勇者にはほしい才能がある

東龍ほフク

24/エルム・ナキュ③ケツは素手で拭け(脚本)

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〇刑務所の牢屋
オージュ・ウォゲ「まさか、お前が自ら牢屋にこもって 武芸の自主特訓するとはなぁ‥‥‥」
エルム・ナキュ「今まで、感覚でしか戦ってきて なかったからね‥‥」
エルム・ナキュ「ちゃんと、頭を使って戦わなきゃ いつか誰かが困るよね‥‥‥っていう」
エルム・ナキュ「こんな事になるのなら、もっとクソ親父の 鍛錬をマジメに聞いておけばよかったな‥‥‥」
エルム・ナキュ「あっ。ホラ、武術書っていう『本』を 読んでるから楽しいよ!」
エルム・ナキュ「楽しいよ! うん‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「大臣の事は、あまり気にするなよ 別に死んだわけじゃないし」
エルム・ナキュ「間近でソレを目撃してた君が、 そんな冷めてるの‥‥‥?」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥私が読むホラー小説、あれくらい よくある事だからかな」
オージュ・ウォゲ「むしろ、足1本でワガママな王と離れる 事が出来て安いものでは?」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥」

〇空

〇荒廃した市街地
エルム・ナキュ「うーん、魔物多い×2」
エルム・ナキュ「ふぅ〜〜〜」

〇荒廃した市街地
エルム・ナキュ((うーん‥‥‥剣術本の知識完全スルーで 体が勝手に動いちゃってるなぁ‥‥‥))
((頭使うの、向いてないのかなぁ‥‥‥‥))
???「あのぉ‥‥‥‥」
本好きのコ「エッ、エエエエエルム・ナキュ先生ですか?」
エルム・ナキュ「あっ。サイン会の、どもりっ子ちゃん?」
本好きのコ「こ、ここここの魔物の群れ、 先生が倒したんですかかか?」
「あっ、はい‥‥‥」
「す、すみません‥‥‥ 町をこんな汚しちゃって‥‥‥」
本好きのコ「な、何を気にする事があるのですか?!」
本好きのコ「先生のおかげで私たち、町の皆が 助かっているじゃないですか!」
本好きのコ「魔物の死体も血しぶきも、先生が してくれた事に比べたら全然‥‥‥ですよ!」
「あ‥‥‥うん、ありがとうございます‥‥‥」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥」
「あの、本当にごめんね‥‥‥?」
本好きのコ「な、何がです?」
エルム・ナキュ「男だった挙句に、ファンの目の前で こんな汚い返り血まみれで‥‥‥‥」
「『エルム・ナキュ』のイメージを‥‥‥‥ こんなにも壊してしまって‥‥‥」
本好きのコ「そんな事、気にしないで下さい‥‥‥‥!」
本好きのコ「そうだ、先生! この本を知っていますか?」
本好きのコ「最近 発売された本で、時計塔を巡っての 恋愛短編集なんですよ!」
本好きのコ「これを読むと、すごく心がホッコリして 元気が出るんですよ!」
本好きのコ「お忙しい先生だと思いますけど、 よろしかったら空き時間にでも‥‥‥」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「わぁ、嬉しい‥‥‥」
「本屋にも行けてなかったし、 剣術の本や魔物の内臓本しか読んで なかったから癒やされるぅ‥‥‥」
「‥‥‥えへへぇ」
「‥‥‥あ。いつ返せばいいですかねぇ‥‥‥」
本好きのコ「いいです いいです! 差し上げますよぉ!」
エルム・ナキュ「‥‥‥ありがとうございます」
「‥‥‥‥えへへぇ‥‥」

〇戦地の陣営
エルム・ナキュ「ねぇ、オージュう〜 ファンの人からオススメの本 いただいちゃったぁ〜」
オージュ・ウォゲ「お前!!! 肩、ぱっくり裂けてね??!!」
エルム・ナキュ「あれぇ? 一発でバレちった‥‥‥」
エルム・ナキュ「返り血にまみれてるからパッと見は わからないだろうに‥‥‥(笑)」
エルム・ナキュ「‥‥‥気付いてくれたんなら、 じゃあ回復してよぉ」
オージュ・ウォゲ「やかましい!  お前、回復したらまァた無理するから ヤなこった!」
オージュ・ウォゲ「しばらく、死にかけのまま休め!!!💢」
  ※無茶苦茶である
エルム・ナキュ「‥‥‥じゃあ、治療してくれたら 安静にするからっ」
エルム・ナキュ「ねっ? ねっ?」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥あまり寝てないだろ? これを機に休めよ?」
オージュ・ウォゲ「本は禁止。置いてけ」
  ※そこらに投げ置かれる本
  ※休憩室に引きずられていくエルム先生
???「‥‥‥!」

