高嶺の花に手を伸ばして

夏目心 KOKORONATSUME

4 悩み(脚本)

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〇住宅街の公園
速水康太「はぁ!はぁ!やっぱ朝から走り回るのは清々しいな!まだ時間もあるし、もう少し走るか!」
浮島可憐「おっはよ〜!」
速水康太「ん?あぁ、お早う・・・(なんだこいつ?)」
浮島可憐「君、最近この辺り走ってるよね・・・あたし良く見てるんだ・・・」
速水康太「え?そうなのか?てか、誰だよあんた?」
浮島可憐「あぁ、そう言えば初めましてだったね・・・あたしは浮島可憐。夏目高校の陸上部だよ!」
浮島可憐「いつも午前3時から走ってるから君の事後々見てるんだよね!」
速水康太「ご、午前3時から!?俺でさえ午前5時からなのに!」
速水康太「なんと言うか、負けられないな!!」
浮島可憐「へへ!まぁお互い怪我しない様にね!所で君、夏目高校?」
速水康太「あぁそうだ!今年夏目高校に入った速水康太だ!」
浮島可憐「お〜!あたしと同期か!じゃあ、あたしそろそろ行くから、じゃあねぇ!」
速水康太「・・・朝3時から走ってるか・・・感銘を受けたぜ!!」

〇教室
  一方、俺達はと言うと。
須藤智也「そっか・・・慎太郎は剣道部に入ったのか・・・」
星野慎太郎「あぁ、なんだか面白そうだなぁって・・・」
須藤智也「剣か・・・極めたらカリスマになれるかなぁ・・・」
星野慎太郎「ん?どう言う事だ?」
須藤智也「あぁ、最近見つけたネタなんだけどさ、武器の心理テストがあってさ・・・覗いて見たんだけどその結果が面白くてさ!」
須藤智也「剣はカリスマの証で、極めてしまえば敵わない奴はいないって!」
星野慎太郎「へぇ・・・でも実際は剣より刀の方が斬れるって話だぜ?」
須藤智也「え?そうなの?」
星野慎太郎「あぁ、実際の剣はアニメとかの影響で斬る為の武器と思われがちだけど実際斬る目的の武器は刀の方なんだよ」
星野慎太郎「剣の方はそこまで斬れなくて、良く斬れるのは刀の方だって暗森先生が話してくれてな・・・」
須藤智也「そうなんだ・・・知らなかったな・・・あんなにカッコいいのに勿体無い・・・」
星野慎太郎「まぁ、そうだよな!」
星野慎太郎「なぁ、他の武器はどんな感じなんだ?」
須藤智也「・・・と、そうだったね。槍が信念の象徴で、鎌はコレクターの証・・・斧が敵に回すと危ないタイプで、それから・・・」
  智也と武器が何の証かと話す中、チャイムが鳴って俺達は授業に勤しむ事になった。この状況の中、男一人が慌てて走ってる事に、
  俺も智也も気付かなかった。
速水康太「うわぁぁ!遅刻だ遅刻だぁぁ!!!」

〇住宅街の公園
星野慎太郎「ふわ〜・・・今日も剣道部の活動で程良く疲れた・・・」
  放課後、部活動も終って一人で帰路に付いていた。智也は塾で、速水は一人でどこかへ行ってしまっている。
星野慎太郎「偶には寄り道するのも良いよな・・・ん?」
月島アカリ「よしよ〜し!良い子だね〜!」
星野慎太郎「あれって、月島さん?」
星野慎太郎「月島さん・・・」
月島アカリ「あれ?君は確か・・・委員長?」
星野慎太郎「あ、うん・・・委員長は間違って無い・・・俺は星野・・・」
月島アカリ「あぁ!星野君か!ごめんごめん!今度は忘れないわ!星野君はここで何を?」
星野慎太郎「まぁ、特にやる事も無いから、折角だから寄り道しようかなって・・・」
月島アカリ「そうなんだ・・・」
星野慎太郎「月島さんは?」
月島アカリ「見ての通りよ。一人で猫ちゃんと戯れてた・・・」
星野慎太郎「月島さん、猫好きなんだね・・・」
月島アカリ「たまたま同じ所にいただけだよ・・・」
月島アカリ「今日は一人なの?」
星野慎太郎「あぁ、智也は塾に行ってて、速水は一人でどこか言っちゃって・・・」
月島アカリ「そっか・・・あたしも今日一人なんだ・・・」
星野慎太郎「そっか?月島さんなら、友達とか沢山いそうだけど?」
月島アカリ「それは偏見かな・・・星野君も知ってるよね?あたしが首席入学って・・・」
星野慎太郎「お、おう!決め付けとか、確かに良く無いな!」
月島アカリ「まぁ、良いわ・・・そう思う方が普通よね・・・」
星野慎太郎「あ、あぁ・・・月島さんが首席入学って知ってるけど、それがどうしたんだ?」
月島アカリ「・・・確かにあたしは首席入学よ。周りからは何でもできる見たいな認識をしてくれてる・・・でもあたしにはそれが」
月島アカリ「重りに感じる事もある。そんなあたしに周囲が憧れるのは嬉しいわ・・・だけど、皆はあたしの事、勉強とか、何かしらの」
月島アカリ「ステータスでしか見てない気がするのよね・・・周りが好きなのはあたしじゃ無くて、優れた能力を持ったあたしなんじゃ」
月島アカリ「無いかって、良く思っちゃうんだよね・・・」
星野慎太郎「なるほど・・・優秀だからこその悩みって訳か・・・月島さん・・・偶には休む事をして見たら?」
月島アカリ「え?休む?」
星野慎太郎「ほら、人間誰でも継続的に頑張ったりなんてできないだろ?偶には息抜きとかしないと、パンクしちゃうし・・・」
月島アカリ「え?でも、あたしが頑張らないと、困る人とか出て来ないかな?」
星野慎太郎「そんなのイチイチ気にしてたらキリが無いよ・・・他人と力は自分を裏切る事だってあるし・・・」
星野慎太郎「まぁ努力は自分を裏切らないってのは本当だけどね・・・」
月島アカリ「え?」
星野慎太郎「て、まだガキ臭い俺が言っても何にもならないか!って、もうこんな時間か!俺行くよ!月島さん、また明日な!」
月島アカリ「・・・努力は裏切らない・・・か・・・」

次のエピソード:5 速水のデート

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