ロボット君

夏目心 KOKORONATSUME

1 目指すは一流大学(脚本)

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〇校長室
赤沼靖人「本日はお越し頂きありがとうございます!私は夏目塾の赤沼と申します!」
藤原父「はい!本日は宜しくお願いします!」
赤沼靖人「はい!藤原様!改めてですが、藤原様はどの様な意向で夏目塾をご希望なさったのですか?」
藤原母「はい!私達は息子に一流の社会人になって欲しくて、今から勉強させて一流大学のドキワミ大学へ受からせたくて!」
赤沼靖人「ど、ドキワミ大学ですか!?何とハードルの高い目標をお持ちで!恐れ入りました!」
赤沼靖人「っと!取り乱してしまい失礼致しました!息子さんは藤原直樹君でしたね!直樹君、君の将来の夢とか、」
赤沼靖人「目標とか聞かせてくれないかい?」
藤原直樹「・・・・・・」
藤原直樹「僕の夢は、沢山勉強して、ドキワミ大学に受かって、卒業したら公務員か一流企業に就職して、一人前の社会人になる事です・・・」
赤沼靖人「そ、そうかい?それじゃあもう一つ・・・好きな物はあるかい?例えば、アニメとか、ゲームとか・・・」
藤原母「ちょっと赤沼先生!うちの子はそんな物に現を抜かしてる暇はありません!アニメとかゲームとか、あっても邪魔になるだけの」
藤原母「只のガラクタじゃ無いですか!!」
赤沼靖人「い、いやいや!この位の子供なら、そう言う物に嵌っても不思議じゃ無いでしょう!何かこう、息抜きとかさせてますよね!?」
藤原父「赤沼先生!私達はどんな事があっても直樹をドキワミ大学に行かせたいんです!家でも学校でも、とにかく勉強に力を注がせて」
藤原父「います!くだらぬ遊びに手を出す暇はありません!」
赤沼靖人「お、お父様!お母様!息子さんに功を詰め過ぎるとパンクしてしまいます!何かこう、ご褒美とかあげたりしてますか!?」
藤原母「そりゃあげてますよ?参考書とか、今後勉強がやり易くなる様に・・・」
赤沼靖人「そ、そうですか・・・分かりました・・・私も口が過ぎましたね・・・失礼致しました・・・」
藤原父「とにかく、うちの息子には勉強して上を目指して欲しいんです。お力添え、お願いしますね?」
赤沼靖人「・・・我が夏目塾のモットーは一度受けた仕事は最後までやり通す・・・藤原様、責任を持って、やらせて頂きます!」
藤原父「ありがとうございます!」
藤原直樹「・・・・・・」
  僕の名前は藤原直樹。パパとママから毎日の様に勉強を教えてもらってる。いつか大人になっても困らない様にとの事だった。
  僕はアニメやゲームを見た事も無いしやった事も無く、昔持ってた玩具も気が付いたら無くなってた。どこへ行ってもとにかく勉強。
  それが僕に取っての当たり前だった。

〇おしゃれな教室
赤沼靖人「では、この問題は・・・藤原君、君が答えてくれたまえ!」
藤原直樹「はい・・・」
藤原直樹「どうですか?」
赤沼靖人「何と!正解だ!この問題は上級生向きなのに・・・良く分かったね・・・」
藤原直樹「はい・・・家で勉強しましたから・・・」
赤沼靖人「そ、そうか・・・」
  僕は今でこそ小学4年生だが、家では既に5年生以上の勉強に手を付けている。そのお陰で僕はいつも成績1位だ。
  塾の終わる時間。
子供「なぁ藤原!これから皆でサッカーやるんだけど、藤原もやらないか?」
藤原直樹「はぁ?何でそんな事しなきゃ行けないんだよ?」
子供「あたし達、藤原君と遊んだ事無かったからさ、一緒の塾に通ってるんだから、仲良くなりたいなぁって・・・」
藤原直樹「知らねぇよ、お前らだけで勝手にやってろよ・・・」
赤沼靖人「藤原君、折角だからやって見たらどうだ?」
藤原直樹「赤沼先生?」
赤沼靖人「勉強するのも確かに大事だが、休憩したり遊んだりする事も立派な事だ。多少の休憩を挟めば集中力も回復するし、」
赤沼靖人「何より人と関わって繋がりができれば今よりもっと楽しくなるよ・・・」
藤原直樹「そんな物ですか?」
赤沼靖人「あぁ、先ずはやって見る事が大事だ!」
藤原直樹「・・・そうですか・・・」
藤原直樹「なぁ、僕サッカーやった事無いから、やり方教えてくれないか?」
子供「勿論だぜ!早く外行こうぜ!」
子供「うん!凄く楽しいよ!」
赤沼靖人「やっぱり・・・子供は伸び伸びと育てるのが一番だな・・・」
  僕は赤沼先生に諭されて他の奴らと一緒にサッカーをやりに行く事としたが、この選択が赤沼先生に災難を齎す事になるとは、
  この時知る由も無かった。

