高嶺の花に手を伸ばして

夏目心 KOKORONATSUME

12 剣道部の合宿(脚本)

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〇野営地
暗森敬一「やっと着いた・・・ここが夏目パークか・・・」
月島アカリ「凄く綺麗な所ですね!」
暗森敬一「あぁ、昔はここで神隠しに合うなんて噂も良く流れてたそうだ・・・」
星野慎太郎「神隠し・・・ですか?」
暗森敬一「あぁ、実体験した人達の話だが、洞窟の中を超えたら不思議な街に辿り着いたと言われてね。その街にはゴブリンや魔王・・・」
暗森敬一「スライム等と言った妖怪達が生活してて、しかも人語を喋ってたそうだ・・・」
月島アカリ「その話本当ですか!?実際見てみないと信じられません!」
暗森敬一「まぁ、あくまで噂だよ・・・実際その街に言った人に寄れば、一週間位はそこで生活してたのに、僕らのいる世界では」
暗森敬一「ほんの数分程しか時間が経ってないと言う話も聞いてね・・・最近は警察や専門家も調査してるんだけど、」
暗森敬一「詳しい事は未だに分かって無いそうだよ・・・」
星野慎太郎「何だか夢見たいな話ですね・・・」
暗森敬一「そうだね・・・もし本当に妖怪とお喋りできるなら、僕も一度はやって見たいよ・・・」
暗森敬一「・・・っと、話が脱線しちゃったな!今後の話をするから皆良く聞いてくれ!」
暗森敬一「今回の目的はあくまで強化合宿だ。とは言っても、休む時は確り休んでもらう!このキャンプ地の近くには宿泊施設と」
暗森敬一「運動場が備わっていて、僕達はそこを使わせてもらう事になってる・・・先ずは宿屋に行って荷物を整理し、終わり次第」
暗森敬一「練習開始だ。何か質問は?」
月島アカリ「大丈夫です!ありません!」
暗森敬一「良し!皆行くぞ!」

〇古風な道場
  俺達は夏目パークにある宿泊施設に行き、各々荷物整理を終らせて道場へ向かった。
星野慎太郎「おぉ!何と言うか、本格的だな!」
月島アカリ「本当!それっぽい雰囲気だね!」
暗森敬一「よぉ!皆揃ったか?」
月島アカリ「はい!大丈夫です!」
暗森敬一「そうか・・・」
暗森敬一「良し!それじゃあこれから練習を始める!準備運動の後にランニング、その後はいつも通りの練習だ!」
暗森敬一「普段とは全く違う環境だ。くれぐれも、無茶をして怪我をしない様に気を付けてくれよ?それでは、始め!」
  暗森先生の指示の下、俺達は準備運動の後にランニングをして、そこから本格的に練習を開始するのだった。
月島アカリ「暗森先生、救急箱や薬等の用意終わりました。いつでも対応できます」
暗森敬一「あぁ、ありがとう・・・」
暗森敬一「しかしまぁ、何だか意外だな・・・」
月島アカリ「意外?何がです?」
暗森敬一「前から思ってたんだ・・・月島さんは今年の一年の中で首席入学して、うちでマネージャーをやりたいなんて・・・」
暗森敬一「月島さんなら、マネージャーより実際に何かしらの運動系で活躍しに行くと思ってたから・・・」
月島アカリ「う〜ん・・・確かにあたし、首席入学でこの前の期末でも一位でしたよ。でも・・・」
暗森敬一「でも、何だい?」
月島アカリ「人の期待に応えるって少し前まで本当に大事だって思ってました・・・でも、無理しなくて良いって、星野君が教えてくれて・・・」
暗森敬一「星野が?」
月島アカリ「あたしが猫ちゃんと戯れてた時にたまたま会って・・・その時星野君に言われたんです。偶には休む事も大事だって・・・」
月島アカリ「他人と力は自分を裏切る事はあるけど、努力は裏切らないって・・・それを聞いて、あたしも改めて何か」
月島アカリ「できないかなって思って、マネージャーやって見たんです・・・」
暗森敬一「なるほど・・・やっぱり星野の事好いてるんだな・・・」
月島アカリ「え?あたしの事気付いてたんですか?誰にも言って無いのに・・・」
暗森敬一「そりゃ、同じ部の顧問だからね・・・星野と話してる時の月島さん、何だか凄く楽しそうだったし、借り物競走の時も、」
暗森敬一「星野と一緒に走ってる顔が嬉しそうだったよ・・・」
月島アカリ「・・・・・・」
モブ男子「暗森先生!予定されてた練習、全て終わりました!」
暗森敬一「お、そうか!そろそろ練習試合だな・・・直ぐに組み合わせを決めるから、少し待っててくれ!」
モブ男子「はい!」
暗森敬一「さて、月島さん・・・大事な事は沢山あるけど、自分の気持ちに素直になる事も大事だ・・・困った事があれば、」
暗森敬一「いつでも相談してくれよ・・・」
月島アカリ「・・・って、あたしもやる事やらなきゃ!」

〇旅館の受付
  今日の分の練習が終った日の夜。
星野慎太郎「ふわぁ・・・まだまだ先は長いな・・・」
月島アカリ「あ、星野君!」
星野慎太郎「あ、月島さん、こんな所で奇遇だね・・・」
月島アカリ「今さっき仕事が終ってね・・・飲み物買おうと思って・・・星野君は?」
星野慎太郎「俺はさっき風呂から出た所だよ・・・今は特にやる事無いかな・・・」
月島アカリ「そうなんだ・・・ねぇ、良かったら一緒に自販機行かない?」
星野慎太郎「ん?まぁ、特にやる事も無いし・・・良いよ?」
月島アカリ「・・・!ありがとう!早く行こう!」
星野慎太郎「ぷはぁ!生き返る!」
月島アカリ「ちょっとちょっと!それじゃあおじさんだよ!」
星野慎太郎「悪い悪い!動いたり風呂入ったりしてたから!」
月島アカリ「あはは!あたしも運動系やってたらこうなってたかな?」
星野慎太郎「なってたかもね!」
月島アカリ「あはは!何か面白そう!」
月島アカリ「ねぇ星野君、夏休みが終わったら、目標とかある?」
星野慎太郎「目標?まぁ、これから大会もあるし、そこまでは考えて無かったな・・・」
月島アカリ「そうなんだね・・・あたしは・・・まぁ、秘密かな?」
星野慎太郎「何だよそれ?何故聞いたし・・・」
月島アカリ「まぁ、先の事とか、これからどうしたいとか分からないよね・・・合宿も大会も、無理せず頑張ってね!」
星野慎太郎「あぁ・・・何と言うかこう・・・いつもありがとう・・・気を使ってくれて・・・」
月島アカリ「・・・!うん!」
  何だか最近月島さんに応援される事が増えて来た様な気がして来た。少し気を使っただけのつもりだったが、彼女の行動を見て、
  何だか嬉しい気分になってた。後日、合宿を乗り越え、その後の全国大会に出場し、俺達は準々優勝と言う形で大会を終わらせた。

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