絆の先にあるもの

Kazunari Sakai

エピソード1(脚本)

絆の先にあるもの

Kazunari Sakai

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〇繁華街の大通り
  出会いは不思議
  例えばその人が
  生まれた場所
  進学先や就職先
  それが変わると・・・
  そう・・・
  全く違った絆が生まれる
  メインテーマ─
  ──絆の先にあるもの──
  エピソード 1
  ──浅はかな嘘はすぐバレる──

〇走行する車内
大宮和英「そろそろ機嫌直してよ。 飲み過ぎたら基本的にタクシーは嫌なんだよね。運転手さんの顔色が気になるから」
  大宮和英
  ゲ―ムソフト会社「ステージ」の音楽作曲家。大学時代、バンド「J」のギタリストとして活躍。現在31歳
倉田典子「私はお主の便利屋か? こんな時間まで誰と飲んでるのよ!」
  倉田典子。
  大手出版社で実績が認められ、ジャ―ナリストとして独立。
  大学時代、バンド「J」のベ―シスト。現在31歳
大宮和英「それは・・・その・・・」
大宮和英「会社の上司とね。 新作ソフトの打ち合わせも兼ねていたから断れなくて」
倉田典子(会社の上司? こんなに遅くまで誘う上司っていたかなあ?)

〇ビジネス街
  翌朝
  芸能プロダクション「F」

〇オフィスのフロア
  前田美里。
  芸能プロダクション「F」の企画課長。
  大学時代、バンド「J」のボ―カル。現在31歳

〇マンションの入り口
  和英・典子が一緒に暮らすマンション兼典子の事務所

〇綺麗なダイニング
倉田典子(これで原稿送信終了)
倉田典子(んっ!美里だ)
倉田典子「おはよう。どうしたの?」

〇オフィスのフロア
前田美里「あのさ典子。昨日だけど和英って帰り遅かった?」

〇綺麗なダイニング
倉田典子「そうよ!会社の上司と飲み会。終電ないから私が迎えに行ったの!おかげで寝不足よ」

〇オフィスのフロア
前田美里「ふ―ん。上司とね」
前田美里「それで和英に変わった様子はなかった?」

〇綺麗なダイニング
倉田典子「終始ご機嫌だったと思うけど。 でも何で和英が遅かった事知ってるの?」

〇オフィスのフロア
前田美里「えっ?まあそれはいいじゃない。ところで典子。和英と同棲してもう3年でしょ。結婚の話はないの?」

〇綺麗なダイニング
倉田典子「うん。本当に結婚する気があるのか時々心配になるけど」

〇オフィスのフロア
前田美里「そっか・・・ ねぇ典子。今晩和英誘っていい? ちょっと聞きたい事もあるし」

〇綺麗なダイニング
倉田典子「そんなの事確認いらないわよ。いつでもどうぞ」

〇オフィスのフロア
前田美里(これでどちらかの嘘は確定)

〇高層ビル(看板あり)
  ゲ―ムソフト会社 ステージ本社

〇異世界のオフィス
  和英専用オフィス

〇異世界のオフィス
大宮和英(んっ?美里だ)
大宮和英「どうしたの美里?」
大宮和英「典子が了承しているなら、典子への連絡は必要ないね。分かった。軽く食事済ませてランボ―に向かうよ」

〇ネオン街

〇シックなバー
  カウンターバ―「ランボ―」
前田美里「マスター。ウイスキーのロックお願い」
マスター「了解」
  大野賢治。
  カウンターバ―「ランボ―」の経営者。
  現在35歳。愛称「マスター」
  当時、一世を風靡したアマチュアNo1バンド「J」の熱狂的ファン

〇ネオン街
大宮和英(遅刻だ・・・ 美里。機嫌悪いかもな)

