高嶺の花に手を伸ばして

夏目心 KOKORONATSUME

8 体育祭(脚本)

高嶺の花に手を伸ばして

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〇田舎の学校
  数日後、体育祭当日。
須藤智也「あぁ・・・等々この日が来てしまった・・・」
星野慎太郎「何だよ智也!まだウジウジしてたのかよ!」
須藤智也「本当運動できる奴が羨ましいよ・・・こんな事なら少しでも鍛えて置けば良かった・・・」
星野慎太郎「そんなクヨクヨするなよ!あいつを見習えって!!」
速水康太「アカリさん!二人三脚で絶対一位取りましょうね!」
月島アカリ「えぇ!」
星野慎太郎「な?」
須藤智也「まぁ、そうだね・・・只・・・」
星野慎太郎「ん?まだ何かあるのか?」
須藤智也「これちょっと関係無い話なんだけどさ・・・この前の休みに、速水が別の女の子とデートしてる所見ちゃってさ・・・」
星野慎太郎「え?何だよそれ?」
須藤智也「俺も良く分からないんだ・・・一緒にいた子は確か、陸上部の子だったと思う・・・」
星野慎太郎「その話本当なら、あいつ何考えてるか分からねぇな・・・」
星野慎太郎「っと、そろそろ時間だ、行こうぜ!」
須藤智也「あぁ・・・一瞬で終わる・・・一瞬で終わる・・・」
  やがて、開会式が開始される。準備運動も済ませて席に戻り、期待と不安に満ちた体育祭が始まるのだった。
女性教員「これより、100m走を開始します!出場者の方は、配置に着く様お願いします!!」
須藤智也「あぁ、もうやるしか無いのか・・・」
速水康太「おいおい!根性見せろよ智也!カッコいい所見せたら、アカリさん以外の女の子がお前の事見直すかも知れないぜ!」
須藤智也「誰もモテたいなんて言ってねぇよ・・・てか何でお前基準で決めてるんだよ・・・」
須藤智也「まぁ、どの道腹くくってるけど・・・」
高崎浩一「それでは、位置に着いて・・・よーい・・・」
星野慎太郎「頑張れ・・・!!」
  合図と共に選手達は走り出す。速水は早速前を独走。智也は最後尾の状態だった。
高崎浩一「良し!ゴールした奴は委員の指示に従って動く様に!」
須藤智也「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」
速水康太「何だよ智也!やればできるじゃねぇか!」
須藤智也「本当、運動でお前には敵わないよ・・・」
速水康太「ははは!まだまだこれからだぜ!」
女性教員「続いての種目、障害物徒競走です!選手の方は入場して下さい!」
星野慎太郎「あ、出番か!」
月島アカリ「あ!星野君頑張ってね!」
星野慎太郎「ん?あ、うん・・・」
  月島さんからエールをもらいながら、俺も配置に着いた。
高崎浩一「全員配置に着いたな?位置に着いて・・・よーい・・・」
星野慎太郎「よっ!よっ!」
速水康太「慎太郎!全力で行けぇ!!」
月島アカリ「星野君!頑張って〜!!」
速水康太「あ、アカリさん!?」
星野慎太郎「や、やった・・・1位だ・・・!!」
  俺は俺で1位になった。走ってる最中に女性からの応援が聞こえた気がしたが、今は気にしないで置いた。
女性教員「続いて、二人三脚レースを開始します。選手の方、入場願います!」
速水康太「いよいよですねアカリさん!さっきは慎太郎も1位取ったので、負けずに頑張りましょう!」
月島アカリ「そうね!あたしもカッコいい所見せないと!」
高崎浩一「よーい・・・」
星野慎太郎「さて、どうなるかな?」
須藤智也「なぁ、何か速水の奴、強引に走って無いか?」
速水康太「おらおらおらおらぁ!!」
月島アカリ「ごめん速水君!ちょっとペース落としてくれない!?」
速水康太「アカリさん安心して下さい!アカリさんの分は俺がカバーしますから!」
速水康太「やった!やりました!俺らが1位ですよ!!」
月島アカリ「そ、そうだね・・・」
星野慎太郎「あぁ・・・あいつマジか・・・」
須藤智也「速水・・・二人三脚は一人でやるもんじゃ無いって分かってるのか?」
女性教員「続いての競技は、借り物競走です!」
速水康太「よぉお前ら!見たか俺らの活躍!!」
星野慎太郎「まぁ、何だ、その、あれだ・・・」
須藤智也「1位になれた事にはおめでとうって言っとくけど、相手の事考えて走ったか?」
速水康太「おいおい何言ってるんだ?誰だって1位が良いに決まってるだろ?」
須藤智也「そ、そうだよな・・・(駄目だ、何言っても理解してくれそうに無い・・・)」
月島アカリ「・・・・・・」
高崎浩一「よーい・・・」
月島アカリ「・・・!あたしのお題は・・・」
月島アカリ「・・・・・・」
月島アカリ「え・・・そんなのって・・・!?」
月島アカリ「・・・・・・!!」
須藤智也「あれ?気のせいかな?月島さんこっち来てるぞ?」
速水康太「え?もしかして、借り物競走のお題俺だったりして!!」
月島アカリ「星野君!一緒に来てくれる!?」
速水康太「え、えぇ!?」
星野慎太郎「月島さん・・・何で俺?」
月島アカリ「あたしが借りて来るお題、学級委員なの!だからお願い!!」
星野慎太郎「あぁ、そう言う事なら・・・」
月島アカリ「・・・!ありがとう!」
速水康太「そ、そんな・・・借りて来るお題が学級委員だなんて・・・」
須藤智也「速水、また次があるだろ?」
速水康太「くそぉぉ!!何で俺剣道部と学級委員やらなかったんだよぉぉ!!」
月島アカリ「やった!1位だ!!」
星野慎太郎「お、おめでとう・・・」
月島アカリ「ありがとう!星野君のお陰だよ!!」
星野慎太郎「ま、まぁ、俺は何もして無いけど、嬉しそうで何よりだよ・・・」
月島アカリ「本当にありがとう!後は大丈夫だよ!」
星野慎太郎「あ、あぁ・・・」
月島アカリ「・・・・・・」
  『借りて来るお題、自分が今気になってる人。』
  月島さんが手にしたお題はそう書いてあった。本人は恥ずかしいのか、俺が学級委員と言う事もあってそれで誤魔化して
  俺を連れ出した。俺は月島さんの本当のお題に気付く事無く、今日の体育祭は無事に終った。

