第4話 負け犬=ルーザー☆ドッグ(脚本)
〇黒
60数年前──
突然、人類の脅威となる謎の危険生物
『怪物』が現れた
彼らは破壊の化身の如く強大な力を持ち
暴虐の限りを尽くした
『怪物』は同時多発的に100体程度が現れ
各地を荒らし回った
後にいう”第1世代”である
しかし人類の必死の抵抗のためか、
『怪物』は次第に数を減らしていった
だが、それと入れ替わるように
人間に近い形態の怪物──
『怪人』が現れた
その数は『怪物』より遥かに多く
確認されただけでも1000体を超えた
”大怪人時代”の幕開けである
『怪人』は人間を遥かに凌ぐ身体能力を持つうえに
人語を解し、徒党を組み、
時には人間の道具を用いて
破壊の化身のような『怪物』とは
また違った厄介さで人類を苦しめた
特筆すべきは、この初期に現れた怪人群は
物理法則を超越する
特殊な『能力』を有していた事だ
『能力』の種類は個体毎に異なり、
千差万別の効果を見せた
この『能力』を持った初期の強力な怪人群は
後に”第2世代”と位置付けられる
そして”第2世代”から次の怪人達が産まれた
この”第3世代”と呼ばれる新しい怪人達は
身体能力こそ人間に優るものの
第2世代のような特殊な『能力』を有していなかった
その代わり数は爆発的に増え、
一説には10万体を超えるという
こうして世に現れた『怪人』達と
人間の対立は続き
現在に至る──
〇学校脇の道
怪人=ピート「臭う!臭うぞジジイッ!」
怪人=ピート「バカめ こんなにべったり臭いを残しやがって!」
〇掲示板の前
怪人=ピート「近い!近いぞッ! この中に居やがるな!?」
怪人=ピート「ん?」
怪人=ピート「こ、ここはッ⋯⋯!?」
怪人=ピート「に、人間の女だらけ⋯ッ!?」
???「ちょっと!」
女子高生「何でアンタがここにいるのよ!」
怪人=ピート「て、てメェは」
怪人=ピート「昨日俺を投げ飛ばした⋯⋯!?」
怪人=ピート「てメェこそ、なんでここにいンだよ!」
女子高生「なんでも何も」
〇田舎の学校
「ここは私の学校だからだよっ!」
〇ファミリーレストランの店内
川渡 シシオ(かわど ししお)「ヒッヒッヒ⋯⋯ あの犬公、今頃どうなっとるかのォ~」
川渡 シシオ(かわど ししお)「人間社会は激しい少子化で」
川渡 シシオ(かわど ししお)「子供をとにかく大事にしとる」
川渡 シシオ(かわど ししお)「特に丁重に守られとるのが女の子供!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「女子校に手を出したとなれば」
川渡 シシオ(かわど ししお)「人間は全力で狩りに来るぞォ~」
川渡 シシオ(かわど ししお)「武装した警察に囲まれれば 怪人といえど無事では済まん」
川渡 シシオ(かわど ししお)「ワシのせっかくの潜伏先のこの街に 居られんようにしてやるわ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「それはそうと⋯⋯」
川渡 シシオ(かわど ししお)「夜中に置いてきたワシの臭いの元を 後で回収に行かんとなァ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「まだまだ履けるのに勿体ないからのォ~!」
〇体育倉庫
〇掲示板の前
怪人=ピート「が、学校⋯⋯!?」
女子高生「昨日の仕返しかァ?」
女子高生「怪人マジ執念深すぎかよ~」
女子高生「どうやってここがわかったのよ」
怪人=ピート「ア”ア”ン!?」
怪人=ピート「てメェらの事なんざ知るかッッ!」
女子高生「じゃあなんで私の学校にいるのよ! おかしいでしょ!」
女子高生「つーか女子高に忍び込むとか変態じゃね?」
女子高生「ド 変 態 犬 じゃね!?!?」
怪人=ピート「お、オイッ!何言ってんだテメー!」
怪人=ピート「人間の女なんざ興味あるか! 俺はジジイを追って来たんだよ!」
