高嶺の花に手を伸ばして

夏目心 KOKORONATSUME

9 期末テスト(脚本)

高嶺の花に手を伸ばして

夏目心 KOKORONATSUME

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〇教室
  体育祭が終って数日。
速水康太「慎太郎!慎太郎はどこだ!?」
星野慎太郎「何だよ朝っぱらから・・・」
須藤智也「どうしたんだ速水?腹でも壊したか?」
速水康太「いやちげーよ!慎太郎!お前アカリさんに何をした!?」
星野慎太郎「え?月島さんに俺が?何もして無いけど?」
速水康太「とぼけるな!最近アカリさんはお前に構う事が多い!一体どう言う事だ!?」
星野慎太郎「いやいや・・・確かに最近月島さんと絡む事多いけど、これと言って何かした覚え無いぞ?」
須藤智也「速水、一旦落ち着けよ・・・誰かの人間関係勝手に決め付けるのは良く無いぞ?」
速水康太「いいや!これは俺に取って重大な事だ!アカリさんが慎太郎を好きになったらどうするんだ!!」
星野慎太郎「いやいや・・・何をどうしたらそうなる・・・」
速水康太「お前!アカリさんの行動見てないのか!?慎太郎のいる部活のマネージャーになったり、体育祭でお前を応援したり!」
速水康太「どっからどう見てもお前の事好きじゃ無いとできないだろ!!」
星野慎太郎「え?あの時の応援、気のせいじゃ無かったんだ・・・」
須藤智也「お前ら、差し出がましいがちょっと良いかぁ?」
速水康太「何だよ智也!こんな時に!!」
須藤智也「さっきから喋りたかった事なんだが、今日から期末の期間だって忘れて無いよな?」
速水康太「え?期末期間?もっと先じゃ無かったか!?」
星野慎太郎「あれ?もしかして忘れてたのか?」
速水康太「ま、待てって!今日からなんて聞いて・・・!」
須藤智也「いやいや、夢中になり過ぎだって・・・前から思ってたんだが、速水は勉強どんな感じだよ?身体鍛えてる所しか」
須藤智也「見た事無いぞ?」
速水康太「えっと・・・あの・・・その・・・」
須藤智也「おいおい・・・体育祭の後何してたよ?」
速水康太「いや、あの後、もっとアカリさんに相応しくなる為にボクシングを始めて・・・」
須藤智也「肝心の勉強は?」
速水康太「して・・・無い・・・」
星野慎太郎「おいおい・・・どうなっても知らないぞ?」
速水康太「・・・!期末テストの事・・・忘れてた〜!!!」

〇教室
  それから、期末テスト開始時刻。
高崎浩一「分かってる奴もいると思うが、カンニングなんてしたら追試を受けてもらうぜ・・・それじゃあ、テスト始め!」
速水康太「え、えぇ・・・どうしよう・・・全然分からねぇ・・・」
須藤智也「月島さんに敵わなくとも、上位は狙いたいな・・・」
星野慎太郎「おっと!智也に教えてもらった所だな!」
月島アカリ「・・・・・・」
速水康太「嘘だろ・・・俺が身体鍛えてる間にこんな風になってたなんて・・・」
速水康太「とにかく!早く何とかしないと!!」
  これまで身体を鍛える事だけに全力を注いで来た速水。何とか問題に答えようとしたが、その努力は虚しく消え去った。
速水康太「あぁ、幾ら考えても何もできねぇ・・・もう何も考えなくても良いか・・・」