〇田舎の学校
  閉会式が終って、俺を含めた学級委員や体育祭委員の面々は会場の片付けをしていた。
星野慎太郎「暗森先生!この辺の荷物はどこに持って行けば宜しいですか?」
暗森敬一「あぁ・・・鉄パイプは全部第二倉庫だ・・・」
星野慎太郎「ありがとうございます!」
暗森敬一「しかしまぁ、今日は皆頑張ってたな!部活対抗リレーで勝てなかったのはちょっと複雑だったが・・・」
星野慎太郎「まぁ、陸上相手だと流石に・・・」
暗森敬一「まぁ、何事にも得手不得手はあるからな・・・星野も次の期末頑張れよ?赤点取ったら、部活できなくなるかもだからな!」
星野慎太郎「はい!」
速水康太「アカリさん!今日の体育祭凄く楽しかったです!俺の活躍、どうでしたか!?」
月島アカリ「うん、凄く良かったと思うよ!流石毎日鍛えてるだけはあるね!」
速水康太「そうですか?カッコよかったですか!!?」
須藤智也「俺としては終ってくれた事に感謝かな・・・でも偶には動いた方が良いかも・・・」
速水康太「何だ智也?お前も鍛える気になったか?なら俺が付き合うぜ!」
須藤智也「あ、うん・・・遠慮します・・・」
速水康太「何だよ連れないなぁ・・・ん?」
暗森敬一「この辺りの道具は、第三倉庫に同じ物があるから分かり易いと思うぞ?」
星野慎太郎「分かりました!」
須藤智也「慎太郎、頑張ってるな・・・」
速水康太「慎太郎達が頑張ってくれてるから、俺らも早く帰れるって訳か!」
速水康太「アカリさん!後の事はあいつらに任せて、一緒にどこか行きませんか!?」
月島アカリ「あ、ごめん速水君、あたしまだ学校残らないと行けないんだった!」
速水康太「え?どうしてですか!?」
月島アカリ「高崎先生から頼まれてた課題、まだ終って無い奴があるの。時間掛かりそうだから今日は先に帰ってくれる?」
速水康太「そ、そんなぁ・・・」
月島アカリ「速水君、本当ごめんね!次も頑張ろうね!」
速水康太「何だよ・・・折角一緒に帰れると思ったのに・・・」
須藤智也「おいおい速水!今日だけが全てじゃ無いだろ?今日は疲れたし、もう帰ろうぜ!」
速水康太「いや、時間が掛かる課題なら、俺も手伝えば良い!」
須藤智也「お、おい速水?今日もう帰ろう・・・」
速水康太「アカリさん・・・今行きます!!」
須藤智也「あぁ!速水、待てって!!」
月島アカリ「星野君!」
星野慎太郎「あれ?月島さん?まだ帰って無かったの?」
月島アカリ「うん!あたしにも何か手伝えないかなと思って来て見たんだけど・・・」
星野慎太郎「そうか?本当後少しで終わるから、大した事は無いぜ?」
月島アカリ「だったら!最後の奴、あたしに運ばせてくれる?」
星野慎太郎「そこまで言うなら、お願いしようかな?」
月島アカリ「・・・!ありがとう!!」
速水康太「・・・・・・」
須藤智也「はぁ・・・はぁ・・・おい速水、月島さんの邪魔しちゃ悪いって・・・速水?」
速水康太「何で・・・何でアカリさんが慎太郎なんかと・・・」
須藤智也「は、速水?」
速水康太「うおぉぉぉぉ!!!」
須藤智也「あぁ!速水どうした!?てかどこ行くんだよ!!」

次のエピソード:9 期末テスト

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