〇黒

〇戦地の陣営
エルム・ナキュ「イェ〜イ! 私、復活ぅ〜」
エルム・ナキュ「さっき頂いた本、読もぉ〜っと♪」
オージュ・ウォゲ「貴様ぁ!「安静にする」言うたやろがぃ!!!!」
エルム・ナキュ「イェ〜イ! 元気になったら コッチのものぉ〜♪」
オージュ・ウォゲ「くっそ‥‥‥お前にかけた回復魔法を なかった事にしてやりたい‥‥‥!」
エルム・ナキュ「あれ? ココに置いておいた本は?」
エルム・ナキュ「オージュ、本 食べた?」
オージュ・ウォゲ「人を何だと思ってるんだ?」
モブ君「本‥‥‥?」
モブ君「あっ。サーセン! エルム隊長のでした?」
エルム・ナキュ「えっ‥‥‥はい‥‥‥」
モブ君「すんません!  便所に紙がなかったので、慌てて ソコにあった本を持っていって‥‥‥」
モブ君「ケツ拭きま‥‥‥‥」
  ※声にならない声
仲間の軍人「うわ?! エル隊長どうしたんすか?!」
仲間の軍人「何かスゲぇ癇癪(カンシャク)起こしてる?!」
慌てる仲間ら「と、止めろ止めろ!」
「「「「ぎゃあっ!!!!!!」」」」
オージュ・ウォゲ「落ち着け、アホォ!!!!」
電撃が腰に直撃したエルム・ナキュ「ぎゃあっっっっっっっ!!!!!!!!」
  ※床でもんどり打つエルム・ナキュ
長髪ぐちゃぐちゃナキュ「みんな‥‥‥ヒドイヨ‥‥‥」
床でグネグネするナキュ「ヒぃドぃイヨォオオ‥‥‥‥」
ナキュウウン「ケツなんかぁ‥‥‥手で拭けヨォオオ‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「だからといって、顔フルボッコはやめろよ」
オージュ・ウォゲ「せめて、腹とか‥‥‥アザが出ない、 骨のない箇所を殴れ」
((問題はソコじゃねぇ‥‥‥‥))

〇空

〇西洋の城

〇謁見の間
オウシ・ヤマ王「── 軍兵の諸君。 日々、国や周辺地域のために魔物を 討伐してくれて感謝致す‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「実は、遠方の兄弟国より 『魔物討伐の嘆願書』が来ておる」
オウシ・ヤマ王「我が国の威信をかけて、これはぜひとも 受けるべき頼みである」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥しかし、さすがに遠方。 帰還までに何年かかるかもわからん」
オウシ・ヤマ王「遠方に向かってもらうのは 『家族のいない者・独身者』に 限らせていただく」
「おぉ、それはありがたいな‥‥‥」
「うち、母ちゃんが病気だから 家をあんま離れられないんだよ‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「それ以外の者は、もちろん引き続き この国周辺の魔物を狩ってもらう」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥‥エルム・ナキュは遠方に 行ってくれるな?」
オウシ・ヤマ王「どうせ、独り者だろう?」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥はい!」
オージュ・ウォゲ「は?」

〇洋館の階段
オージュ・ウォゲ「いや、お前‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「もうすぐ子供が産まれるんだから、 遠方行きを断れたんじゃないか‥‥‥‥?」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「オージュ、そんな事が知られたら どうなると思う?」
オージュ・ウォゲ「?」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「『あんな、髪でろでろ伸ばしてナヨナヨ していてもヤる事はヤッてるんだな』って‥‥」
エルム・ナキュ「思われるじゃないかっっっ!!!!!!!!!」
エルム・ナキュ「恥ずかしいよ無理だよ無理無理無理💦 私にそんなイメージ付くの無理無理無💦 ヤる事ヤッてるって思われたくない💦」
  ※エルム先生は赤面した!
オージュ・ウォゲ「おっ前‥‥‥そんなくだらない理由で 嫁と、これから産まれるプリップリの 赤子を見逃す気か‥‥‥?」
エルム・ナキュ「あと『担当に手を出した』のも バレたくない‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「それも事実だから仕方ないだろ?」
エルム・ナキュ「やめてよぉおおおお!!!!!! 何か恥ずかしいんだよぉおおおお!!!!!!」
エルム・ナキュ「『エル先生、手近な女で済ませたんだぁ』 『ほのぼの純粋なの書いておいて ヤる事しっかりやってるのねぇ』」
エルム・ナキュ「とか!!!!!! 言われたくないっ!!!!!!」
オージュ・ウォゲ「ナイーブ気にしぃクソチキン本バカが‥‥‥」
床に寝転がるエルム・ナキュ「それに‥‥‥」
床のエルム・ナキュ「それがなくとも、行ったほうがいいでしょ」
床のエルム・ナキュ「私は」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥というか、数年?」
エルム・ナキュ「私が行けば、3日で終わるでしょ」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「そもそもの行き来に、3日以上かかるのだが」