〇シックなバー
マスター「和英君。いらっしゃい」
大宮和英「遅れてゴメン美里。会議が長引いて」
前田美里「全然平気よ気にしないで。じゃあ食事もまだ?」
大宮和英(んっ?今日は機嫌いいな)
大宮和英「ああ、ここで食べるよ。 マスター。生ビ―ル」
マスター「はいよ」
大宮和英「ところで急に呼び出して何?」
前田美里「あのね。単刀直入に聞くけど典子の事愛してる?」
大宮和英「はぁ?そんな事言わなくても分かるでしょ。愛してますよ」
前田美里「ふ―ん」
大宮和英「何?」
前田美里「じゃあさあ。何で昨日上司と飲みに行ったって典子に嘘ついたの?」
大宮和英「えっ? それは・・・その・・・」
前田美里「あっ!心配しないで。信雄に聞いたから。私は典子への嘘を心配してるだけよ」
大宮和英「えっ?本当に?」
前田美里「うん」
大宮和英(いや待て待て!騙されるな。信雄が話すわけないだろ)
大宮和英「本当に聞いた?」
前田美里「うん。何で?」
大宮和英(えっ? 本当に話した?だとしたらここでシラをきってる俺が変に思われるな)
大宮和英「それ聞いて美里は怒らないの?」
前田美里「当たり前でしょ!何で私が怒る?典子だって怒らないでしょ」
大宮和英(表情見れば一目瞭然。美里は真実を語ってる)
大宮和英「何だよ信雄のヤツ。美里が発狂するから絶対言うなって念を押されたのに」
大宮和英「俺も信雄に誘われて初めて行ったけど、 感じのいい店だったよ」
大宮和英「でも心配しないで。キャバクラは男の息抜きだから」
前田美里(網にかかったな!)
大宮和英「信雄のお気に入りはマリンちゃんという女の子。その店に行くと毎回指名しているらしいよ」
大宮和英「信雄、楽しそうに笑ってさ。 あんな笑顔初めてみたよ」
前田美里「和英ゴメン。ちょっとトイレ」
マスター「和英君。キャバクラの話はマズイよ」
大宮和英「何ビビってるの?美里の表情見てたでしょ!何とも思ってないよ」
マスター(そうかなあ?嵐の予感がするけど)

〇清潔なトイレ

〇マンションの入り口

〇綺麗なダイニング
倉田典子(んっ?)
倉田典子「美里。どうしたの?」

〇清潔なトイレ
前田美里「典子にプレゼントあげるね」

〇綺麗なダイニング
倉田典子「えっ?」

〇清潔なトイレ
前田美里「今から和英に魔法をかけるわ。 そこで典子。今から私が言うことを必ず守ってね」

〇綺麗なダイニング
倉田典子「えっ? どうしたの?」

〇清潔なトイレ
前田美里「その一。 今から和英がそこに行くまで、和英から連絡が来ても全て無視。 いい?メールもダメよ」
前田美里「その二。 和英が 帰ってきても言葉を交わしてはダメ。目もあわせないでね」
前田美里「その三。 そうね・・・和英はこの後タクシーで帰ると思うから、30分たったら室内の照明は全部消して待機」
前田美里「以上三点。必ず守って!」
前田美里「典子。お礼はいらないよ。good night」

〇綺麗なダイニング
倉田典子(えっ?)

〇清潔なトイレ
前田美里(さて・・・これからが本番よ。 女性を見下した代償がどれだけ大きいか。覚悟しとけ)

〇シックなバー
大宮和英「そろそろ何か食べようかな。 マスターおすすめは?」
マスター「焼きそばならすぐ作れるよ」
大宮和英「いいね。それにしよう。 おっ!戻ってきた」
大宮和英「美里。焼きそば頼むけど少しは食べれる?」
前田美里「焼きそば? あなたは呑気よね。 こんな所で食べてる場合なのかな」
大宮和英「えっ・・・どうしたの?」
マスター(こんな所?)
前田美里「私、典子からずっと相談を受けてたの。 和英からのプロポーズを待ってるけどもう自信がないってね」
大宮和英「何だよそれ?」
前田美里「でもね。和英は隠し事を絶対しないから、そこだけが支えになってると」
前田美里「だけど貴方は上司との飲み会と典子を騙しキャバクラへ行き、そのあげく迎えにも来させた」
大宮和英「お前!まさかチクった?」
前田美里「今スマホで典子に全てを暴露した。 典子ね。泣いてたわ・・・そして別れる決心がついたみたい」
大宮和英「ちょっと待てよ! 俺は別れるつもりなんて全くないよ」
前田美里「自業自得ね」
前田美里「もう実家に向かったかな? どうせ止めても無駄だから、焼きそばでも頼みますか」
大宮和英「ふざけるな!マスター、ゴメン!もう出るわ」
前田美里「さてと・・・ お次は本丸。仕上げといきますか」

