勇者にはほしい才能がある

東龍ほフク

26/エルム・ナキュ⑤干物や婆や兎やら既視感祭り(脚本)

勇者にはほしい才能がある

東龍ほフク

今すぐ読む

勇者にはほしい才能がある
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇怪しげな酒場
オージュ・ウォゲ「はぁ?! 港でエルムうんこが そんな暴露を?!」
シグ・スヌゾィ「そうなんだよ! 港で人目もはばからずに 「実は既婚者ですぅ、行きたくない ですぅ!」って泣き叫びやがって!」
オージュ・ウォゲ((1番恥ずかしダサい事をしている  ではないか‥‥‥))
シグ・スヌゾィ「そうだ、オージュ殿 あの壁のポスターを見たか?」
オージュ・ウォゲ「ん?」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「『クァド・ベミ社 主催・ホラー小説大賞』 ‥‥‥‥‥?!」
オージュ・ウォゲ「興味はあるが‥‥‥全然知らん出版社‥‥‥!!!」
シグ・スヌゾィ「という事は、お前がこれから大きく していくしかないんだな✨」
オージュ・ウォゲ「おだてても、おごらんぞ?!」
オージュ・ウォゲ((しかし、そういう考えもあるか‥‥‥))
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥」
シグ・スヌゾィ「お、招集だ。行こうぜ」
オージュ・ウォゲ「あぁ‥‥‥」
オージュ・ウォゲ((目的が出来ると、途端に他の事が 億劫に思えるな‥‥‥))
店員「ちょっと、そこの黒いお客さん!  全員ぶんのお勘定!」

〇湖畔の自然公園

〇けもの道
???「あれぇ?」
禁煙中兵士「アニキ先生、お1人でどこへ?」
禁煙中兵士「うんこですか?」
禁煙中兵士「いや、うんこにしては荷物が多いな‥‥‥」
エルム・ナキュ「‥‥‥キミ、さっきまで泥酔してなかった?」
禁煙中兵士「あ。オレ、1回ションベンしたら もう 酒全部 抜けるんすよ」
エルム・ナキュ「そ、そう‥‥‥」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「置き手紙は書いてきたんだけど‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「この際だから、直接伝えておくね」
エルム・ナキュ「ちょっと、自分1人で魔物討伐に 行ってくるよ」
禁煙中兵士「えっ‥‥‥」
エルム・ナキュ「行動する人数が多すぎると、私ちょっと 動きづらいんですよね」
エルム・ナキュ「だから、他の人達は私の後を追うような 感じで街の復興のお手伝いやら してきてください」
エルム・ナキュ「── 私、早く魔物討伐を終わらせて 国に直行直帰したいんですよね」
禁煙中兵士「‥‥‥‥‥‥」
禁煙中兵士「‥‥‥いくら先生が強いといえど、 さすがに1人は危険では‥‥‥?」
エルム・ナキュ「別に大丈夫だよ 先程までの戦いで、この土地の魔物の 強さは大体わかったし」
禁煙中兵士「‥‥‥‥いや、なぁんか先生を1人に するの不安だなぁ‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「私、強いし料理も出来るしな パーフェクトイケメンなんだけど?」
禁煙中兵士「それはそう、なんですけど‥‥‥」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥じゃあね」
禁煙中兵士「‥‥‥‥‥‥」
禁煙中兵士「俺、クソザコ弱者だから先生にとっては お荷物になるかもしれませんが‥‥‥」
禁煙中兵士「差し出がましいですが、よろしかったら 『話し相手』として同行いいでしょうか」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「は?」
禁煙中兵士「先生が心折れそうな時、病みそうな時に 支えてあげたいと思うのです」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「はぁ?」
エルム・ナキュ「私は陰キャだから、周りに人がいる方が 迷惑で病むきっかけになるよぉ」
エルム・ナキュ「私に『危機の時も心折れそうな時も 病みそうな時も』ないよ」
エルム・ナキュ「いつも"プリティーチャーミングな先生" だよ♪」
禁煙中兵士「‥‥‥いつもオージュさんに怒られたり 心配されてる分際で何言ってるんスか」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「君は、人間が“1つの面”しかないとでも 思っているのかい?」
エルム・ナキュ「人物Aが、友人Bが"いる時といない時"で 思考や行動が変わらないとでも 思ってるの?」
エルム・ナキュ「やる時はちゃんとやるよぉ? 私」
禁煙中兵士「‥‥‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「‥‥‥キミ、今年のアググ・リシュケ大賞の ラインナップについてどう思った?」
禁煙中兵士「え‥‥‥?」
エルム・ナキュ「佳作の中にさ、とってもアググ先生に 影響受けてるっぽい作風の推理ファンタジー 書いてる人いてさ」
エルム・ナキュ「読者を突き放すような文面で絶望を 振りまいてるくせに、キャラは希望的観測論ばかりでそのチグハグさがさぁ‥‥‥」
禁煙中兵士「す、すみません その本、知りません‥‥‥」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「あ。じゃあ、やっぱりキミ失格」
微笑エルム・ナキュ「強くもないわ、本の話も出来ないわなのに 『仲間』として同行されても うっとうしいだけだよ」