〇校長室
  僕がサッカーをやった日の翌日。
藤原母「赤沼先生!本日はお時間を頂きありがとうございます!」
赤沼靖人「藤原様?本日はどの様なご要件で?」
藤原母「息子から聞いたんですけど、塾が終わった後にサッカーをやらせてたんですって?」
赤沼靖人「はい、確かにやらせましたが・・・それが何か?」
藤原父「あなたは何を考えてるんです!?無駄な遊びをさせたせいで、息子が勉強をする時間が減ってしまったではありませんか!!」
赤沼靖人「えぇ!?お二人方!一体何を仰って!?」
藤原父「学校や塾に通う者の本分は勉強でしょ!それなのに遊びを推進するとはどう言う事ですか!?直樹がドキワミに落ちたら、」
藤原父「どう責任を取るつもりだったのですか!?」
赤沼靖人「ま、待って下さい!お二人方の言いたい事は良く分かります!ですが、本当にそれで宜しいのですか!?」
赤沼靖人「実際、直樹君に強弁を取りましたが、直樹君は他の子と比べて成績こそ良いですが、表情や感情が他より薄い!」
赤沼靖人「これではまるで人形です!直樹君には、人と関わったり遊んだりする事をさせるべきです!」
藤原母「何をふざけた事を言ってるんです!?無駄な遊びをし過ぎて、ドキワミに受からなかったら本末転倒でしょ!」
藤原母「私達は夏目塾の評判を聞いたから、直樹を通わせる事にしたんです!!」
赤沼靖人「し、しかし!勉強だけではできない事もあります!仮に一流大学を卒業したとしても、その先でやって行けるかどうかは別問題です!」
赤沼靖人「直樹君!昨日友達と一緒にサッカーやってどうだった?素直な気持ちを聞かせてくれないかい?」
藤原直樹「・・・僕はやっぱり、サッカーより勉強の方が大事です。だから・・・無駄な事は止めて勉強がしたいです・・・」
赤沼靖人「そ、そんな・・・」
藤原母「とにかく!無駄な遊びを推進する様な塾にうちの直樹を任せる事なんてできません!今後はここより優秀な塾を探します!」
赤沼靖人「・・・お二人方、私からも言わせて下さい・・・今一度、直樹君と話し合って、今の自分達を考え直して頂けませんか?」
藤原父「まともな教育のできない奴の言う事など聞けるか!夏目塾とは、今日で最後にさせてもらう!」
藤原父「直樹、帰ったら勉強だ・・・」
藤原直樹「・・・はい・・・」
藤原父「そう言う事だ!世話になったな!」
赤沼靖人「・・・言いたい事は分かる・・・だけど・・・本当に大事なのは、それらを踏まえての人間性だ・・・」
  昨日の出来事をパパとママに話した時、二人とも物凄い形相だった。勉強をサボってサッカーをしていた事に憤り、
  僕は夏目塾を辞めさせられる事になった。何だか先生も考え直せや話し合えとか言ってたが、僕には理解できなかった。

次のエピソード:2 直樹の高校生活

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