10 アメリカへ(脚本)
〇地下の避難所
それから時間が経ち、作戦開始時刻となった。
中島蒼「セバスチャン、メイド長、行って来るわね・・・」
セバスチャン「お嬢様、申し訳ありません。できる事なら、我々もお供したかった・・・」
中島蒼「セバスチャン、もうその身体で無理したら駄目よ・・・」
エミリア「私からも言わせて下さい。私も防衛術は心得てますし、できるなら私がお嬢様をお守りしたかった・・・」
中島蒼「メイド長、セバスチャンを一人にさせないで。プロの人達が一緒だから・・・何より、あたしも頑張らないといけないから・・・」
エミリア「お嬢様・・・」
中島蒼「約束するわ、お父様とお母様の仇を討って、必ず帰って来るから!」
セバスチャン「お嬢様・・・くれぐれも、お気を付けて!」
谷本奈津美「久保君、やっぱり考え直さない?あなたから頼んで桐ヶ谷君と中島さんの事・・・」
久保直樹「先生、残念ですがもう俺らの決めた事なんで・・・仮に今俺らがやらくてもいつか順番が廻って来るのは、先生にだって」
久保直樹「分かってるでしょ?」
谷本奈津美「・・・そうよね・・・もう逃げてばかりではいられないのね・・・」
久保直樹「先生、一つ良いですか?」
谷本奈津美「どうしたの?」
久保直樹「俺、谷本先生に教えてもらって、先生の喜ぶ事、怒らせる事沢山して来ました。俺、色々やってたと思いますが、先生と一緒に」
久保直樹「やれて楽しかった・・・だからなんですけど、先生・・・」
久保直樹「俺らがロボットを全滅させて、高校卒業して仕事できる様になったら・・・俺と結婚してくれませんか?」
谷本奈津美「・・・!?」
久保直樹「って、こう言うの死亡フラグですよね!」
久保直樹「でも、俺後悔したく無かったから・・・谷本先生の事好きだってのは本当です。そろそろ行きますね!」
谷本奈津美「・・・・・・」
谷本奈津美「待ちなさい!」
久保直樹「あれ?もしかして怒りました?」
谷本奈津美「・・・久保君、絶対帰って来て・・・帰って一緒に学校に戻りましょう!」
久保直樹「へ?」
谷本奈津美「帰ったら久保君が結婚できる様に教えられる事は全部教えるわ!久保君が今言った事、全部放棄して死ぬだなんて、」
谷本奈津美「私は絶対に許さないからね!!」
久保直樹「・・・・・・!?」
久保直樹「・・・・・・」
久保直樹「先生!俺絶対帰って来ます!他の奴には絶対譲りませんから!!」
谷本奈津美「・・・待ってるからね・・・」
影山純也「さて、準備はできたな?」
桐ヶ谷誠「はい、いつでも行けます・・・」
影山純也「良し!そろそろ出発するぞ!長い旅になる!気合を入れて行くぞ!!」
それぞれの思いを胸に秘め、俺達は影山さんの指揮の下、作戦を開始するのだった。
影山純也「神崎、オペレート宜しく頼むぜ・・・」
神崎雫「分かりました。影山さん、くれぐれもお気を付けて・・・」
影山純也「よっしゃ!行くぞお前ら!!」
〇空港の外観
アジトを出て俺達は影山さんを先頭に、下水道を通って空港へと辿り着いていた。
影山純也「さて、到着だ・・・」
久保直樹「いやはや!空港まで歩くのがここまでしんどいとは・・・」
桐ヶ谷誠「分かってはいたけど、ここまでしんどいとなれば、アメリカに着いたらもっとしんどいんだろうな・・・」
影山純也「おいおい!こんなんでへこたれてたらできる事もできないぜ!」
中島蒼「なんと言うかこう、普段鍛えてる人達の事、尊敬したくなりました・・・」
影山純也「へへ、そう言われると嬉しいもんだな・・・」
影山純也「あ、通信か。ちょっと待ってな・・・」
影山純也「おう、影山だ・・・」
通信機「こちら神崎。こちらの方でも影山さん達が空港に到着した事を確認しました・・・」
影山純也「おう、こっちには怪我人もいねぇし、これと言った問題もねぇぜ!」
通信機「その分だとまだまだ行けそうですね・・・ここからは私が誘導します・・・」
影山純也「あぁ、頼んだぜ・・・!お前ら!聞いての通りだ!」
影山純也「ここからは神崎の指示で移動する。遅れるんじゃねぇぞ?」
桐ヶ谷誠「はい!」
中島蒼「あたし達は大丈夫です・・・」
影山純也「よっしゃ!それじゃあ動くぞ!神崎、頼むぜ!」
通信機で神崎さんからの指示を受けて、俺達は歩いてアメリカ行きの飛行機に積み込み予定のコンテナに入り込むのだった。
〇空港の滑走路
ロボット「積ミ込ミ作業開始・・・」
ロボット「積ミ込ミ完了・・・」
「痛っ!!」
ロボット「ン?」
ロボット「・・・異常無シ・・・」
「おい久保・・・状況分かってるだろ?」
「すまねぇ桐ヶ谷・・・」
「お前らこんな所で喧嘩するなよ?これから10時間以上飛行機の中なんだからな?」
コンテナの中に入った俺達はロボットの手で飛行機の中に運び込まれた。それから数分後に飛行機が動き出し、アメリカへと
飛び立つのだった。