〇歴史
　　プロフェッサー＝シシオの怪人学講座！
川渡 シシオ(かわど ししお)「今回は怪人組織についてじゃ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「まず、ワシが居たのは」

〇闇の要塞
　　全ての怪人を束ねる
　　”怪人基地本部”じゃ！

〇歴史
川渡 シシオ(かわど ししお)「各地に支部もあるが」
川渡 シシオ(かわど ししお)「怪人組織の主力はほとんど この本部に集結しとる」
川渡 シシオ(かわど ししお)「中でも、全ての怪人の頂点に立つのが」
　　『大首領』と呼ばれる存在！
川渡 シシオ(かわど ししお)「コイツはたまに指令を出してくるが、 決して姿を現さん」
川渡 シシオ(かわど ししお)「大幹部の連中ですら、 その姿を見た事はないとか」
川渡 シシオ(かわど ししお)「とにかく恐ろしい力の持ち主らしいが」
川渡 シシオ(かわど ししお)「どんなもんなんじゃろうのォ？」
川渡 シシオ(かわど ししお)「そしてその下に立つのが」
　　四人の『大幹部』じゃ
川渡 シシオ(かわど ししお)「全く表に出てこない大首領と違って こやつらはバリバリ活動しとるから」
川渡 シシオ(かわど ししお)「ワシらにとってはこの大幹部連中が 実質トップみたいな感じじゃな」
川渡 シシオ(かわど ししお)「大幹部は全員”第２世代”で」
川渡 シシオ(かわど ししお)「特殊な『能力』を持っている」
川渡 シシオ(かわど ししお)「犬吠埼の音波とかは『能力』とは別じゃぞ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「ありゃただの物理攻撃じゃ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「第２世代の『能力』ってのはもっと超常的な」
川渡 シシオ(かわど ししお)「物理法則から外れた、 よくわからん力の事じゃ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「で、四大幹部の下に続くのが──」
　　ワシ含む『幹部』じゃ
川渡 シシオ(かわど ししお)「大幹部１人につき２人の『幹部』が配下におるから」
川渡 シシオ(かわど ししお)「『幹部』は全員で８名じゃな」
川渡 シシオ(かわど ししお)「ま、ワシが抜けたのと 最近１人行方不明になっとったから」
川渡 シシオ(かわど ししお)「補充してなければ今は６名かのォ？」
川渡 シシオ(かわど ししお)「『幹部』もワシ以外は全員」
川渡 シシオ(かわど ししお)「”第２世代”の『能力』持ち怪人じゃ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「ま、『能力』も無しに幹部まで昇り詰めた ワシの方がずっ～とスゴいがのォ～～！」
川渡 シシオ(かわど ししお)「そして幹部の下には」
　　有象無象の下っぱ、『一般怪人』ども！
　　こやつらはほとんどが”第３世代”の
　　『能力』ナシ連中じゃ
川渡 シシオ(かわど ししお)「まぁさすがに人間よりは遥かに強いが」
川渡 シシオ(かわど ししお)「身体能力の面でも第２世代より劣っておる」
川渡 シシオ(かわど ししお)「新世代の怪人は出来損ないなんかのォ？」
川渡 シシオ(かわど ししお)「で、その下にはさらに」
川渡 シシオ(かわど ししお)「洗脳した人間やらチンピラやらで作った 『戦闘員』がおるが」
川渡 シシオ(かわど ししお)「ま、そこらへんの連中は ザコすぎてどうでもええわのォ～！」
川渡 シシオ(かわど ししお)「そんな所かのォ 図にするとこんな感じじゃ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「以上じゃ！ ためになるのォ～！」

〇体育館の裏
女子高生「こっち！」

〇グラウンドの隅
怪人＝ピート「お、おい、何で──」
女子高生「シッ！」
女子高生「⋯⋯よし」
女子高生「この静かさなら、壁の向こうは 見張りが居ないかな」
女子高生「私が遅刻しそうな時、先生にバレないように入ってくるルート」
女子高生「壁がすごく高いし、その向こうは林だから 警備が薄いと思う」
怪人＝ピート「え？」
怪人＝ピート「お前、こんな高い壁越えてんの？」
怪人＝ピート「いやコレ、俺はちょっと越えられそうにねーぞ⋯⋯」
女子高生「向こう行ったら待ってて、私もすぐ行くから」
怪人＝ピート「いやだからこんな壁越えられねーって⋯⋯」
怪人＝ピート「え、何？」
怪人＝ピート「オイ、まさか──」
女子高生「いくよっ」
女子高生「セイッ！」
怪人＝ピート「やっぱり投げんのかアァァァァ⋯⋯!!」

