8 秘密のアジト 後編(脚本)
〇地下の避難所
東(アズマ)「影山さん!たった今戻りました!」
影山純也「アズマ!無事だったか!外はどうなってた?」
東(アズマ)「全く持って酷い有り様です・・・こちらの方で確認できる限りの死亡者リストが出来上がりましたので報告に・・・」
影山純也「そうか・・・張り出しを頼む。俺は皆を集めて来る・・・」
東(アズマ)「分かりました!」
それから、俺達は影山さんに呼び集められた。死亡者リストの発表と聞かされて余り気分のいい話では無いが、誰が殺されたか
この目で確かめる事にした。
東(アズマ)「皆さん、お集まりして頂いてありがとうございます・・・今から見せるのはお聞きの通り、死亡者リストです・・・」
東(アズマ)「もしご家族の名前が書いてあった時は、我々にはどうする事もできません・・・何卒、ご理解とご協力下さい・・・」
東(アズマ)「それではリストを公開します!!」
久保直樹「おいおい、こんなの見せつけてどうしろってんだよ・・・」
桐ヶ谷誠「俺だって分からないさ・・・もし家族の誰かが死んでたら、受け止めない事には・・・」
中島蒼「誠の言う通りね・・・あたし達も目を通しましょう・・・」
死亡者リストが提示されて、俺達は死んだ人の名前を全て読み上げる勢いで目を通した。そこにあったのは、俺達にとって
最も恐れていた事実だった。
桐ヶ谷誠「・・・!?か、母さんの名前・・・死亡者リストに載ってる・・・!?」
久保直樹「は、はぁ!!?嘘だろ?お前の母ちゃんだろ!!??」
桐ヶ谷誠「ま、間違い無い・・・俺の母さん・・・死んでる・・・」
久保直樹「お、落ち着けって!あんな紙切れ一枚で納得できるかよ!!ほら!ロボットが襲って来たのも、全部夢だったとか・・・!!」
中島蒼「・・・!?お父様・・・お母様・・・!!!」
久保直樹「え!?」
中島蒼「そんな・・・こんなの・・・何かの間違いよ!!!」
桐ヶ谷誠「・・・!蒼!!」
久保直樹「おおおい!中島!桐ヶ谷!!」
東(アズマ)「影山さん・・・やっぱりこれ、誰にも言わない方が良かったんじゃ・・・」
影山純也「それはできねぇな・・・こう言う状況になっちまったからには、皆に現状受け止めてもらう他無い。遅かれ早かれ、」
影山純也「伝えておくなら早めがいい・・・」
東(アズマ)「・・・辛いですね・・・本当・・・」
桐ヶ谷誠「蒼!!」
中島蒼「ひっく・・・ひっく・・・」
桐ヶ谷誠「蒼・・・」
中島蒼「ごめん誠・・・いきなり飛び出したら心配しちゃうよね・・・あたし達・・・もう親がいないのね・・・」
桐ヶ谷誠「あぁ、あの人達は嘘を言ってない・・・」
中島蒼「あたし!お父様とお母様に、高校の卒業式見に来て欲しかった!!あたしが仕事始める所、見て欲しかった!!」
中島蒼「せめてもっと・・・何かして上げたかった・・・!」
桐ヶ谷誠「蒼・・・」
久保直樹「あいつら・・・」
谷本奈津美「久保君、桐ヶ谷君と中島さん、どうしたの?」
久保直樹「谷本先生・・・桐ヶ谷は母親を、中島は両親を殺されたって聞かされて・・・」
谷本奈津美「な、なんですって!?」
久保直樹「先生、俺にはあいつらになんて声かけたら良いのか、全く分かりません・・・一体どうしたら・・・」
谷本奈津美「・・・今はそっとしといて上げて・・・」
死亡者リストが張り出されて、俺と蒼だけで無く、その人にとっての親しい友人や家族が死んだと聞かされて、只々悲しみや怒りの
声が木霊していた。目の前の現実を突き付けられて、俺達は只叫ぶ事しかできなかった。
〇地下の避難所
死亡者リストが張り出されてから数時間後、俺は蒼と共に影山さんの所へと赴いていた。
影山純也「戦い方を教えて欲しい?」
桐ヶ谷誠「はい、影山さんは傭兵やってたんですよね?俺達、どうしても戦闘訓練を受けたいんです・・・」
影山純也「おいおい、お前ら意味分かって言ってるのか?こう言うのはかなりと言っていい程重い。俺は確かに傭兵で、人を殺した事なんて」
影山純也「幾らでもあるが、ハッキリ言ってやるもんじゃねぇぞ?」
中島蒼「ですが、今の状況見ても同じ事言えますか?どの道守ってばかりが続いてたらいつかあたし達もやられます・・・」
影山純也「確かにそうだが、連中もいつまで待ってくれるか・・・」
桐ヶ谷誠「なら、短期で覚えれば問題無いですよね?」
影山純也「・・・どうやら何言っても聞いちゃくれないな・・・」
影山純也「分かった、銃や爆弾とかの使い方教えてやる・・・」
桐ヶ谷誠「本当ですか!ありがとうございます!!」
影山純也「但しこれだけはハッキリ言う・・・扱いにはくれぐれも気を付けろよ?仮に怪我されても責任取り切れねぇからな・・・」
影山純也「一ヶ月くれてやる。確り覚えろよ?」
中島蒼「ありがとうございます!!」
自分達の家族を殺されて、俺達は泣くだけ泣いた後俺達はロボットと戦う決意をした。影山さんからの了承も得て、明日から本格的に
訓練に勤しむ事となった。