〇空
  というわけで、私は1人で行動する事にしました。
  やる事はちゃんとやっていくのだから、
  別に単独行動いいじゃない。
  気がラクさ。

〇山の中
エルム・ナキュ「大丈夫ですぅ?」
モブ「ひぃい‥‥‥死ぬかと思ったァ‥‥‥! ありがとうございますだ‥‥‥!」
モブ「おかげで助かりましただ‥‥‥(ゼェハァ)」
モブ「よろしかったら、お礼にコレを‥‥‥」
エルム・ナキュ「あ、ありがとうございます‥‥‥!」
干物の行商人「ウチは代々、干物を作って各地で 売りさばいていましてねぇ」
干物の行商人「ウチが死んだら、干物の味が 絶えちまうところでしたさァ‥‥‥!(泣)」

〇黒

〇寂れた村
エルム・ナキュ「何コレぇ? キモォイ‥‥‥」
エルム・ナキュ「大丈夫ですか? お嬢さん」
ワダィ・チュクリ「あぁっ、あっ、あっあっ‥‥‥‥‥💦」
ワダィ・チュクリ「す‥‥‥好きじゃあ!!!!!!!」
ワダィ・チュクリ「わ、若い頃の、死んだ爺さんの5万倍 かっこよ‥‥‥‥‥ひぎぃ‥‥‥‥!」
エルム・ナキュ「お、お爺さんに失礼ですよ‥‥‥?」
ワダィ・チュクリ「け、結婚してくれぇ!!!!!」
エルム・ナキュ「よ、嫁も子供もいますので‥‥‥」
ワダィ・チュクリ「愛人でエェから!!!!!!!」
ワダィ・チュクリ「‥‥‥‥‥」
ワダィ・チュクリ「す、すまない‥‥‥  年甲斐もなく、つい興奮してもぅた‥‥‥」
エルム・ナキュ「い、いえ‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「すごく若々しいですねぇ‥‥‥ 羨ましい限りです」
ワダィ・チュクリ「え‥‥‥?」
エルム・ナキュ「そんなストレートに好意を伝えられる なんて、素敵な事ですよ」
エルム・ナキュ「私、妻にしどろもどろでしか 愛を伝えていないような気がします‥‥‥」
ワダィ・チュクリ「‥‥‥‥‥‥」
ワダィ・チュクリ「愛人でエェからぁ!!!!!!!」
エルム・ナキュ「えーと‥‥‥来世で会えたらいいですねぇ」
エルム・ナキュ「では!!!」
ワダィ・チュクリ「‥‥‥‥‥‥」
ワダィ・チュクリ「この、たぎる想い‥‥‥」
ワダィ・チュクリ「日記を書いて消化じゃあ!!!!!」
  その後、ただの日記は壮大な恋愛夢小説へと
  発展し‥‥‥とんでもない大作となる。

〇黒

〇崩壊した噴水広場
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥‥」
気のいいおじさん「ぉおおおお!!!!! 兄ちゃん! 細いのにスゴイなぁ!!!!!」
エルム・ナキュ「いえいえ、それほどでもぉ〜」
気のいいおじさん「隣大陸から来た助っ人兵士って、 もしかして兄ちゃんの事かい?」
エルム・ナキュ「あ、そうですねぇ」
気のいいおじさん「いやぁ〜‥‥‥凄いねぇ、ありがたいねぇ‥‥‥」
気のいいおじさん「そうだ!  よかったら、ウチの唐揚げ食べてよ!」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥(もぐもぐ)」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥お〜いしぃ〜‥‥‥!」
エルム・ナキュ「えっ、衣ウマッ‥‥‥ヤバっ‥‥‥(もぐもぐ) お肉の味も‥‥‥(もぐもぐ)」
気のいいおじさん「えへへ〜でしょお〜?」
エルム・ナキュ「この味付けの秘密は‥‥‥?!」
気のいいおじさん「ダメダメ! リュンファン家の唐揚げの 隠し味は教えないよぉ!」
気のいいおじさん「黙秘!!!!!」
エルム・ナキュ「でも、本当に美味しいですよねぇ‥‥‥ お店やったら売れるんじゃないですか?」
気のいいおじさん「‥‥‥どうしようかな」
気のいいおじさん「実は、材料もろもろの問題で ソッチの大陸に移り住もうかなぁ と考えてて」
エルム・ナキュ「来ちゃえばいいんじゃないですかぁ?」
気のいいおじさん「‥‥‥‥‥」
気のいいおじさん「行っちゃおうかなぁ!」
エルム・ナキュ「来ちゃえ来ちゃえ〜♪」