〇木の上

〇城の回廊
オージュ・ウォゲ「悪いな 私は独り身だが、こっちに残る方に まわされちまった」
オージュ・ウォゲ「まぁ、優秀な魔導師は自国に いてほしいだろうからなぁ」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「何?」
オージュ・ウォゲ「髪をバッサリ切る前にさぁ、一言くれよ」
エルム・ナキュ「な、なんでよ」
オージュ・ウォゲ「私がいつか造ろうと思っている 『お化け屋敷』に飾りたかったのに!!!」
オージュ・ウォゲ「なんだよ、もったいねぇなぁ!!! くれよ! 和風ホラーの定番”長い黒髪”!」
エルム・ナキュ「し、知らないよぉ‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「というか、普通に短髪が似合わないな」
オージュ・ウォゲ「急にどうした 嫁とケンカでもしたか?」
エルム・ナキュ「髪は普通に「邪魔かな」と思ってで‥‥‥」
エルム・ナキュ「で、担当ちゃんには「平和の為に行かざるを えないんだ!」と言って、円満に出て きましたぁ〜」
オージュ・ウォゲ「まぁ‥‥‥『子供が出来たのバレるの 恥ずかしいから行ってきます』だ なんて言えないよなぁ」
エルム・ナキュ「言い方悪い!」
オージュ・ウォゲ「現にそうだろ、クソ野郎」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「そんなクソなお前をサポート出来ないのは 心苦しいから、餞別を用意してやったぞ」
エルム・ナキュ「えっ、何? そんな‥‥‥何か面白そうな本?」
  ※エルム先生の声にならない声
  ※エルム先生は藁人形を地面に叩きつけた!
オージュ・ウォゲ「いやぁ〜、いい反応だ(笑)」
エルム・ナキュ「なんだよ、嫌がらせかよ! このホラーヲタク!!!!」
オージュ・ウォゲ「造形は私好みだからアレだけどな ‥‥‥‥まぁ、とりあえず騙されたと思って 人形を肩に触れさせてみろ」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥」
  ※エルム先生は、藁人形を肩に触れさせた!
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「お、温熱効果‥‥‥? 肩こりメッチャほぐれる‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「目に付ければ眼精疲労解消の効果があるし、 傷口に付ければジワリと回復していくぞ」
オージュ・ウォゲ「ふふふ‥‥‥‥ 『不気味な見た目なのに持続性のある 聖治癒魔法をまとっている藁人形』 なんて‥‥」
オージュ・ウォゲ「ギャップ萌えが凄いだろ‥‥‥?」
エルム・ナキュ「‥‥‥見た目はアレだけど、ありがとう‥‥‥」
エルム・ナキュ「でも、これなら他の人にも 治癒魔法が使える感じで、いいかもね!」
オージュ・ウォゲ「あ。すまん その人形に”髪を練り混まれた対象にしか” 治癒の効果はない」
オージュ・ウォゲ「だが、そのぶん治癒効果は高くなるぞ」
オージュ・ウォゲ「その他大勢の回復が出来るより、お前1人が 常に無事な方が皆の生存率も上がるだろ?」
エルム・ナキュ「‥‥‥これ、私の髪の毛 入ってるの?」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「あまり、他人に迷惑かけるなよなぁ〜〜!!!」
エルム・ナキュ「オージュ?! 私の髪の毛、回収してる???」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥」

〇黒

〇結婚式場前の広場
???「や゙っぱり、行きだぐない゙ですっ!!!!」
喫煙兵士「な、なんだ?」

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コメント

  • これ以上無いサブタイトルだと思います😂✨
    オージュさんの対エルムさんへのお母さんみたいな対応が可愛い…😂笑 ギャップ萌え藁人形欲しすぎますw
    (でも髪は盗むw)
    本が好きで戦闘に長けてるエルムさん…生まれてくる子供…🤔続き楽しみです

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