幸福戦隊ハピネスファイブ

どんぐり

ゴールデンウィークの事件(後編)(脚本)

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〇研究所の中
  ゴールデンウィーク最終日。
博士夫人「そろそろじゃない?」
福島博士「ああ」
シャンシャン「私の情報によると、この近くに来てるはずです」
福島ハナ「誰が来るの、父さん?」
  尋ねたのは、博士の娘のハナだった。彼女は自立し、家を出て一人暮らしをしている絵本作家で、30歳。
福島博士「私が作り上げたチームだよ。 シャンシャンのことは黙ってて悪かった。内緒で進めていたからね」
福島ハナ「気にしないで。私達の代わりにお手伝いしてくれてるでしょ?」
シャンシャン「はい、そうです」
博士夫人「ハナ、あなたは絵本作家としての腕も磨いてる?」
福島ハナ「母さん、ちゃんと磨いてるわ」
福島賢也「こっちだって会社の近くにアパート借りて頑張ってるさ」
  福島賢也、26歳。会社員をしており、普段は会社の近くのアパートで暮らしている。
福島博士「たまにこうして顔を出してくれるのは嬉しいよ」
福島博士「来たみたいだ。玄関へ行く」

〇タワーマンションの裏口
  研究所のバックヤード。
紅城憲夫「裏口から入るなんて初めてだな」
藍沢拓馬「普段は玄関からだからな」
山吹絵里奈「昨日まで実家に里帰りしてて、昨日の夜に戻ってきたから、明日からの準備は万端よ」
常盤隆一郎「こっちだって連休明けたら定期試験の準備をしなきゃいけないからね」
紅城憲夫「そういえば、俺も連休明けたら中間試験があるの、すっかり忘れてたぜ・・・」
常盤隆一郎「紅城くん。先生だって定期試験中は大変なんだよ。過去問作ったり、問題作成に採点。いろいろ苦労するのさ」
桜庭舞「生徒も先生も、定期試験となると大変なのね・・・」
  やがて、博士がバックヤードに到着した。
福島博士「よく来たな。暗証番号は君たちに教えていたからね」
紅城憲夫「知ってたさ」
福島博士「いいけど、誰にもバラすなよ。暗証番号は、内緒にするからこそ重要なんだ」
紅城憲夫「わかった」
福島博士「さあ、入りなさい」
紅城憲夫「分かった」

〇研究所の中
福島博士「というわけで、お客さんだ」
福島賢也「この人たちは?」
博士夫人「紹介するわね。ハピネスファイブの面々よ」
福島賢也「新聞で読んだことあるよ」
福島ハナ「聞いたことあるわ!テレビでやってたもん!」
紅城憲夫「まあ、本物を間近で守るのはいい機会だからな」
藍沢拓馬「当事者が喋ってどうするのさ」
山吹絵里奈「博士の身内の前ではあまり話さなくたっていいのに・・・」
常盤隆一郎「そうだよ。ましてやダークネス団が不意打ち仕掛けてくるかもしれないからね」
桜庭舞「ごもっともなこと、言うわね」
福島博士「まあともかく、紅城君はハピネスレッドだが、普段は高校生だ」
紅城憲夫「俺は紅城憲夫。部活は天文部の高校2年生。実家はラーメン屋。兄と妹もいる。兄貴は親父とお袋の家業手伝いしながら修行中!」
福島賢也「でも高校2年生だろ?進路はどうするのさ?」
紅城憲夫「そこはこれから考えるさ」
博士夫人「でも、早目に決めないと、受験勉強も不利になるわよ」
紅城憲夫「そこはわかるさ」
博士夫人「じゃあ次はハピネスブルーの藍沢くんね」
藍沢拓馬「俺は藍沢拓馬。普段は東西南北運送会社で働くドライバーさ。同じ運送会社勤務の双子の姉がいる」
福島ハナ「トラックドライバーって、日勤も夜勤もあるから、大変でしょ?」
藍沢拓馬「そうなんだ。特に夜勤は余計神経使うし、一旦仮眠取んなきゃいけないんだよ」
福島賢也「僕の勤務先は残業は極力無くすようにしてるよ」
博士夫人「じゃあ次はハピネスイエローの山吹さん」
山吹絵里奈「山吹絵里奈、大学2年生よ。実家を離れて一人暮らし中なの。実家には弟と両親がいるわ」
福島ハナ「連絡は?」
山吹絵里奈「もちろんしてるわよ。 ちなみに私は理工学部で、ソフトボールサークル所属。運動もできるし、自炊だってできるの」
博士夫人「時々私たちに料理やお菓子を作ってくるしね」
山吹絵里奈「実は、ケーキ屋でアルバイトしてるのよ」
福島ハナ「勉強との兼ね合いは?」
山吹絵里奈「大丈夫。バイト先の店長さんとも相談して決めてるの。 さっきも言ったけど、実はご馳走作ってきちゃったの!」
常盤隆一郎「早起きして作ったってさっき喋ってたしね」
山吹絵里奈「常盤さんってば!」
博士夫人「じゃあ次はハピネスグリーンの常盤さん」
常盤隆一郎「常盤隆一郎。中学校で社会科の先生やりつつ、写真部の顧問やってるよ」
福島ハナ「私、学生時代写真部でした」
常盤隆一郎「写真はタイムカプセルでもあるからね」
福島ハナ「実際に今まで溜めた写真を見せましょうか?」
常盤隆一郎「凄いね。僕も中学時代は写真部部員だったよ」
博士夫人「最後はハピネスピンクの桜庭舞さん」
桜庭舞「あたし、桜庭舞。病院の小児科医なの。両親と主人と子供の6人暮らしで、主人もあたしも共働き。両親が子供の面倒見てるわ」
福島ハナ「私は一人暮らしだけど、ちゃんと両親に連絡してるわ」
博士夫人「毎日まめに連絡してるしね」
福島賢也「こっちもしてるよ」
  食事を囲みつつ、談笑する面々。

