鏡開きと江戸の華

ましまる

鏡開き(脚本)

鏡開きと江戸の華

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〇学校の部室
  ──文芸部・部室──
ぶちょー「あけましておめでとう!」
るる「おめでとーございます♪」
ぶちょー「お正月はどうだった? ゆっくりできた?」
るる「ええと・・・」
るる「おせちの栗きんとんを一人で全部食べたら 親にお説教されました」
ぶちょー「それは怒られて当然だって・・・」
ぶちょー「栗きんとんは何と言っても、 正月料理の中では花形のスイーツだから」
ぶちょー「食べ尽くしたい気持ちは理解できるけど、 流石にダメだから」
るる「親にも同じこと言われました・・・」
るる「ちなみに、栗きんとん以外で ぶちょーが好きなお正月料理は何ですか?」
ぶちょー「定番だけど、お雑煮が大好きっ!」
ぶちょー「もう美味しすぎて、何回もお代わりして 家のお餅を食べ切っちゃった!」
るる「だから、ぶちょーの制服の腹回りが・・・」
ぶちょー「言わないでっ!」
ぶちょー「もう少ししたら ”鏡開き” を迎えて さらにお餅を食べることになるんだから」
ぶちょー「あー太っちゃう・・・」
るる「すでに太りきったような・・・」
るる「ところで、ぶちょーに質問ですけど、 ”鏡開き”って何ですか?」
ぶちょー「ええと・・・鏡餅を食べる行事・・・かな」
るる「何のために鏡餅を食べるんですか?」
るる「そもそも、鏡餅って何で飾るのですか?」
ぶちょー「ええと・・・その・・・」
???「鏡餅は、正月にいらっしゃる年神様の依代 つまり「神様が正月におわす場所」なのよ」
せんせー「そして、年神様がお帰りになった後に、 依り代となった鏡餅をみんなで頂くのが ”鏡開き”ね」
るる「あっ、せんせー」
るる「あけましておめでとーございます」
ぶちょー「おめでとうございます」
せんせー「今年もよろしくね」
せんせー「で、話を戻すのだけど、 鏡餅には年神様のお力が宿っているから お餅を食べることで福を授かるのよ」
せんせー「だから、ご利益を受けるために しっかりお餅を食べてね ・・・制服が着られる範囲で」
ぶちょー「せんせー!」
るる「ぶちょーのお腹、鏡餅みたいになりそうっ」
ぶちょー「ところで、先生・・・」
ぶちょー「”鏡開き”って 何日に行うものか決まっているのですか?」
せんせー「そうね、地域や時代によって異なるけど、 江戸時代の武家では、11日とされていたわ」
せんせー「元々は20日だったのだけど、 江戸の三代将軍・家光公の月命日と重なり 11日に変えられたみたいね」
るる「ほぇー!?」
ぶちょー「三代将軍・徳川家光って 鎖国体制を完成させた将軍ですよね?」
せんせー「そうそう」
せんせー「あとは、祖父の家康公が眠る日光東照宮を 豪華絢爛に増改築しているわよ」
せんせー「何せ、家光公はお祖父ちゃん大好きっ子と して有名だったからね」
せんせー「だから、死後「東照大権現」として 神格化された家康公の威光を さらに高めようとした上、」
せんせー「自らのことを「二世権現」って 名乗ったりしていたみたいよ」
るる「「三代将軍」で「二世権現」・・・?」
ぶちょー「二代将軍の立場って・・・」
せんせー「ええ、三代・家光公は 祖父の家康公をとことん敬愛する一方で」
せんせー「父の二代将軍・秀忠公とは 微妙な関係だったみたいなのよ」
ぶちょー「えっ、親子なのに・・・!?」
せんせー「これにはちょっと事情があってね・・・」
せんせー「幼少時の家光公ってね、」
せんせー「病弱で内向的で鈍くさくて容姿も悪く 小食で偏食でヒキコモリ気質で 吃音もあってコミュ障だったようなのよ」
ぶちょー「いろんな要素が重なってますね・・・」
せんせー「そんな家光公には 2歳年下の弟がいたのだけど、」
せんせー「イケメンで頭の回転もよく話上手で 運動神経抜群で才能の塊ってスペックで、」
せんせー「両親はそんな弟のほうを溺愛しちゃうのよ」
せんせー「そんな両親の様子を見た将軍家の家臣も 弟君が跡継ぎで決まりだな、 家光様はイラナイ子、って態度を取るのよ」
ぶちょー「うわぁ、可哀想・・・」
るる「ショック受けそう、家光・・・」
せんせー「ええ、家光公のメンタルはズタズタで 自殺未遂を起こしちゃっているわよ」
せんせー「そんな事態を知ってしまった家康公は 家光親子や関係者の前に突如姿を現し、」
せんせー「「徳川家の跡継ぎは家光に決まっている!  家光を跡取りとして大切に扱え」 そう一喝したことで家光公は救われるのよ」
るる「お祖父ちゃん、カッコイイ」
ぶちょー「確かに、そんなことがあれば、 父親よりも祖父の家康を好きになりますね」
せんせー「そう、このことが切っ掛けとなり、」
せんせー「家光公は、家康公への敬意の念を 高めていくのよ」
せんせー「武士の頂点に君臨する祖父を慕い続け、 自身も立派な武家の跡取りとなるべく、 家光公は・・・」
ぶちょー「武芸や学問に懸命に励んだのですねっ!」
せんせー「・・・ということは無く、」
せんせー「ただひたすらに男色趣味に溺れていくのよ」
るる「男色将軍サマだー♪」
ぶちょー「・・・なんでそうなるのですか」
  そんな家光の性嗜好については、また次回

次のエピソード:ヤンデレ様の恋心

コメント

  • 鏡餅の件、勉強になりました。さすがは生まれながらの将軍・家光。性癖に難ありなのに、業績はちゃんとあげてるんですよね。

  • ぶちょーとるるちゃん😊💕るるちゃんの容赦ないツッコミ好きです🥰全然細いよぶちょー!!せんせーも大好き💖💖クラシックもですが歴史にも明るく無いのでほんと勉強になります🥹💖家光公…男色に溺れたのか…ニチャア…

  • るるちゃんの事あるごとに、ぶちょーへ喧嘩売るスタイル嫌いじゃないです☺️
    鏡餅って年神様の依代だったんだと思いつつ、家光公の登場には驚きました😊
    コミュ症、偏食、病弱、内向的な上に自殺未遂まで起こしていたなんて、色々と大変な人だったんでしょうね😰
    家光公の男色、、、武士社会では当たり前とはいえ、将軍クラスとなると、どうなるのか、、、次の話も拝見させていただきます!

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