姫様の推し事!

朝永ゆうり

第十二話 仲間割れ(脚本)

姫様の推し事!

朝永ゆうり

今すぐ読む

姫様の推し事!
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇岩山
アレク(庭師)「アルルはちゃんと人の心をもった人間だ! だから、結婚だって──」
ヤコブ隊長「ふん 貴様がそのつもりなら、相手になってやる」
ルーラ(女騎士)「ちょっと、ヤコブまで・・・」
ノア(絵描き)「お二人とも、落ち着いてくださ──」
「はぁぁぁあ!」
ヤコブ隊長「やはりガブリエルに劣らぬ力──」
ヤコブ隊長「こんなことではなく実践で活用しろ」
アレク(庭師)「俺にとっては こっちの方が実践なんだよ!」
ルーラ(女騎士)「ノアくん、アルルちゃんを!」
ノア(絵描き)「ええ、避難させましょう」

〇岩の洞窟
アルル姫「・・・んん」
ノア(絵描き)「アルル姫!」
ルーラ(女騎士)「よかった、本当になんともないみたいね」
アルル姫「あの、私はどうして・・・」
ルーラ(女騎士)「倒れたのよ アルルちゃんの中にある 秘められた力を使ってしまったせいで」
アルル姫「秘められた・・・力・・・?」
ノア(絵描き)「・・・アルル姫」
ルーラ(女騎士)「アルルちゃん そのストール・・・絶対に取っちゃだめよ」
アルル姫「私の首・・・ どうかしたんですか・・・?」
ノア(絵描き)「あー・・・」
アルル姫「ノア? ねえ、何が起こってるの!?」
アルル姫「教えてよ! 私だけ分からないなんてもう嫌!」
アルル姫「私は何も見えないし、力もない だから、皆と同じように動けない・・・」
アルル姫「そんなの嫌なの!」
アルル姫「だから・・・教えて・・・?」
ルーラ(女騎士)「・・・アルルちゃんの話 アレクから聞いたの」
アルル姫「私の話・・・?」
ノア(絵描き)「アルル姫が、呪いの子── 魔物の子供である、ということです」
アルル姫「魔物の子? そんなの嘘よ!」
アルル姫「私は 小さな村のおばあさんに育てられて──」
アルル姫「私の両親は・・・あれ・・・」
アルル姫「──分からない・・・」
ルーラ(女騎士)「そっか アルルちゃん自身も 知らなかったのね・・・」
アルル姫「教えてくれませんか? アレクから聞いたって言う、私の話──」
「・・・」
ルーラ(女騎士)「・・・そうよね 本人が一番知るべきだわ」
ノア(絵描き)「・・・実は──」

〇岩の洞窟
ノア(絵描き)「──ということです」
アルル姫「そんな・・・」
ルーラ(女騎士)「それで、うちの馬鹿弟が アルルちゃんを魔物に引き渡すって 言うから、アレクが怒っちゃって──」
アレク(庭師)「てめーに負けてたまるか!」
アルル姫「もう・・・勝手なんだから!」
「アルルちゃん!?       アルル姫!?」

〇岩山
アルル姫「ちょっと二人とも!」
アルル姫「勝手に話進めないでよ! 私のことは、私が決める!」
アルル姫「私は物じゃないし、道具じゃない! 私は私なの!」
ヤコブ隊長「・・・なら、貴様はどうするつもりだ」
アルル姫「私は、魔物の言いなりになんてならない! 絶対にガブ様の敵を討つの!」
ヤコブ隊長「それが、自分の母親であってもか?」
アルル姫「・・・」
アレク(庭師)「てめー、その言い方は卑怯だろ!」
ヤコブ隊長「事実だ」
アレク(庭師)「この、人でなし! てめーの方が魔物だ!」
アレク(庭師)「はぁ!」
ヤコブ隊長「現実を見ていない 理想論と感情論だけのヤツは 単細胞生物に同じだ」
アレク(庭師)「な・・・っ!」
ヤコブ隊長「考えてみろ」
ヤコブ隊長「アルルを魔物に引き渡すのと ガブリエルのように 魔物を倒そうとする──」
ヤコブ隊長「どちらの方が この世を確実に平和にできると思う」
アレク(庭師)「・・・くっそ!」
ルーラ(女騎士)「ちょっと、バカ弟! 言い過ぎじゃないの!」
ノア(絵描き)「る、ルーラさんも落ち着いて」
アルル姫「私は・・・」
ルーラ(女騎士)「アルルちゃん?」
アルル姫「私は、こんなところで言い争ってないで 早く火山のところに行きたいです! だって──」
アルル姫「だって、 私を引き渡すのと、私が魔物を倒すの どっちでも、結果は同じでしょ?」
アルル姫「だったら、早く行きましょうよ! どっちにしろ、火山の魔物のところに 行かないといけないんだから!」
アレク(庭師)「アルル お前旦那に見捨てるって言われて──」
アルル姫「今はそんなことどうでもいいの」
アルル姫「火山の魔物のところまで行く」
アルル姫「私は、ガブ様の敵討ちにきたんだから!」
ヤコブ隊長「・・・聡明な判断だ。行くぞ」
アルル姫「ええ、行きましょう」
アレク(庭師)「あ、おい・・・」
ルーラ(女騎士)「アレク・・・」
アレク(庭師)「ちっ 行くしかねーか」

