高嶺の花に手を伸ばして

夏目心 KOKORONATSUME

2 月島アカリ(脚本)

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〇教室
月島アカリ「・・・・・・」
速水康太「おぉ!来た来たぁ!!」
星野慎太郎「いや、来た来たってさぁ、今日この時点で俺らと同じクラスじゃん・・・」
須藤智也「そうだよね・・・これが分かってから速水の奴、興奮し過ぎだって・・・」
速水康太「何言ってるんだよ!あの月島アカリさんと同じクラスになれるなんて、奇跡以外のなんだってんだよ!!」
星野慎太郎「だから、大袈裟に騒ぎ過ぎだよ・・・」
須藤智也「で、速水はどうしたい訳?」
速水康太「っと!慎太郎に怒ってる場合じゃ無かった!アカリさんと途中まで帰らないか誘いたいんだ!だから力を貸してくれ!」
星野慎太郎「いや、同じ中学なら、一人でも声掛けできるだろ?」
速水康太「できないから頼んでるんだろ!?」
須藤智也「困った奴だな・・・近くにはいてやるけど、どうせ誘うなら自分の言葉でな?」
速水康太「そうでなくちゃ!行くぞお前ら!」
  月島アカリさん。今年入って来た俺らの中で首席入学した女子生徒だ。速水と同じ中学にいたらしく、速水に取っての憧れの
  的だ。俺と智也は速水に言われるがままに月島アカリさんの近くへ寄る事に。
速水康太「あ、あの、アカリさん!」
月島アカリ「ん?どうかしたの・・・って・・・」
月島アカリ「あれ?もしかして速水君!?」
速水康太「そうです!アカリさんと同じ中学にいた・・・!」
月島アカリ「へぇ、意外ね!夏目高校って偏差値高いって話なのに、速水君がここにいるって事は頑張ったって事でしょ!?凄いよ!!」
速水康太「アカリさんにそう言ってもらえるなんて、嬉しいです!」
星野慎太郎「おい速水、そろそろ良いだろ?」
速水康太「あぁ!そうだった!あの、アカリさん、もし良かったら、俺と一緒に帰りませんか?」
月島アカリ「俺と?俺らじゃ無いの?」
速水康太「いえいえ!こいつらはついでなんで!」
星野慎太郎「あ〜・・・もう勝手に言ってろ・・・」
月島アカリ「速水君、どうせなら皆で帰りましょう。お友達の事ついでとか言うのは良く無いわよ?」
速水康太「あぁ!ごめんなさいアカリさん!」
星野慎太郎「速水・・・お前本当に大丈夫か?色んな意味で心配だぜ・・・」
月島アカリ「えっと・・・二人は速水君のお友達なのよね?あたしは月島アカリって言うの。二人はなんて名前なの?」
星野慎太郎「俺ですか?俺は星野慎太郎です・・・」
須藤智也「えっと・・・須藤智也です。俺ら、速水とは幼馴染みで、同じ小学校に通ってた仲なんです・・・」
月島アカリ「へぇ!幼馴染みなんだ!昔の速水君どんな感じだった?」
須藤智也「あ・・・なんと言うかこう・・・本当我儘って言うか・・・」
速水康太「おい智也!余計な事言ったらどうなるか分かるよな!」
須藤智也「あ、あはは・・・まぁ、何だかんだ楽しくやってた・・・と思います・・・」
月島アカリ「そう?まぁ良いわ。余り長居してると怒られるから、そろそろ行かない?あたし個人的に行って見たい所あるんだけど・・・」
速水康太「え?行きたい所?良いですよ!付き合います!」
月島アカリ「じゃあ、行きましょうか!」
星野慎太郎「なぁ、速水の事どう思う?」
須藤智也「どうもこうも無いよ。あいつ好きな人に夢中になり過ぎてると言うか・・・」
速水康太「お前ら何もたついてるんだ?行くぞ!!」
星野慎太郎「ったく・・・肝心な所はいつになっても変わって無いな・・・」
須藤智也「まぁ言っても仕方ないよ・・・行こう・・・」

〇田舎の学校
速水康太「それでアカリさん!行きたい所って?」
月島アカリ「こっちよ、着いて来て・・・」
星野慎太郎「・・・向かうのは学校の裏側・・・何かあるのか?」

〇華やかな広場
月島アカリ「着いたわ!一度目に入れて置きたかったのよ!」
速水康太「アカリさん、ここは?」
月島アカリ「あぁ、ここはね、夏目高で話題になってるんだけどさ、この庭で女の子が好きな男の子に告白すると生涯ずっと結ばれるって」
月島アカリ「話なの!」
速水康太「そ、その話本当ですか!?だったら!」
星野慎太郎「おい待て速水!」
速水康太「な、何だよ慎太郎!」
星野慎太郎「待てって!仮に今の話が本当でも、いきなり告白するのはおかしいだろ?」
速水康太「はぁ?今告白しないでいつするんだよ?」
須藤智也「おいおい、慎太郎の言う通りだぜ?今告白しても振られるかもだし、仮に上手く行ってもこれからやらなきゃ行けない事」
須藤智也「どうするんだよ?」
速水康太「え?やらなきゃ行けない事ってなんだよ?」
須藤智也「例えば・・・これから受ける授業は勿論だけど、期末テストとか、学園祭に体育祭とか・・・まぁ一番は勉強だけど・・・」
速水康太「はぁ?もう高校生になってるから問題ないだろ?」
星野慎太郎「いや、良くは無いだろ・・・もっと先になると大学受験か就職活動だってあるし、何よりもっと上を目指せばアカリさんも」
星野慎太郎「速水に対する見方も変わると思うぜ?」
速水康太「・・・そう言われるとそうかもな・・・」
星野慎太郎「あぁ、だから今告白するのは得策では無いぜ?」
月島アカリ「皆何の話をしてるの?」
速水康太「え?いや!何でもないです!アカリさん、どうしてここに来ようと?」
月島アカリ「う〜ん・・・何と言うかね・・・今でこそあたし達は高校生だけどさ、いつかあたし達も高校生じゃ無くなるでしょ?」
月島アカリ「あたしもいつか、あたしに取っての素敵なパートナーが見つかったらなぁって考えたら、来てみたくなって・・・」
速水康太「そうなんですね!アカリさん!絶対見つかりますよ!素敵なパートナー!」
月島アカリ「・・・そう言ってくれると嬉しいわ!皆今日から宜しくね!」
  月島アカリさんの案内で来た裏庭はこの学校の告白スポットだった。速水が些か暴走気味だったので俺らで抑えて、
  俺達はこれからの学校生活を迎えるのだった。

次のエピソード:3 やりたい事

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