〇教室
  テスト期間終了。結果発表当日。
須藤智也「慎太郎、調子はどうだった?」
星野慎太郎「お陰で幾らか楽に解けたよ!」
星野慎太郎「まぁ、全部じゃ無いけど・・・」
須藤智也「良かった!この次も頑張ろうな!」
速水康太「お前ら・・・楽しそうだな・・・」
須藤智也「あ、速水、そっちはどうだった?」
速水康太「・・・どの教科も・・・何もできなかった・・・」
須藤智也「そ、そうか・・・赤点取りまくったら補習になるが大丈夫か?」
速水康太「分からねぇ・・・」
星野慎太郎「まぁ、何がともあれだ・・・今日で全部決まるから心構えだけはしとけよ?」
高崎浩一「お前ら待たせたな!黒板に結果を張り出すから、自分の成績良く見て置けよ!」
須藤智也「さて、どんな感じかな?一位はやっぱり月島さんか・・・」
星野慎太郎「あれ?智也お前9位じゃん!」
須藤智也「え?ま、マジで!?慎太郎と速水は!?」
星野慎太郎「今探してる!!」
須藤智也「よっしゃ!次は絶対一位取って、テストの帝王になって見せるぞ!!」
星野慎太郎「俺のは・・・俺のは・・・」
星野慎太郎「あった!50位だ!」
須藤智也「え?やるじゃん!」
星野慎太郎「う〜ん・・・喜んだ方が良いのか悔やんだ方が良いのな分からないな・・・」
速水康太「俺の名前・・・どこだ・・・」
  速水の名前を探してもっと下の方を見る。やがて最後尾に来てしまい、補習確定者の所まで来てしまった。
須藤智也「さて、補習確定の人は・・・」
須藤智也「速水康太君と天上院茜さんだって・・・」
速水康太「う!うごごごごご!!!」
星野慎太郎「おいおい・・・こう言うの、因果応報って言うんだぜ?」
速水康太「終た・・・終た・・・」
須藤智也「速水・・・自分を見直す良い機会だぜ?」
高崎浩一「速水、天上院、いるか?」
速水康太「はい、います・・・」
天上院茜「先生、私達これからどうなりますか?」
高崎浩一「お前らは今回のテストで3科目以上の赤点を取った。今日から一週間部活禁止で、放課後は居残りで補習を受けてもらう・・・」
高崎浩一「追試で合格ラインを超えられなければ落第だ。良いな?」
速水康太「は、はい・・・」
高崎浩一「そう言う事だから、勝手に帰ったら即落第だから、腹くくれよ?」
速水康太「嘘だろ・・・夢なら覚めてくれよ・・・」
天上院茜「大丈夫だよ速水康太君!私もいるから、一緒に頑張ろう!」
須藤智也「なぁ慎太郎・・・こう言う時、ご愁傷様って言うべきかな・・・?」
星野慎太郎「いや、それだと火に油注いでるから・・・」
浮島可憐「ねぇ、そこの君達!」
須藤智也「あ、あれ?君は確か・・・」
星野慎太郎「あれ?智也の知り合い?」
須藤智也「知り合いと言うか何と言うか・・・」
浮島可憐「あぁ・・・君達と話すのは初めてだったね・・・あたしは浮島可憐、陸上部よ・・・」
星野慎太郎「その陸上部の子が何しに来たんだ?」
浮島可憐「いや、あのね・・・あたしの所でもテストの結果見たんだけどさ・・・補習と追試受ける人の名前に、速水君の名前あってさ・・・」
浮島可憐「速水君大丈夫なのか見に来たんだけど・・・」
須藤智也「あ、速水ならそこに・・・」
速水康太「あぁ、マジでやりたく無い・・・」
天上院茜「ほらほら!元気出して!私も一緒だから!」
須藤智也「まぁ、あんな感じ・・・」
浮島可憐「ありゃりゃ、こりゃ見てられないわね・・・」
浮島可憐「てか、誰よあの女・・・」
星野慎太郎「速水と同じ補習確定者で、天上院茜さんって言ったかな?」
浮島可憐「ふ〜ん・・・まぁ速水君の状態は良く分かったから行くね・・・」
星野慎太郎「・・・一体何だったんだ?」
須藤智也「さぁ・・・でもあの子、この前速水とデートしてたんだよね・・・」
星野慎太郎「え?マジで?」
須藤智也「あぁ・・・どう言うつもりか知らないし、今の速水の状態見て何か不機嫌になってたのも、俺には分からないよ・・・」
星野慎太郎「・・・速水、別の意味で大丈夫か?」
  何だかんだで頭を鍛えなかったツケが廻って来てしまった速水は、同じ補習確定者と共に追試を受ける事となり、
  俺達が速水と一緒になる機会は暫くの間減るのだった。

次のエピソード:10 今後の方針

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