2 直樹の高校生活(脚本)
〇教室
それから数年。夏目塾を辞めた後の僕はこれまで通りに勉強に勤しんでいた。小中共に僕はいつでも学年トップの成績を収め、
今では高校生となってて、そこでも成績はトップだった。
白石アキ「藤原君!」
藤原直樹「あん?何か様か?」
白石アキ「先生に頼まれて次の授業で使う書類を運ぶ事になったのよ。今日は私と藤原君が日直だから手伝って欲しいんだけど・・・」
藤原直樹「はぁ?そんなの知らねぇよ!やりたきゃ勝手にやれ!僕は今勉強してて忙しいんだよ!」
白石アキ「い、いや・・・先生に頼まれてるんだし・・・やらないと怒られるよ?」
藤原直樹「知らねぇって言ってんだろ!そもそも僕より成績の低い奴が僕に指図するな!僕は忙しいんだ!」
白石アキ「・・・分かったわ・・・」
藤原直樹「あ〜やだやだ・・・何で僕が、ザコと一緒に何かやらなきゃ行けないのかね・・・」
成績トップと言う事もあって、僕は自分より成績の低い人間を心から見下す様になっていた。勉強して高い成績を収めれば
問題無い。父さんと母さんも喜んでくれる。何も問題は無い筈だと思ったが。
高崎浩一「おい、藤原・・・」
藤原直樹「あれ?高崎先生じゃ無いですか・・・何か様ですか?」
高崎浩一「白石から聞いたが、日直としての仕事サボったんだって?何でそんな事した?」
藤原直樹「何でって・・・勉強して忙しかったからですけど・・・」
高崎浩一「勉強熱心なのは関心だが、頼まれ事を放棄するのは関心しねぇぞ?さっき頼まれ事を断った事、白石に謝れ・・・」
藤原直樹「はい、すいませんでした・・・先生、これで良いですか?」
白石アキ「ちょっと藤原君!それ謝ってる人の態度!?」
藤原直樹「何言ってるんだよ?先生が謝れって言うから謝ったんだけど、何の問題があるんだよ?」
高崎浩一「白石の言う通りだな・・・謝り方がなってねぇ・・・あのな藤原・・・もし自分が困ってる時、誰かに助けて欲しいってなったら」
高崎浩一「お前はどうするんだ?」
藤原直樹「はぁ?自分より下の人間に助けてもらう事ってあります?僕より下のザコに何ができるってんですか?」
高崎浩一「おま!言い方ってもんがあるだろ!?」
藤原直樹「仮に弱い奴を見下したりするのを止めて、ザコと力を合わせて何かをする事、これって何の意味があって・・・」
藤原直樹「僕に何の得があるんですか?」
藤原直樹「寧ろ弱い奴が僕見たいに強い奴の為に尽くした方がずっとお得じゃ無いですか!先生の癖にそんな事も分からないんですか!?」
高崎浩一「・・・!?」
高崎浩一「お、おい藤原・・・普段どんな感じの生活してるんだ?そんな考え方で本当に良いのか!?」
藤原直樹「高崎先生・・・僕は将来公務員になるか一流企業に着く男ですよ?先生が生徒の勉強邪魔したら、」
藤原直樹「教育委員会が黙っちゃいませんよね?」
高崎浩一「おい藤原・・・お前がそう言うのを目指してる事は良く分かったが、それは本当にお前の夢か?」
藤原直樹「別にどうだって良いじゃ無いですか・・・父さん達はいつも言ってくれてます。将来困らなくて良い様にって・・・」
高崎浩一「何だよそれ・・・これじゃ自分の都合で動くロボットじゃねぇか・・・藤原、今日お前の家族と話させてもらうぜ・・・」
藤原直樹「どうぞご勝手に・・・質の良い学校なのに、こんな駄目教師がいるんじゃ大問題ですね・・・」
白石アキ「藤原君・・・あなた何て事言うの・・・」
それから、高崎先生は僕の両親に電話で抗議したが、僕の勉強する時間を無駄にした事に対して大激怒で、
高崎先生は返り討ちにあった。その後も何かしら頼まれたりした事もあった気がしたが、やるだけ無駄なので全て断るのだった。