〇お台場
  日の丸テレビ局

〇会議室のドア
  木本信雄。
  日の丸テレビの音楽プロデューサー。
  大学時代、バンド「J」のドラマ―。
  現在31歳
木本信雄(おっ!姫だ)
木本信雄「グッドタイミング美里。今仕事終わった」

〇シックなバー
前田美里「お前・・・マリンちゃんがお気に入りらしいな」

〇会議室のドア
木本信雄(ゲッ!何で?)

〇シックなバー
前田美里「おい。 無視するなよ。マリンちゃんがお気に入りかと聞いてるだろ。 早く答えんかい! このボケカス!」

〇会議室のドア
木本信雄(やばい)

〇シックなバー
前田美里「お前。勇気あるよな。和英の相談事を聞いていたって嘘をつき、私に内緒でキャバクラ・・・ランボ―にいるからすぐこい!」
マスター(・・・)

〇ネオン街
  ただいま電話に出る事が出来ません
大宮和英「マジでヤバい。くそ──美里。 典型的ドS女だな。急がないと」
大宮和英(典子? チッ!信雄か)

〇繁華街の大通り
木本信雄「お前。何チクってるんだよ! 美里、完全にキレてるよ」

〇ネオン街
大宮和英「ゴメン!まんまと誘導尋問に引っ掛かった」
大宮和英「お前が言いたい事は分かるが、ゴメン。こっちも緊急事態なんだ。そっちはそっちで処理してくれ」

〇繁華街の大通り
木本信雄(ふざけんな!)

〇タクシーの後部座席
  ただいま電話に出る事が出来ません
大宮和英(ヤバいな。運転手さん急ぎで)
タクシー運転手「はい」

〇マンションの入り口

〇綺麗なダイニング
倉田典子(おっ!帰ってきた。目を閉じて話さないように)
大宮和英「典子!」
倉田典子「・・・」
大宮和英「ゴメン!俺が悪かった。心から反省してる」
倉田典子(何?この展開。えっ! 何を反省?)
倉田典子「・・・」
大宮和英「だから別れるなんて言わないで」
倉田典子(はぁ? 別れるなんて言ってませんけど──!)
倉田典子「・・・」
大宮和英「典子。これからはもっともっと典子を大切にする。その自信もある。絶対に幸せにするから」
倉田典子(えっ!このタイミングでまさかのプロポーズ?)
倉田典子「・・・」
大宮和英「俺の嫁さんになって下さい。お願いします」
倉田典子「えっ?」
大宮和英「結婚しよう! 典子」
倉田典子「本当に?和英。私その言葉をずっと待ってた。不束者ですが宜しくね」
大宮和英「えっ!いいの?許してくれる?」
倉田典子「うん」
大宮和英「良かった」
倉田典子「ねぇ?この時間に帰ってきたって事は、食事まだでしょ?」
大宮和英「うん」
倉田典子「じゃあ、食事にしますか!」
大宮和英(やっぱ、典子は最高だ)
倉田典子「ほら手伝って!早く早く!」
大宮和英「は──い」

〇おしゃれなキッチン
  こうして一組のカップルは一歩前進したのだか・・・
  もう一方のカップルは?
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次のエピソード:エピソード2

コメント

  • どうなるかとハラハラしましたが、なんとか幸せになってくれてよかったです。
    もう一組のカップルはどうなるか…気になります。
    でも、キャバクラはいけませんよね。笑

  • 昔のグループメンバーの絆はいいものですね。長い付き合いのカップルを結婚にこじつけたのは仲間愛でしょう。良かったけど、もう一組のカップルはどうなるのか心配です。

  • 一体どっちの方向に進んで欲しかったのか…。
    結果的には良い方向に向いて結果オーライ?
    まぁ浮気をしていたわけでもないし…これからまじめに愛してあげてほしいものです!

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