女子高生「お爺さん⋯⋯?」
女子高生「もーいーよ さっさと通報しよーぜ」
女子高生「通報はちょっと待って」
女子高生「そういえばあんた昨日、車を追ってたよね?」
女子高生「何で罪もないお爺さんを追い回すのよ!」
怪人=ピート「罪もない⋯⋯?」
怪人=ピート「よりによって、あのジジイが罪もないだと?」
怪人=ピート「ざッッッけんなゴルァーーー!!!!!!」
怪人=ピート「俺なんかよりあのジジイの方が よっぽど悪どいッてんだよ」
女子高生「そ、そうなの⋯⋯?」
女子高生「ちょい、怪人の言う事なんか真に受けんなし」
女子高生「あ、誰かツーホーしたっぽい」
怪人=ピート「ゲッ」
校内放送「緊急連絡 怪人が校内に侵入したとの通報がありました」
校内放送「全校生徒は先生の誘導に従って 直ちに校外へ避難してください」
女子高生「ざまークソ怪人♪ もうすぐお巡りさん来るぞ~」
女子高生「さ、あたしらも早く避難しよ!」
女子高生「私はコイツとちょっと話があるから」
女子高生「先に避難してて」
女子高生「ハァ!? 怪人と何の話があんのよ」
女子高生「つーか話の通じる相手じゃねーっしょ!」
女子高生「いいから先行ってて 私は大丈夫だから」
女子高生「も~ 津奈美は言い出したら聞かないからな~」
女子高生「クソ怪人⋯⋯ 津奈美に何かしたらマジ殺すかんな」
女子高生「津奈美、無茶すんなよ! 早く来なよ!」
怪人=ピート「サイレンの音⋯⋯!? ヤ、ヤベェ!」
女子高生「もう一度聞くけど、 アンタがここに来たのは偶然で」
女子高生「追ってるお爺さんの方が悪人なんだね?」
怪人=ピート「だからそう言ってンだろ!」
怪人=ピート(クソッ、早く逃げねェと⋯⋯ 銃は当たりどころ悪いと死ぬからな)
女子高生「⋯⋯嘘を言ってる眼じゃないね」
警官「怪人に告ぐ 怪人に告ぐ」
〇学校脇の道
警官「この学校は完全に包囲されている」
〇市街地の交差点
警官「無駄な抵抗は止めて投降しなさい」
〇掲示板の前
怪人=ピート「ゲッ、囲まれた!」
女子高生「⋯⋯」
怪人=ピート「に、逃げ場がねェ⋯⋯ッ!」
女子高生「こっち来て!」
〇ファミリーレストランの店内
川渡 シシオ(かわど ししお)「ヒッヒッヒ⋯⋯ サイレンの音が心地いいのォ~!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「これであの犬公はこの街のお尋ね者じゃ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「尻尾を巻いて逃げ帰るがいい」
川渡 シシオ(かわど ししお)「おっと、こんな失態では 基地にも帰れんかぁ~!」
女の子「⋯⋯おかわり」
〇闇の要塞
〇貴族の部屋
大幹部=スカーレット・ウェスト「さてと⋯⋯」
〇魔王城の部屋
大幹部=犬吠埼(いぬぼうざき)「オイ紅子、おメェの『能力』で 探せねェのかぃ!?」
大幹部=スカーレット・ウェスト「私の『能力』は仕込みが必要なんだから」
〇貴族の部屋
大幹部=スカーレット・ウェスト「あの時、皆にはああ言ったけど」
大幹部=スカーレット・ウェスト「ホントは探せちゃうのよねェ~♪」
大幹部=スカーレット・ウェスト「待ってなさい、川渡シシオ!」
大幹部=スカーレット・ウェスト「もうすぐ私の『能力』が あんたの元へ届くから!」
あ〜女子高生は敵に回すと怖いですからね……(意味深)
それはそうと、冒頭の設定は妄想捗るので助かります(設定厨)
怪人設定なるほど😳
女子高生vsケモ!
全然怯んでない津奈美ちゃん、何かありそうですね。
じじいは相変わらずで安心しますwww
ピートくん……ド変態犬という名誉ある称号までも😂
津奈美ちゃんの心中は、思惑は、などと考えてしまうシーンの一方での、女の子の食べっぷりは何とも気持ちがイイですね😊 次回のメニューは?と楽しみになってしまいます✨