試しに校正のお仕事をやってみたところ……

ましまる

本論③:荒唐無稽(脚本)

試しに校正のお仕事をやってみたところ……

ましまる

今すぐ読む

試しに校正のお仕事をやってみたところ……
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇テーブル席
依田 大樹「さて、具体的な解説内容について 実例を示してくれるということだが、」
依田 大樹「悪いけど、俺にも理解できるジャンルで 話してもらえるか?」
依田 大樹「俺、神聖ローマ帝国とか インカ帝国の話をされても無理だからな」
ましまる(仮)「でしたら、日本史の安土桃山時代に関する 台本のケースにしますね」
ましまる(仮)「本能寺の変から関ヶ原の合戦までの話で どうでしょうか?」
依田 大樹「ああ、その辺りなら大丈夫だ」
依田 大樹「ちなみに、お前さんの日本史知識レベルは どの程度なんだ?」
ましまる(仮)「そうですね・・・高校の社会科目は 世界史を選択したので、」
ましまる(仮)「日本史は、まぁ、義務教育レベルですね」
依田 大樹「でもよ、“TapNovel” で時折 歴史ネタの雑談話を作っているよな?」
依田 大樹「アレは、義務教育の内容からは 外れているよな、明らかに・・・」
ましまる(仮)「大昔に、個人的な趣味関心で 調べたり聞いたりした内容がベースです」
依田 大樹「あの卑猥な話が「趣味関心」って・・・」
ましまる(仮)「ええと、それは置いておいて・・・」
ましまる(仮)「いくつか、元ネタをリライトしたものを お示ししますので、」
ましまる(仮)「センセも、妥当な内容かどうか 考えてみてください」

〇チョコレート
ましまる(真)「ここからは歴史ネタが続きます」
ましまる(真)「苦手な方、興味のない方におかれましては」
ましまる(真)「ラストまでスキップしていただければ 幸いに存じます」
ましまる(真)「また、依田センセによる グチグチとした文句が続きますので、」
ましまる(真)「それが嫌な方も ラストまでスキップをご推奨いたします」
ましまる(真)「それでは、続きをどうぞ・・・」

〇古い本
  織田信長を本能寺で討ち取った明智光秀は
  次に秀吉の居城の長浜城に狙いを定めた。
  光秀は同日、兵を率いて長浜城に攻め込み
  その日のうちに落城させている・・・・・

〇テーブル席
依田 大樹「この長浜城って滋賀県だよな・・・」
ましまる(仮)「はい、琵琶湖の東岸に位置する 滋賀県長浜市にあった城です」
依田 大樹「で、本能寺は京都だよな?」
ましまる(仮)「はい、現在の本能寺は 京都市中京区の寺町御池にありますが、」
ましまる(仮)「本能寺の変の当時は、同じく中京区の 四条堀川の近くにありました」
依田 大樹「京都が琵琶湖の西側にあるから・・・」
依田 大樹「長浜城って、本能寺から「同日」に 行ける訳ねーよな」
ましまる(仮)「センセ、正解です」
ましまる(仮)「こんな、琵琶湖を挟んで真反対の場所に 徒歩で1日のうちに行ける訳ないです」
ましまる(仮)「普通に考えて、100kmは歩かなければ ならないでしょうからね」
ましまる(仮)「琵琶湖の広大さをナメンナ、って感じです」
依田 大樹「それにしても、これを書いたライターは どうしてこんなウソ内容を・・・」
ましまる(仮)「いったい、何を根拠にしたのか不明ですね」
ましまる(仮)「そもそも、長浜城を攻め落としたのは 明智方に与した在地勢力であり、」
ましまる(仮)「明智光秀は、本能寺の変の後に 長浜城に赴いたことは一切ないようです」
依田 大樹「じゃあ、全てがデタラメって訳か・・・」

〇古い本
  明智光秀を山崎の戦いで破った秀吉は、 
  この勝利で天下人となり関白に就任した。

〇テーブル席
依田 大樹「おいっ「清洲会議」はドコに行った?」
ましまる(仮)「そうです、正解です」
ましまる(仮)「秀吉は、山崎の戦いでの勝利の後に すんなりと天下人になった訳ではなく、」
ましまる(仮)「織田家のその後の方針を決める 「清洲会議」を経て、」
ましまる(仮)「織田家筆頭家老の柴田勝家との 「賤ヶ岳の戦い」と、」
ましまる(仮)「織田信雄、徳川家康との 「小牧・長久手の戦い」という 2つの大戦役をくぐり抜け、」
ましまる(仮)「同時に行っていた朝廷への政治工作が実り」
ましまる(仮)「晴れて関白・天下人となっています」
依田 大樹「だよな・・・明智光秀を倒して すぐ天下人とはならんよな」
ましまる(仮)「明智光秀を倒した時点では まだ織田家の一家臣にすぎないですからね」