〇ホテルのレストラン
川渡 シシオ(かわど ししお)「さて、バカ犬を追っ払えて気分もええし」
川渡 シシオ(かわど ししお)「その上、凄い情報を手に入れたぞ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「これでワシはもう無敵──！」
川渡 シシオ(かわど ししお)「こーんな三ツ星レストランでも ガキの飯がタダとはのォー！」
女の子「ふんふん⋯⋯いい匂い」
ウェイター「お待たせ致しました」
川渡 シシオ(かわど ししお)（ヒッヒッヒ⋯⋯ワシは茶だけ注文して）
川渡 シシオ(かわど ししお)（ガキの飯を横からつまむ）
川渡 シシオ(かわど ししお)（いつもの手じゃが、 三ツ星レストランともなると）
川渡 シシオ(かわど ししお)（浮く額が違うからのォ～！ 額が！）
川渡 シシオ(かわど ししお)（⋯⋯三ツ星ともなるとガードが固いのォ）
川渡 シシオ(かわど ししお)（そんな時はこの手じゃ！）
川渡 シシオ(かわど ししお)（食器をわざと落として替えを取りに行かせ）
川渡 シシオ(かわど ししお)（その隙にたっぷりつまみ食いじゃ！）
川渡 シシオ(かわど ししお)「なんか趣味の悪いナイフじゃのォ？」
川渡 シシオ(かわど ししお)「ま、替えさせるしどうでもええか」
川渡 シシオ(かわど ししお)「オー！ノー！」
川渡 シシオ(かわど ししお)「ワシとした事がナイフを落としちまったァ 替えてくれるかのォ？」
ウェイター「かしこまりました」
ウェイター（こんなナイフ店にあったかな⋯⋯）
ウェイター「ん？」
ウェイター「こ、このナイフ⋯⋯」
ウェイター「勝手に動く⋯⋯っ！」
川渡 シシオ(かわど ししお)「うぉッッ！」
ウェイター「も、申し訳ございません！」
支配人「お客様、お怪我は!?」
川渡 シシオ(かわど ししお)（今、ナイフが勝手にウェイターの手を離れて 飛んできたように見えた──？）
川渡 シシオ(かわど ししお)（怪人の『能力』──大幹部のスカーレットか！）

〇闇の要塞

〇貴族の部屋
大幹部＝スカーレット・ウェスト「ウフフ⋯⋯昨日送っておいた私の『能力』」
大幹部＝スカーレット・ウェスト「そろそろ届く頃かしら？」

〇貴族の部屋
　　昨日
大幹部＝スカーレット・ウェスト「能力発動──」
大幹部＝スカーレット・ウェスト「『クリムゾン・キッス』」
大幹部＝スカーレット・ウェスト「こうしてキスした“物”の運命を操れる」
大幹部＝スカーレット・ウェスト「それが私の能力！」
大幹部＝スカーレット・ウェスト「さあ、お前は飛んでいって」
大幹部＝スカーレット・ウェスト「「川渡シシオに刺さる」のよ！」
大幹部＝スカーレット・ウェスト「あとはこれを窓から投げれば──」

〇空

〇貴族の部屋
大幹部＝スカーレット・ウェスト「風や動物が運んで 私が命じた通りになる」
大幹部＝スカーレット・ウェスト「それを追っていけば 川渡シシオの居所もわかるのだけれど」
大幹部＝スカーレット・ウェスト「今のところは挨拶ができればそれでいいわ」
大幹部＝スカーレット・ウェスト「私のプレゼント、気に入ってくれるかしら？ 川渡シシオ！」

〇暗い廊下
幹部＝マティス「ふーん 聞いちゃった」
幹部＝マティス「スカーレットお姉様、川渡シシオに ちょっかい出すんだ」
幹部＝マティス「じゃああれを追っていけば」
幹部＝マティス「川渡シシオを探しに行ったあの カワイイ犬くんに会えるかも!?」
幹部＝マティス「今、基地内もゴタゴタしてて しばらく指令も無さそうだし」
幹部＝マティス「ちょーっと探しに行ってみようかなぁ～♪」
幹部＝マティス「待っててねー！ 犬く～ん♥️」

〇ホテルのレストラン
　　現在──
川渡 シシオ(かわど ししお)（たまたまウェイターに拾わせとったから 軌道が逸れたが）
川渡 シシオ(かわど ししお)（でなければ直撃しとったな──）
川渡 シシオ(かわど ししお)（しかしそこまで殺傷能力の高くない 食事用のナイフ）
川渡 シシオ(かわど ししお)（まずは「お前の居場所は掴めている」という メッセージといったところか）
川渡 シシオ(かわど ししお)「相変わらず面倒臭い性格の女じゃのォ～」
川渡 シシオ(かわど ししお)（ま、せめて転んだ分は 何か拾って起き上がらんとの）
川渡 シシオ(かわど ししお)「オイ！ 何してくれとんじゃゴルァ！」
「も、申し訳ございません！」
川渡 シシオ(かわど ししお)「もちろんここの支払いは タダになるんじゃろうのォ～？」
支配人「それはもう、勿論でございます」
川渡 シシオ(かわど ししお)「よ～し！この店で一番高い料理持ってこい！」
川渡 シシオ(かわど ししお)「ジャンジャン食うぞォー！」

〇大きい交差点
幹部＝マティス「鳥がこの辺でナイフ落としたのが 見えたんだけど──」
幹部＝マティス「あの爺さん、まさかこんな近場に居るのォ!?」