〇溶岩池のある洞窟
アルル姫(ここが・・・)
アルル姫(・・・ガブ様が、亡くなった場所)
???「来たな、アルル姫」
アルル姫「え? 今──」
ヤコブ隊長「貴様、姿を現せ!」
アルル姫「あなたが、ガブ様を──」
ルーラ(女騎士)「アルルちゃん、魔物が見えるの?」
アルル姫「あ、そういえば・・・何で見えるの?」
アルル姫「──ガブ様に対する怨念かしら?」
魔物「そんなわけないだろう お前の身体の中に眠る 魔物の部分が発現し始めたからだ」
アルル姫「魔物の部分が、発現・・・」
魔物「首元の鱗が何よりの証拠だ」
アルル姫「鱗なんて・・・」
アルル姫(やっぱり私には、魔物の血が流れてるのね)
魔物「さあアルル、こちらに来い」
アルル姫「私は──」
アレク(庭師)「アルルは絶対にお前らなんかに渡さない!」
アルル姫「アレク!」
アレク(庭師)「アルルは下がってろ!」
アレク(庭師)「はぁぁぁあ」
魔物「おっと」
魔物「・・・なかなかな腕だな 面白くなりそうだ」
アレク(庭師)「な・・・っ!」
「・・・っ!」
魔物「アルルは本来魔界のもの ──人間界にいるべきではない」
魔物「なのに あの阿呆な国王が人間界に連れ去った」
魔物「魔界に戻れ、アルル 魔王様のご命令だ」
アルル姫「私は戻らない! あなたを倒して、魔界との入り口を──」
魔物「これを見てもそう言えるかな?」
ガブリエル騎士団長「・・・」
アルル姫「ガブ様!」
アルル姫「何で? ガブ様はお亡くなりになったって・・・」
ヤコブ隊長「一年以上音沙汰もなく 騎士団に戻らなかった。 死亡とみなしておかしくないだろう」
アルル姫「何よ、それ・・・!」
魔物「アルル お前はガブリエルの虜だそうだな。 どうだ、取引をしようじゃないか」
アレク(庭師)「何だよ、取引って!」
魔物「私と共に魔界へ来い そうすれば、ガブリエルを開放する」
アルル姫「私が・・・」
ガブリエル騎士団長「・・・アルル姫」
アレク(庭師)「そんなのに乗るな、アルル!」
ヤコブ隊長「・・・」
「・・・」
アルル姫(どうしたらいいの?)
アルル姫(でも・・・ 私はガブ様のためにここまで来たのよ)
アルル姫(だから──)
アルル姫「私は・・・」

次のエピソード:第十三話 姫様の選択

コメント

  • わー!いいところで終わりますね!😂
    ガブ様一年もずっと囚われの身でいらしたんですね!
    アルルも気になるけど、朝永さんの反応がwwwオタクの鏡すぎますwww🤣

  • わー!!✨ガブ様がっ!!✨生きてましたっ!!(´⊙ω⊙`)✨これは嬉しい驚きです!!✨

    けどアルル姫ピンチですね!!😱ヤコブも引き渡すと言ってますが、本当にそうしようとするのか??アレクの想いはどうなっていくのか??今後も目が離せませんね!!

    続きが気になります!!✨😆

  • まさかの展開にゾクゾクしました……ガブ様……😱
    そして、回を追うごとにたくましくなるアレクくん、、目が離せません😊
    次回、アルル姫がどのような決断を下すのか、気になって仕方ないです✨

成分キーワード

ページTOPへ