〇古い本
  朝鮮出兵を決めた豊臣秀吉は、     
  前線基地として名護屋(佐賀県唐津市)に
  城を築き、自身も当地へ赴いている・・・
  だが、秀吉は名護屋にて生母の危篤の報を
  受けて、母のいる大坂へ戻ることを決めた
  その日のうちに大坂へ帰るも時すでに遅く
  母の死に目に逢えなかったショックで  
  秀吉は卒倒したと伝えられている・・・・

〇テーブル席
依田 大樹「今回はすぐわかった!」
依田 大樹「佐賀県から大阪まで 「その日のうちに」戻るなんて無理だろ」
依田 大樹「この時代、飛行機も新幹線も無いのによ」
ましまる(仮)「センセ、大正解です」
ましまる(仮)「ライターさんも、ご自身で書いていて 気付かなかったのでしょうかね・・・」
依田 大樹「それと、秀吉が卒倒したって話は 本当なのか?」
ましまる(仮)「Wikipedia には そのように書かれていましたね」
ましまる(仮)「今回の記述、ホントとウソが 混在しているんですよ・・・」
依田 大樹「チェックする側としたら厄介だな・・・」
ましまる(仮)「それと、秀吉の生母が居たのは 大坂ではなく、京都の聚楽第だったので、 その点も誤りですね」
依田 大樹「そこもウソなのかよ・・・」

〇古い本
  秀吉の死後、徳川家康を嫌いな石田三成は
  自ら挙兵して家康と争った。      
  これが世に言う「関ヶ原の合戦」である。

〇テーブル席
依田 大樹「好き嫌いの感情だけで 日本を二分する戦をする訳ねーだろ」
ましまる(仮)「ですよね・・・」
ましまる(仮)「この関ヶ原の合戦は 個人的感情で引き起こされたものではなく」
ましまる(仮)「豊臣政権下の主導権争いという見方が 一般的です」
依田 大樹「この時、豊臣秀頼はまだ幼いから 家康たちの争いを抑え込めないんだな」
ましまる(仮)「この関ヶ原の合戦について、 また別のライターさんの記述では、」
ましまる(仮)「『悪逆非道の徳川家康を打倒すべく、  正義の忠臣・石田三成が立ち上がった』」
ましまる(仮)「・・・なんて書かれていたりも」
依田 大樹「書いた奴の石田三成への愛は ありありと伝わってくるが、」
依田 大樹「そんな主観まみれの文章は 解説文としては失格だろ・・・」
ましまる(仮)「・・・ですよね」

〇古い本
  関ヶ原の合戦では、服部半蔵と伊賀忍者が
  西軍の諸部隊へ忍術で大打撃を与え、  
  家康率いる東軍の勝利に貢献した・・・・

〇テーブル席
依田 大樹「こんなの、本当に書かれていたのか・・・」
依田 大樹「書いた奴の脳内では、忍者って存在は 黒魔導士みたいなイメージなのか?」
ましまる(仮)「・・・おそらく」
依田 大樹「敵軍に大っぴらに大打撃を与えていたら もはや「忍び」ではねーだろうが」
ましまる(仮)「ええ、諜報・隠密活動の真逆ですからね」
依田 大樹「そもそも、関ヶ原の合戦で 忍者の存在なんか聞いたことないが、」
依田 大樹「服部半蔵や忍者たちは 関ヶ原の合戦で何をしていたんだ?」
ましまる(仮)「実のところ、服部半蔵正就と伊賀者は 関ヶ原にいませんでしたよ」
ましまる(仮)「会津の上杉景勝の南下に備えて 下野国で防衛に当たっていたようです」
依田 大樹「じゃあ、完全に書いた奴の妄想って訳かよ」
ましまる(仮)「・・・はい」

〇古い本

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:むすびにかえて

コメント

  • どこがおかしいのか一緒に考えながら読ませていただきました。
    もしかしてましまるさんて国語と歴史(と下ネタとご飯系)だけじゃなくて地理にも強いんですか…!?滋賀と京都の距離パッと出て来なかったです。最強の文系ですね🥺

  • 勝手な妄想ですが、もともと異世界転生系の小説を書かれていたライターの方で、その流れで抵抗なくフィクションも入れていたたのでしょうか😅
    私が知らないだけでモデルといっても色んなモデルがいるように、ライターも色んなライターがいるのでしょうね。
    仕事とはいえ、ましまるさんの気苦労は多かったんじゃないでしょうか。おつかれ様でした☺️

  • 歴史は本当のところはどこまでが真実かなんてわからないですが、さすがにこれはないかと… まあ自由に空想で書きたいなら資料がほぼない古代史がいいかもしれませんね(笑)
    最後の意味深な会話は?? …次回のお楽しみというわけですね。

コメントをもっと見る(10件)

ページTOPへ