高嶺の花に手を伸ばして

夏目心 KOKORONATSUME

1 幼馴染みの男三人(脚本)

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〇教室
星野慎太郎「ここが今日から、俺の新しい教室か・・・」
  俺は星野慎太郎。今日から夏目高校に入学する新一年だ。受験してた時は只々受かる事だけを考えてたので周りにどんな奴が
  いるのか全く分からなかった。今はこうして受かった身なので、周囲の事はこれから分かるだろう。
星野慎太郎「さてと、俺の席は確か・・・」
須藤智也「あれ?もしかして慎太郎!?」
星野慎太郎「え?智也!?お前ここに受けてたのか!?」
須藤智也「やっぱり!!入学式の時にもしかしてと思ったら、やっぱり慎太郎だったか!凄く久し振り!!」
星野慎太郎「マジか!小学校の時以来だな!!」
速水康太「何だ?どっかで見た事があると思ったら、慎太郎と智也じゃないか!」
星野慎太郎「え?誰?」
須藤智也「ごめんなさい、人違いじゃ無いですか?」
速水康太「おい!お前ら態とか!?俺だよ!速水康太だよ!!」
星野慎太郎「相変わらず冗談通じないな・・・速水の事は忘れたくても忘れられないよ・・・」
須藤智也「本当だよ・・・小学生の頃お前が一番我儘だったからな・・・でも驚いた・・・夏目高校って割と受験難しいって話だったのに・・・」
須藤智也「速水が受かるなんて予想外だよ・・・」
速水康太「そりゃ智也!俺も中3になってから死ぬ程勉強したからな!頑張った甲斐があったってもんだ!」
星野慎太郎「何か小学生の時だったら全然想像できなかったな・・・まさか俺らがまた同じ所に行く事になるなんて・・・」
星野慎太郎「一時期離れてたが、俺ら少しはマシになったか?」
須藤智也「どうだろうね・・・俺は中2になってから受験に対して本気出してたよ?」
速水康太「まぁ!俺に至っては現にここにいる訳だから、昔と比べて良い感じだと思うぜ!」
須藤智也「そっか・・・これあんまり聞くもんじゃ無いけど、皆は受かった時どの位の成績だった?」
星野慎太郎「成績?確か50点満点中のどうたらだったよな?俺は大体40点位だったかな?」
須藤智也「そっか!俺は大体で45点位だったよ!」
速水康太「えぇ!お前らそんなに取ってたのか!?俺は35から38点位だったぞ!!」
星野慎太郎「そ、そうか・・・でも頑張ったじゃん・・・」
須藤智也「そ、そうだよ!これから頑張れば良いじゃん!!」
速水康太「あ、あぁ、嬉しい様な、嬉しく無い様な・・・」
速水康太「それはそうと!慎太郎と智也はどうして俺が夏目高校を受験したか分かるか!?」
星野慎太郎「・・・?父さんや母さんに楽をさせる為に頑張るとか?」
須藤智也「国立大学を目指すとか?」
速水康太「いやちげーよ!何で態々そんな事しなきゃならないんだよ!!」
星野慎太郎「いや、もしそうだったら大分成長したなって・・・」
速水康太「そんな事はどうでも良い!!」
須藤智也「いや、どうでも良く無いよ・・・」
速水康太「お前らも知ってるだろ?夏目高校の受験、満点で受かった女子の事!」
星野慎太郎「え?満点で受かったの?どんな人だっけ?」
速水康太「実はその子はな!俺と同じ中学で、中一の時から何でもできる才色兼備の子でさ!レベルの高い美人でその子とお近付きに」
速水康太「なりたくてな!!」
星野慎太郎「え?速水が夏目高校を選んだのって・・・」
速水康太「おうよ!俺はその子に相応しい男になる為に勉強を無理矢理頑張ったんだ!!」
星野慎太郎「・・・何と言うかこう・・・」
須藤智也「あぁ、これ大人から見たら自分の芯が無い見たいに言われてもおかしく無いぜ・・・」
速水康太「良いじゃねぇか!男ってのは好きな人の為なら何だってできるんだ!俺は絶対その子に振り向いてもらうからな!」
星野慎太郎「・・・まぁ、何がともあれだ、今日からお互い宜しくな、お前ら・・・」
須藤智也「・・・そうだね・・・今日から頑張ろう・・・」
  幼馴染みの男二人と再会した俺は、各々の目的が何であれ、また一緒に過ごす事となった。速水の言う首席の子がどんな人かは、
  これから分かって行けば良いと思う事とした。

次のエピソード:2 月島アカリ

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