしていた。
藤原直樹「本当ふざけた話だぜ!僕は毎日親にせがまれて勉強して、ドキワミを首席で卒業したエリートだってのに、僕より下の低学歴ばかり」
藤原直樹「良い思いしやがって!世の中は学歴社会だってのに、一流企業にいる奴らも本当見る目が無いな!僕だって社会貢献しようと」
藤原直樹「頑張ってるってのに!連中は僕の何を見てるってんだ!」
佐藤博之「・・・・・・」
藤原直樹「何だよ親父?何か言いたそうにしてるが?」
佐藤博之「あ、あぁ、すまねぇ、そんなつもりじゃ無かったんだが、気を悪くしたなら謝る・・・只・・・」
藤原直樹「只、何だよ?」
佐藤博之「お前さん、随分頭の悪い考え方してるなぁって・・・」
藤原直樹「はぁ!!??おいおっさん!?今何て言った!?」
佐藤博之「いやだから・・・お前さん、随分頭悪い考え方してるなぁって・・・」
藤原直樹「ふざけてるのかぁ!?僕はいつだって学年トップで、勉強に置いて僕に勝てた奴なんて一人もいないんだ!!その僕が」
藤原直樹「頭悪いだって!?一体何を見てそう思った!?僕は最強のエリート・・・」
佐藤博之「だ〜か〜ら〜!その考え方が馬鹿だって俺は言ってるんだよ!!」
藤原直樹「あぁん!?」
佐藤博之「高学歴だかエリートだか、そんなのイチイチ知らねぇよ!周囲に評価されないってのは、どっからどう見ても自分に原因がある!」
佐藤博之「そんな風に考えた事はあるか!?どんなに学歴が優れてても、自分の欠点まで直るとは限らねぇだろうが!!」
藤原直樹「・・・・・・!?」
佐藤博之「真面目な話だ・・・世の中学歴が大事ってのは重々承知してるよ・・・ある程度の常識が無きゃやってられねぇ・・・」
佐藤博之「お前さんが高学歴で一流企業に努めてるってのはさっきの愚痴で良く分かった・・・その上で一つ聞くが、」
佐藤博之「お前さん、本当にそれが夢だったのか?一流企業に入って、何をどうしたかったんだ?」
藤原直樹「そんなの決まってるだろ!出世して高収入を得て!それで・・・!それで・・・」
藤原直樹「あ、あれ?僕は・・・本当は、何をどうしたかったんだ・・・!?沢山勉強して、エリートになって・・・それで・・・」
佐藤博之「やっぱりな・・・自分の親に勝手に決め付けられて、自分が本当に何をしたいのか全然見えて無かった・・・」
佐藤博之「そんなこったろうと思ったぜ・・・」
藤原直樹「え?僕の夢って何だ?そもそも何の為に高学歴になったんだ?僕のやりたい事って一体・・・」
佐藤博之「お前さん、どうやら人として一皮向けた感じだな・・・」
藤原直樹「え?」
佐藤博之「良いか?そもそも自分の人生ってのはな、誰かの為に生きる事は確かに大事だ・・・でもな、一番肝心なのは、」
佐藤博之「自分の行く道は自分で決めなきゃならねぇって事だ・・・他の誰かが決めて良い物じゃねぇ・・・」
佐藤博之「誰かが敷いたレールの上を歩くのは傍から見ても確かに楽だ。でも、その敷いてくれた奴がいなくなったら、その先どうするんだ?」
佐藤博之「誰も決めてくれないよな?」
藤原直樹「あ・・・!?」
佐藤博之「気付いた見たいだな・・・そうだ、どんな人生に置いても、一番最後に頼れるのは自分だけだ・・・仮に道を定められても、」
佐藤博之「その先の責任を取るのも全部自分だ・・・けど、力には幾らでも応用が効く・・・お前さんの高学歴も、見方を変えれば」
佐藤博之「確実に強い味方になってくれる!お前さん、これまでの人生で、本気でやって見たいと思えた事はあるか?」
佐藤博之「これまで自分がやって来た事、振り返って見な?」
藤原直樹「僕が・・・本当にやりたかった事・・・・・・」
藤原直樹「は!そうだ!あの人になら!」
藤原直樹「親父さん!ありがとうございます!僕何か分かった気がします!」
佐藤博之「おぉそうか!もし本当にそれがやりたい事だってなら、どんな事があってもやり通せよ!」
藤原直樹「はい!!」
  たまたま出会った屋台のおじさんに諭され、僕は本当に何をしたいのかやっと分かった気がした。
  衝動を抑えられなかった僕は、一目散に走ってくのだった。

次のエピソード:9 直樹の巣立ち

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