5 一流企業へ(脚本)
〇大企業のオフィスビル
それから、僕はドキワミ大学でもひたすら勉強に打ち込み、父さん達の夢であった一流企業への内定が決まり、
ドキワミ大学も首席で卒業する事ができた。父さん達は大歓喜だったし、もうこれで良い様にも思えた。
藤原直樹「ここが夏目カンパニーか・・・また頑張って社長にでもなれば、父さん達、喜んでくれるかな・・・」
若干思う事はあるが、僕は会社の説明会に足を運ぶのだった。
〇オフィスのフロア
説明会が終って一週間。僕は同期達と共に仕事に打ち込んでいた。
部長「では、このデータの打ち込みを頼むよ!」
藤原直樹「分かりました・・・」
部長「頼むよ!」
藤原直樹「・・・・・・」
藤原直樹「何だよ・・・面接官は僕の何を見てたんだ?何でこんな低レベルの仕事を・・・」
北澤麻美「先輩!頼まれた資料できました!確認お願いします!」
高倉芳樹「あぁ、少し待ってろ・・・」
高倉芳樹「ここ良し、あれ良し!あぁここ違うな・・・ここだけやり直せば提出できるよ!」
北澤麻美「分かりました!直ぐやりますね!」
藤原直樹「こいつら、どうしてこんなショボい仕事で満足してるんだ?て言うか・・・こんなショボい事して無いで、」
藤原直樹「もっとデカい仕事がしたいな・・・まぁ金は大事だけど・・・」
〇おしゃれなリビングダイニング
藤原直樹「ただいま〜・・・」
藤原父「直樹!お帰り!職場はどうだ?やって行けそうか?」
藤原直樹「まぁ、やってる事はショボいけど・・・頑張れば出世できるよね?」
藤原母「勿論よ!資格とか取ったりすれば、もっと上を目指せるわ!後は素敵なお嫁さんを見つけて、孫の顔が見れたら最高よ!」
藤原直樹「そっか・・・」
藤原直樹「(何だかハードル高いな・・・でも先ずは今やれる仕事やって・・・後はやっぱり、デカい事やってあいつら認めさせないと。)」
〇オフィスのフロア
翌日。
藤原直樹「部長、お早うございます・・・」
部長「お早う藤原君!どうしたんだい?」
藤原直樹「僕、昨日ここで出そうと思ってるプレゼンを考えて見たんですけど、見てもらえますか?僕が持てる力、全て出し切る勢いで」
藤原直樹「作って見たので・・・」
部長「何だか凄い勢いだな・・・分かった、見せてもらおう!」
藤原直樹「ありがとうございます!」
藤原直樹「(見てろよ低学歴ども!僕の本当の力を見せてやる!)」
昨日、僕は帰った後に皆を認めさせる為にこの会社でできそうで尚且つ画期的と思えるプランを考えて見た。これが通れば、
周囲の僕に対する見方を変えてくれる。そう思ってたのだが。
部長「藤原君!見せてもらったよ!」
藤原直樹「部長!どうでしたか?こんな凄い事中々できる事じゃ無いでしょ!?」
部長「確かに君の案は中々できない物だ!だけどな・・・」
部長「これを実現させるのはハッキリ言って無理な話だ・・・」
藤原直樹「そうですかそうですか!やっぱ高学歴の僕なら通って当然・・・」
藤原直樹「ぶ、部長!今何と!?」
部長「だから、この案は実現不可と言っているんだ・・・」
藤原直樹「な、何故ですか!?」
部長「そうだな・・・確かに藤原君のプランは実現できたら我が社に取って大きな事だ・・・だけどな、肝心のコストは高過ぎるし、」
部長「時間も労力も掛かり過ぎる・・・規模が大きいのは結構だが、現実的に難し過ぎる・・・仮にプレゼンしたとしても」
部長「結果は明白だ・・・もしやると言うなら、もっとコストや時間が掛からない感じでお願いするよ・・・」
藤原直樹「そ、そんな・・・」
部長「そう言う事だ、このプランは止めて置く事をオススメするよ・・・」
藤原直樹「・・・!!何だよそれ!何だよそれ!!何だよそれ!!!」