第十三話 姫様の選択(脚本)
〇溶岩池のある洞窟
アルル姫(どうしたらいいの?)
アルル姫(でも・・・ 私はガブ様のためにここまで来たのよ)
アルル姫(だから──)
アルル姫「私は・・・」
アルル姫「ガブ様のことを、救いたい」
アルル姫「いいわ、取引に応じる」
アレク(庭師)「アルル!」
魔物「ほう?」
アルル姫「その代わり 先にガブ様──ガブリエル様を開放して!」
ヤコブ隊長「・・・」
魔物「ならば、もっとこちらへ来い」
アレク(庭師)「やめろ、アルル!」
アルル姫「いいの、アレク。 だって──」
アルル姫「私の母親は、魔物なんでしょう? だったら、私は魔物の元に帰る」
アレク(庭師)「で、でもよ・・・」
アルル姫「大丈夫よ。──家族、だもの」
ノア(絵描き)「アルル姫・・・」
アルル姫「私が本来あるべきの場所に戻るだけよ」
ルーラ(女騎士)「アルルちゃん」
アルル姫「それに、兄弟が一緒にいた方がいい」
アルル姫「ガブ様とアレクも家族なんでしょ?」
アレク(庭師)「・・・!」
アルル姫「来たわよ ガブリエル様を開放して」
ガブリエル騎士団長「アルル姫・・・」
アルル姫「私・・・ガブリエル様のこと ずっとずっと応援しています」
ガブリエル騎士団長「・・・はい」
魔物「アルル、もっとこちらへ来い!」
アルル姫「ええ」
アレク(庭師)「アルル――!」
アルル姫(さようなら、みんな)
アルル姫(さようなら、人間界)
アルル姫(さようなら・・・私の旦那さん)
アルル姫「あ、あっ・・・あーーーっ!」
アレク(庭師)「アルル!?」
ヤコブ隊長「・・・」
魔物「魔界のパワーを送り込んだだけで ここまで姿が変わるなんてな」
魔物「アルル、お前はやはり魔界の子だ」
〇溶岩池のある洞窟
ルーラ(女騎士)「アルルちゃん・・・」
アレク(庭師)「おい、お前はこれでいいのかよ!」
ヤコブ隊長「・・・」
ヤコブ隊長「構わぬ これで世界が平和になるのなら」
ヤコブ隊長「帰るぞ」
アレク(庭師)「マジかよ・・・」
「・・・」
「おっと、ヤコブ」
ガブリエル騎士団長「あなたをここで返すわけにはいきません」
ヤコブ隊長「ガブリエル・・・?」
ガブリエル騎士団長「人間界で一番強い人間が 二人も同時にいるなんてチャンスですからね」
ヤコブ隊長「何・・・?」
ガブリエル騎士団長「強くなったみたいですね、我が弟よ」
アレク(庭師)「・・・どうしたんだ? 兄貴」
ガブリエル騎士団長「ヤコブ、アレク 私と一緒に魔王様に仕えませんか?」
アレク(庭師)「・・・は?」
ガブリエル騎士団長「この人間界は── 近い将来、魔王様が支配します」
ガブリエル騎士団長「人間は死に絶え いずれ人間界も魔界と化する──」
ガブリエル騎士団長「魔王様が描いておられるのは そんな未来なのですよ」
ヤコブ隊長「貴様、何を言っている」
ガブリエル騎士団長「簡単なことです 今、魔王様に仕えればあなたたちは 殺されずに高い地位を得られる──」
ヤコブ隊長「アルルを魔王に返したら 魔界は人間界に干渉しない約束だろう」
魔物「はっはっは!」
魔物「それはあの阿呆な国王と魔王様の約束 今、アルルが交わしたのは私との取引だ」
魔物「アルルの持つ力は魔界でも珍しい 殺生の力 それを魔界が得たということは──」
ガブリエル騎士団長「──応用すれば 人間を死に絶えさせることが可能」
ガブリエル騎士団長「──つまり 人間の世界は終わりということです」
アレク(庭師)「兄貴・・・?」
ガブリエル騎士団長「魔界にとって力を持つ者は脅威です 本当は排除してしまいたい──」
ガブリエル騎士団長「ですが、魔王様はあなたたちを 死なせてしまうには惜しいと考えています」
ガブリエル騎士団長「ヤコブ、アレク あなたたちは特別に──」
ヤコブ隊長「貴様・・・」
ガブリエル騎士団長「おっと、 私は戦うつもりはありませんでしたが──」
ガブリエル騎士団長「そういうことなら、喜んで」