〇血しぶき

〇森の中
エルム・ナキュ「‥‥‥」
エルム・ナキュ「(裏声)『ねぇ、ナキュせんせぇ! 最近‥‥‥本を読んでなくない?』」
エルム・ナキュ「そうだねぇ‥‥‥ ずっと戦闘ばかりしちゃってる」
エルム・ナキュ「(裏声)『執筆もしてないよ! サボらないで、次作のぶんを書きなよ!!』」
エルム・ナキュ「本当にそうなんだけどね‥‥‥ でも、書く気が起こらなくて‥‥‥」
エルム・ナキュ「(裏声) 『戦いすぎでは? 休んだほうがいいよ!』」
エルム・ナキュ「それはわかってるんだけどね‥‥」
エルム・ナキュ「私が休んでいる間に、助ける事が出来た人を 助けられなかったらと思うと‥‥‥」
うさぎ魔物「‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「(裏声)『先生、根を詰めすぎ‥‥‥』」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥!////////」

〇アマゾンの森
照れナキュ「どっから見てたっ!!!!!////////」
照れ死にしそうなナキュ「待てっ!!!!!」

〇洞窟の入口(看板無し)
エルム・ナキュ「なんだぁ?  この腹立つウサギの魔物‥‥‥」
エルム・ナキュ「数が多いし、それにここは‥‥‥」
エルム・ナキュ「巣‥‥‥?」
???「どうだ、すげぇ“巣”だろ‥‥‥」
エルム・ナキュ「ほょ?」
農民さん「それ‥‥‥その魔物らの糞の固まりなんだぜ‥‥‥」
エルム・ナキュ「う‥‥‥」
エルム・ナキュ「うんうんの塊‥‥‥?!」
農民さん「‥‥‥奴らは草食だから、あまり 臭くねぇ糞なのが幸いだけどよ‥‥‥」
農民さん「うっ‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「あのウサギ共‥‥‥なんてヒドイ‥‥‥!」
エルム・ナキュ「私がなんとかしましょう!!!」
農民さん「‥‥‥‥‥」
農民さん「気持ちはありがたいが、どうやってだ‥‥?」
エルム・ナキュ「えーと‥‥‥」
  ※先生、メモ帳に何か描き描き中
エルム・ナキュ「こう!」
エルム・ナキュ「土ごとひっくり返しちゃえば、 うんうんが肥料にもなって一石二鳥です!」
農民さん((この人、頭 大丈夫なのかな‥‥‥))

次のエピソード:29/エルム・ナキュ⑧離婚の慰謝料

コメント

  • どこかで聞いた名字の男性がいらっしゃるのですが…!?( ; ゚Д゚)
    まさか元々そちらのご出身でこんな縁があって移り住むことになったとは。彼らの出会いの一因は先生だったんですね…!様々な要素が繋がってくの面白いです。そして先生のメンタルがめちゃくちゃ心配です。早く解放されてほしいですね…。

  • 最新話まで追い付きました✨️
    『あの時のアレが実は…』とリンクしていく、先生サイドのストーリー…めちゃ楽しいですね😆
    なにやらギン氏とも重なる展開の数々…🤔
    しかしながら孤独を選んだ先生と、“話せる相手”に恵まれたギン氏との対比が深い…!!
    また執筆できるようになるのか…復活のヒントはまさか相棒に…!?
    これからも応援しております✨️
    (運営とは価値観の違いが決定的になりXは鍵垢にしました)

  • ギン氏が辿った道は過去に先生が絡んでいた道って素敵🥹✨先生が黒ウサの💩巣を地中に納めたらその後何年かかけてまた桃ウサが💩しまくるのでしょうか😂
    スチルも大量で豪華な回ですね〜💓
    黙秘な男が気になりつつ…2月まで更新お待ちしております🥰

成分キーワード

ページTOPへ