エピソード1 どうする?数の不足(脚本)
〇学園内のベンチ
本日の講義が全て終了したルルは、大学の庭に居た。
ルル「んー、どうするべきかな?」
ルル「増員するべき? でも、そうすると別の場所が不足するよね」
ルル「・・・・・・・・・・・・」
ルル「案としては・・・・・・」
ハヤ「先輩、ただいま参りました」
ハヤ「今回は何事ですか?」
ルル「ハヤちゃん、やっほ!」
ルル「各企業の働き手不足の件で相談があるんだ」
ハヤ「はい、了解です」
ルル「えっとね、まず足りない、っていう問題なんだけど、これは下の世代が増えなければ解決しないじゃん?」
ルル「だから、2つの案を考えてみたんだけど・・・・・・」
ルル「1個目は“ニコちゃん”を増員する手」
“ニコちゃん”とはルルの祖母が中心となって生み出されたAIロボである
コミュニケーション能力とランダムに設定される能力の2種類を保持している
基本的にルルの家計の者が呼び掛けることで、動き出す。それまではスリープ状態であり、何があっても起きない
ただし、生存の危機と感知した場合にのみ覚醒する
ルル「これなら数の不足する企業に何人か送り込んで、そこに所属する方の1人分の負担を軽減できると思うんだ」
ハヤ「なるほど、確かに1人分の量ではない業務を任されるところには、“ニコちゃん”で補ってもらった方が良いですね」
ハヤ「完璧を求めることと身体を壊す危険性を無視するのは、フェアじゃないですし」
ルル「それで、もう1個が下の世代が回復するまで、働く時間を全面的に短くすること」
ルル「理想論かもしれないけど、もともとが長いから残って業務しないといけないと思うとやる気なくなるんだよ」
ルル「だから、もともとの時間をを1回短くして、もし残るとしても時間は決めておく」
ルル「で、それでも無理かもしれなかったら“ニコちゃん”を頼る」
ルル「それが体にも精神にも優しいと思うんだ」
ハヤ「作業効率の改善は個々で考えるべきことです。でも、時間の長さは精神面の安定に繋がるので、良い案ですね」
ハヤ「時間を短くしたり、“ニコちゃん”を頼っても給料面は響かないようにしないとなりませんが」
ルル「それは大丈夫 もし、影響なんて出たら本末転倒だから」
ルル「とにかく、みんなの疲れ過ぎることは良くない」
ルル「疲れ過ぎて休むという結果になると、別の方が疲れ過ぎになる」
ルル「で、その方が休んで更にっていう循環が生まれる前にどうにかしないといけない」
ハヤ「今のところ“ニコちゃん”ありき考えないといけないことに反省を禁じ得ませんが、これが今までのやり方のツケなのですから」
ハヤ「今からでも歯止めを利かせにいきましょう」
ルル「じゃあ、他のメンバーにもこの案話して、意見聞くから、明後日会議することにする」
ハヤ「ですね」
ルル「よし、お茶してこ!」
ハヤ「あ!それなら新しいカフェがラベンダー地区でできたそうなので行きませんか?」
“ラベンダー地区”は地名。
この未球では、各地域を花の名前で区別している。
ルル「わーい、シュガーメイプルハニーケーキあるかな?」
ハヤ「相変わらず、その食べ物は理解できないですね」
エピソード1 END