アレク(庭師)「兄貴、やめろ!」
アレク(庭師)「兄貴は人間だろ? なんで魔物の味方なんて──」
ガブリエル騎士団長「簡単なことですよ、アレク」
ガブリエル騎士団長「結局この世界はね──」
ガブリエル騎士団長「『強い者が勝つ』んですよ!」
ガブリエル騎士団長「くっ!」
ガブリエル騎士団長「さすがの攻撃力ですね、ヤコブ」
アレク(庭師)「兄貴、魔物の味方なんかすんなよ!」
ノア(絵描き)「ヤコブ殿、アレクさん!」
ノア(絵描き)「アルル姫が・・・」
ヤコブ隊長「アルル・・・」
ヤコブ隊長(魔物のくせに・・・なぜ泣くんだ・・・)
ヤコブ隊長「う・・・っ」
ガブリエル騎士団長「ヤコブ よそ見はいけないと教えませんでした? 騎士として、基本中の基本ですよ」
ガブリエル騎士団長「はぁぁぁあ!」
アレク(庭師)「はぁっ!」
ガブリエル騎士団長「う・・・っ!」
アレク(庭師)「てめえ、よそ見なんかすんなら 最初からアルルを止めろよな!」
アレク(庭師)「早くアルルのところに行け! 兄貴のことは俺が止める!」
ヤコブ隊長「だが・・・」
ノア(絵描き)「アレクさんは僕が助太刀します!」
ルーラ(女騎士)「ヤコブ! 私たちの可愛い家族を助けに行くよ!!」
ヤコブ隊長「・・・」
アレク(庭師)「どっちにしろ人間がおじゃんになるなら アルル助けるしかねーだろ! ほら行け!」
ヤコブ隊長「・・・こっちは任せた」
〇溶岩池のある洞窟
ガブリエル騎士団長「く・・・っ!」
ガブリエル騎士団長「おしゃべりをしている 余裕もあるだなんて・・・」
ガブリエル騎士団長「本当に強くなっのですね、アレク さすが私の弟です。 ぜひ私と一緒にこの世界を率いる──」
アレク(庭師)「ふっざけんな!」
アレク(庭師)「俺の大好きだった兄貴は 正義感が強くて優しくて・・・」
アレク(庭師)「何が何でも人を守る、そんな人だった!」
アレク(庭師)「今の兄貴は兄貴じゃねえ! 兄貴面すんなよ!」
ガブリエル騎士団長「アレクは頭が悪いようですね 強い者が勝つ だったら勝者の側にいたほうがいい──」
ガブリエル騎士団長「そんな単純なことも分からないのですか?」
アレク(庭師)「・・・どっちが強いか? そんなの、関係ねえ」
アレク(庭師)「『守りたいものを守るのが本当の強さだ』 って兄貴が言ったんだろ!」
アレク(庭師)「だから、俺は守りたいものを守る!」
ガブリエル騎士団長「ふっ・・・」
ガブリエル騎士団長「きれいごとだ!」
ノア(絵描き)「僕の剣が・・・」
アレク(庭師)「ノア、後ろ!」
ノア(絵描き)「わぁ!」
アレク(庭師)「ノア・・・固まっちまったのか?」
ノア(絵描き)「・・・」
ガブリエル騎士団長「分かったでしょう、アレク 力のない者はこうやって 怯えることしかできないんですよ」
アレク(庭師)「な・・・っ!」
ガブリエル騎士団長「私の提案に従わないなら、消すまで その力は惜しいですが、ここでお別れです」
ガブリエル騎士団長「さようなら、アレクサンドル!」
アレク(庭師)(やべっ!)
アルル姫の首筋だけでなく、顔にまで鱗をつけるのは何故だろうと思っていたのですが、
変身後のキャラと合わせるためなんですね!!
演出が細かくてとても良かったです。
本音を言わぬヤコブが、姫の涙に反応する人物の描き方も参考になります。
ガブリエルが生きてるだけでも意外なのに、
さらに裏切っているところが、さすがに展開がお上手だと思いました😄
アルル姫~!!なんという立派な姿に!!😱💥
そして推しのそんな姿……つらすぎる…………😭
何か裏があるんじゃないの?違うの?本当に寝返っちゃったの~??
なんと!ガブ様が魔王側に寝返ってましたか!😱💦
それはアルル姫も悲しくて泣いちゃいますよねー!😭
アルル姫の魔物姿がすごく強そうで、次回はアルル姫が活躍してくれるのか気になるところです!✨
次回も楽しみにしてます!