ロボット君

夏目心 KOKORONATSUME

7 拭えぬ苛立ち(脚本)

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〇おしゃれなリビングダイニング
藤原父「え?直樹の奴、まだ平社員なのか?入社してから随分経ったじゃ無いか?」
藤原母「そうなのよ・・・給料は上がっても良い感じとは言えないし・・・」
藤原直樹「・・・ただいま・・・」
藤原父「あぁ!直樹!お前、昇進は何時になったらできそうだ!?お前なら直ぐだろ?」
藤原直樹「そんなの・・・人事部の奴らにでも聞いてくれよ・・・」
藤原母「あなたに見合う結婚相手は見つけた?早く孫の顔が見たいわ・・・」
藤原直樹「あぁ、勝手にやってるから・・・」
  入社してから数年が経った。あれから僕は何をやっても評価されず、自分より学歴や学力の低い奴に追い抜かれていた。
  昇進できるかどうかはまだしも、最近は親から結婚して子供の顔が見たいと言われる三昧で、正直ウンザリしていた。
  だから最近出会い系サイトや婚活アプリを使って色々やっては見ているが、正直上手く行った試しは無かった。
  ついこの間も、
モブ女「直樹君!私好きな人ができたから、別れて頂戴!!」
藤原直樹「はぁ?勝手にすれば?やっぱ低学歴のザコじゃ僕の相手もまともにできないか・・・」
モブ女「あなたの学歴マウントにはもうウンザリなのよ!何でもかんでもあなた基準で決められて、少しはこっちの身にもなってよ!!」
藤原直樹「知るかよ・・・ちゃんと勉強して来なかったお前が悪いだろ・・・ちょっとやそっとの事で怒るとか、」
藤原直樹「マジでレベルの低い女だな・・・」
モブ女「そう言う所が嫌だって言ってるのよ!あなたと話してるだけでも時間の無駄だわ!直樹君と一緒にいて、ちっとも楽しく無かった!」
モブ女「これからは、新しい彼とやってくわ!!」
  出会い系だのお見合いだのしての、どいつもこいつもレベルの低い奴ばかりで、誰も僕と釣り合わなかった。時間も金も
  勿体無いので僕は恋愛するのが馬鹿馬鹿しくなった。
藤原直樹「・・・何か詰まらないな・・・」

〇オフィスのフロア
  職場でも。
藤原直樹「・・・・・・」
モブ女「ねぇ聞いた?高倉君と北澤さん、もう直ぐ第二子が産まれるって!」
モブ女「え?その話本当!?高倉君達頑張ってるねぇ!!」
モブ女「本当ビックリだよね!北澤さん、前から高倉君の事狙ってて、高倉君が別の支社に異動になった時は無理矢理着いて行って、」
モブ女「異動した後で真剣交際始めてここまでしちゃうんだもん!」
モブ女「本当、あの二人頑張ってるよね!!」
藤原直樹「(何だよそれ・・・僕よりレベルの低い奴が子供を二人も作ったって?どうせこれから低レベルな奴に育てるんだろうが・・・)」
藤原直樹「(何で僕は先を越されてるんだ?僕はドキワミ首席卒で、他の奴らより遥かに優秀なのに・・・)」
部長「藤原君、ちょっと良いかい?」
藤原直樹「ん?どうしました?」
部長「さっき頼んだ資料なんだが、今回はいつも以上にミスが多い。訂正を頼みたいんだが・・・」
藤原直樹「はぁ!?僕を誰だと思ってるんですか!?」
部長「え?ど、どうしたんだい!?」
藤原直樹「僕はドキワミ大学を首席で卒業したエリート中のエリートですよ!!そんな完璧な僕がミスなんてする筈無いでしょ!!」
藤原直樹「部長の目が節穴なんですよ!!」
部長「ふ、藤原君!どうしたんだ!?落ち着きたまえ!!」
藤原直樹「僕がミスして無いと言えば、ミスして無いんですよ!僕こそが最強なんですよ!!」
  いつまでも何も変わらない現状。僕に対する評価が低過ぎる事。気付かぬ内に溜まったストレスを、僕は無意識に周囲へ
  ぶつけてる事に、全く気付かなかった。

次のエピソード:8 本当の気持ち

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