ロボット君

夏目心 KOKORONATSUME

4 初めての興味本意(脚本)

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〇散らかった研究室
藤原直樹「何です?ここ・・・」
秋本博「見ての通り、研究室だ・・・」
藤原直樹「それは分かりますが、何で僕をここに?」
秋本博「まぁ立ち話も難だ、取り合えず適当に座ってくれたまえ・・・」
秋本博「さて、本題に入ろう。藤原君、君は何かを研究する事に興味はあるかい?」
藤原直樹「研究?そう言えば考えた事無いですね・・・」
秋本博「そうか・・・俺はな、藤原君には研究職が向いてるんじゃ無いかって思ってるんだ・・・」
藤原直樹「は、はぁ・・・」
秋本博「ドキワミをトップの成績で受かったって事は、それだけ君が力を頑張って蓄えて来たと言う事だろう・・・」
秋本博「だけど、力とは只蓄えれば良いと言う物でも無い。一番の問題は、その力をどう活かすかだ・・・」
藤原直樹「力を活かす?」
秋本博「藤原君、君の頭脳は優秀だ。それを活かして何かの研究をすれば、俺達に取っての新しい発見ができるかも知れない・・・どうかな?」
藤原直樹「へぇ・・・研究か・・・」
藤原直樹「・・・・・・」
藤原直樹「教授、研究って、具体的にどうする物ですか?」
秋本博「え?もしかして、意欲が沸いたのかい!?」
藤原直樹「はい・・・でも僕、何を研究したら良いか分からなくて・・・」
秋本博「良し分かった!やり方を教えよう!」
  この時僕は、勉強して行く中で初めて自分がやって見たいと思う物に出会えた。今までに感じた事の無い感触に触れて、
  何だか心がワクワクした。この後父さん達に今回の事を知らせるのだった。

〇おしゃれなリビングダイニング
藤原直樹「父さん、母さん、ただいま!」
藤原父「お帰り直樹!ドキワミには慣れたか?」
藤原直樹「あ、うん・・・ちょっと驚いた所もあったけど、やって行けそうだよ・・・」
藤原母「そっか!でも本当良かったわ!あなたがドキワミに受かってくれて!今後も確り勉強して、絶対に公務員か一流企業に」
藤原母「なってもらわないとね!」
藤原直樹「・・・父さん、母さん、その事で話したい事があるんだけどさ、聞いてくれる?」
藤原父「ん?どうしたんだ?」
藤原直樹「実は僕、研究職ってのをやって見たいと思うんだ・・・」
藤原母「は?」
藤原父「聞き間違いかな?今何と言った?」
藤原直樹「え?だから、僕研究職をやって見たいって・・・」
藤原母「はぁ!?直樹!あなた自分が何言ってるか分かってるの!?」
藤原直樹「え?どうしたんだよ母さん!?何でそんなに怒って・・・!?」
藤原父「お前一体何を言っているんだ!?公務員や一流企業じゃ無くて研究職をやりたい?何の為にお前をドキワミに行かせたと」
藤原父「思ってるんだ!?」
藤原直樹「な、何でって言われても・・・将来困らなくて良い様にって・・・」
藤原母「そうよ!だから直樹には勉強をサボらせない様にして来たわ!それなのに何よ!あなたを一流にする為に沢山のお金を費やして来て、」
藤原母「後一息の所で研究職がやりたい?ふざけないで!!直樹は私達がして来た努力を無駄にする訳!?」
藤原直樹「ま、待ってよ二人とも!何か変だよ!?」
藤原父「変なのはお前の方だ!仮に許したとしても、もうお前に回す金は無いと思え!私達は、お前を一流にする為だけに頑張って来たのだ!」
藤原父「もし研究職をやりたいのなら、今直ぐここを出てってもらう!!」
藤原直樹「・・・!?」
藤原父「直樹・・・お前は私達の夢なんだ・・・必ず公務員か一流企業に着くんだぞ・・・良いな?」
藤原父「父さん達ができなかった事、お前ならやってくれると信じてるからな・・・」
藤原直樹「は、はい・・・」
  信じられない事だった。生まれて初めてやって見たい事に出会えたのに、僕はその事を二人に猛反対されてしまった。
  僕は二人に反抗する事すらできず、研究職を諦めざるを得なくなり、秋本教授にはこの話を無かった事にしてもらった。
  そして僕は、最初に決めた通り、また勉強に力を入れて、ドキワミを首席で卒業する為に頑張るのだった。

次のエピソード:5 一流企業へ

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