高嶺の花に手を伸ばして

夏目心 KOKORONATSUME

3 やりたい事(脚本)

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〇男の子の一人部屋
  その日の夜。俺の家で速水と智也と共に今後各々がどうするか話していた。
星野慎太郎「何だかんだ今日から高校生になった訳だけど、皆これからどうするか決めてるか?」
須藤智也「そうだな・・・俺は取り合えず勉強だけはサボらずにやろうかなって・・・慎太郎は?」
星野慎太郎「俺は・・・そうだな・・・学級委員とか、部活動とかに目を通して見たいと思うんだよな・・・」
須藤智也「あぁ!それも面白そうだね!速水は?」
速水康太「あぁ、あれから女の子はどんな男が好きなのか自分なりに考えて見たんだ・・・」
星野慎太郎「と言うと?」
速水康太「ほら!良く女の子がチンピラか何かに絡まれる事ってあるだろ?だからさ、明日から身体を鍛えまくろうと思うんだ!」
星野慎太郎「まぁ、良いんじゃ無いか?」
速水康太「おうよ!そもそも女は強い奴に守られたいって思う生き物だからな!だから徹底的に鍛えようと思う!」
須藤智也「う〜ん・・・女子でも格闘技やったりしてる人はいるし、何より、あの月島さんって人、首席入学なんでしょ?」
須藤智也「ある程度の護身術は身に付けてると思うけど・・・」
速水康太「そうかも知れないが、それでも俺は身体を鍛えるよ!」
星野慎太郎「まぁ、何だ・・・先ずはやって見る事だな・・・何か足りないと思ったら、またその時考えれば良いし・・・」
須藤智也「・・・まぁ、そうだよね!」
  お互いやりたい事は違うが、お互いやりたい事をやる為、明日からまた頑張るのだった。

〇教室
  それから一週間。実力テストや部活紹介等、入学してから直ぐに色んなイベントや課題を乗り越えて今日に至り、俺達はと言うと。
星野慎太郎「じゃあ行くぞ・・・じゃーんけーん・・・」
モブ男子「ぽん!!」
星野慎太郎「あ、俺の勝ち・・・」
モブ男子「あらら、負けちゃいましたか・・・」
高崎浩一「おーい、決まったか?」
星野慎太郎「あ、はい!勝ったのは俺です!」
高崎浩一「分かった!今日から学級委員宜しくな、星野!」
  今俺は学級委員を誰がやるか立候補者達とジャンケンをしていて、なんと勝ってしまったのだった。なれたら良いなぁの
  気持ちだったので、そこまで深く考えてなかった。
星野慎太郎「先生、聞きたいんですけど、学級委員って具体的に何する物なんですか?」
高崎浩一「なんだ?やった事無いのか?まぁ、行事だったり何かしら大事な時に皆を纏めて引っ張ったり、皆の話聞いて考えて」
高崎浩一「行動するって所かな。まぁ、皆の話聞いて、その上で何が良いか決めるってのが大事かな?」
星野慎太郎「そう言うもんなんですか?」
高崎浩一「へ、まぁ先ずはやって見る事だな。分からなかったら俺に相談してくれ・・・」
星野慎太郎「・・・本当に俺で大丈夫かな・・・」

〇体育館の中
  今日の放課後。
星野慎太郎「さてと、運動系の部活ってどんなのがあるかな?」
速水康太「なんだ慎太郎?お前も身体鍛えるのか?」
星野慎太郎「う〜ん・・・折角だからどんなのあるか見てみたくて・・・速水はどうするんだ?」
速水康太「俺か?最近親に頼んでジムに通わせてもらってるからな!部活やるつもりは無いぞ!」
星野慎太郎「そ、そうなんだ・・・まぁ、取り合えず見て回ろうぜ・・・」
  俺は速水と共に部活見学に来ていた。智也は体育が苦手と言う事もあり、智也抜きで見学に来ていた。団体系にするか、
  個人系にするか迷いながら、一つずつ見る事に。
星野慎太郎「バレーにバスケ・・・卓球にバドミントン・・・どれにしようか悩むな・・・」
速水康太「なぁ、折角身体鍛える事考えてるなら、格闘系なんてどうだ?俺のオススメはプロレスかな?」
星野慎太郎「いやいや、俺はそこまで行く気無いよ・・・最終的にやるの俺だから・・・」
星野慎太郎「ん?この音は?」
速水康太「ありゃ剣道部だな!見てみるか?」
星野慎太郎「あぁ!折角だから!」
暗森敬一「良し!次は打ち込みの練習やるぞ!」
モブ男子「はい!」
速水康太「おぉ!やってるやってる!」
星野慎太郎「剣道か・・・これは盲点だったな・・・」
暗森敬一「ん?もしかして、見学かい?」
星野慎太郎「あ、はい!そんな感じです!」
速水康太「あの、ここって剣道部ですか?」
暗森敬一「そうだよ・・・これから皆で打ち込みの練習をする所さ・・・」
星野慎太郎「打ち込み?」
暗森敬一「師や元立ちに対して面、つまり頭の辺りをひたすら竹刀で打ち込む練習の事だよ。只相手に打たせるだけで無く、」
暗森敬一「師の方も打つ側の小手(手の甲)、場合に寄っては胴(お腹辺り)を打ち込んで、相手の動きを見てそれを改善させる目的で」
暗森敬一「やる練習だよ・・・」
速水康太「面白そうですね!なぁ慎太郎、ちょっと見てかないか?」
星野慎太郎「・・・あの、良かったら見学しても大丈夫ですか?」
暗森敬一「勿論さ!その上で剣道を気に入ってくれたら僕らも嬉しいよ!」
  俺達は剣道部が打ち込みの練習をする所に偶然立ち会って見学させてもらう事になった。師や元立ちが打つ側の前に立ち、
  打つ側は相手の面を狙って動く。打つ側は素早い感じで師の面に対して打ち込みを入れるが、師の方から先に小手や胴に
  打ち込まれたりと、同じ動作を繰り返しながら練習は行われた。練習の後。
暗森敬一「さて君達、さっきの練習は見ててどんな感じだったかな?」
速水康太「いや凄いです!動きが早くて師の振り方も綺麗でした!!」
暗森敬一「そう言ってくれると嬉しいよ・・・そっちの君はどうだい?」
星野慎太郎「はい!皆凄く上手くて!見てたら自然と見入っちゃって!」
暗森敬一「そうか・・・どうもありがとう・・・」
星野慎太郎「・・・あの、一つ良いですか?」
暗森敬一「ん?どうしたんだい?」
星野慎太郎「俺、剣道部に入りたいと思うんですが、入部届け、どこでしたっけ?」
暗森敬一「え?入ってくれるのかい!?」
星野慎太郎「さっきの練習見てたら、なんか自分もやって見たくなっちゃって・・・」
暗森敬一「そうかそうか!歓迎するよ!担任の先生に頼めば、入部届け出してくれるよ!」
星野慎太郎「・・・!ありがとうございます!!」
速水康太「おぉ!良かったじゃ無いか慎太郎!!」
暗森敬一「所で、そっちの君はどうするんだい?」
速水康太「あ!俺放課後はジムに通ってるんで、部活は考えてません!」
暗森敬一「そうか・・・まぁ、今日の事は頭の隅にでも置いといてくれたら良いよ・・・」
速水康太「はい!」
  その後、俺は高崎先生から入部届けをもらって正式に剣道部へと入部して、先に剣道をやっている人達から歓迎された。
  学級委員に剣道と、個人的にやりたい事を見つけながら前へ進むのだった。

次のエピソード:4 悩み

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