〇空
イーヴィル「じゃあ、スタートする?」
セクシーデーモン「そうね」

〇開けた交差点
  賑やかな交差点に、ダークネス団が襲撃!
「じゃあ、始めるわよ!」
「アイアイサー!」
  パニックに陥る交差点!

〇研究所の中
福島博士「これは!?」
博士夫人「ダークネス団ね!」
福島博士「とにかく時間がない。襲来場所へ急いだ方がいい」
紅城憲夫「わかった。行くぞ!」
藍沢拓馬「遅れるなよ!」
「わかった!」

〇開けた交差点
「これはこれは痛快!」
警官「冷静に避難を!」
「ケーッケッケ!」
  そうは問屋が卸さない!
「あれは!?」
紅城憲夫「せっかくのホームパーティーを邪魔しやがって!」
藍沢拓馬「毎回毎回不意打ちしやがって!」
山吹絵里奈「こっちの身にもなってよ!」
常盤隆一郎「今すぐ身を引いたほうがいいぞ!」
桜庭舞「もう一度だけ言うわ。すぐに帰った方がいいわよ!」
「やかましいわよ!」
紅城憲夫「始めるぞ、みんな!」
藍沢拓馬「準備はいいか?」
「オッケー!」

〇魔法陣
「ハピネスチェンジキー、スタンバイ!」
「ハピネスチェンジキー、スタンバイ!」
「ハピネスチェンジブック、オープン!」
「ハピネスチェンジブック、オープン!」
「ハピネスチェンジ、スタート!」
「ハピネスチェンジ、スタート!」
紅城憲夫「高ぶる情熱のパワー!ハピネスレッド!」
藍沢拓馬「沈着冷静なるパワー!ハピネスブルー!」
山吹絵里奈「ピカっとひらめくパワー!ハピネスイエロー!」
常盤隆一郎「穏やかで安らぐパワー!ハピネスグリーン!」
桜庭舞「心ときめく素敵なパワー!ハピネスピンク!」
「決して挫けない5つのパワー!」
「ハピネスファイブ、登場!」

〇開けた交差点
「やっておしまい!」
「アイアイサー!」
紅城憲夫「覚悟しろよ!」
紅城憲夫「喰らえ!」
「わー!」
藍沢拓馬「覚悟しな!」
藍沢拓馬「喰らえ!」
ダークネス団の部下「わー!」
桜庭舞「イエロー、行くわよ!」
山吹絵里奈「オッケー!」
「それっ!」
セクシーデーモン「イヤーッ!」
山吹絵里奈「覚悟!」
「キャーッ!」
常盤隆一郎「行くぞ!」
常盤隆一郎「それっ!」
ダークネス団の部下「わー!」
「いつものあれ、行くぞ!準備はいいな?」
「オッケー!」

〇幻想空間
「ハピネスチェンジブック、オープン!」
「ハピネスチェンジブック、オープン!」
紅城憲夫「レッドスター!」
藍沢拓馬「ブルースター!」
山吹絵里奈「イエロースター!」
常盤隆一郎「グリーンスター!」
桜庭舞「ピンクスター!」
  5人の描いた流星が五角形を形成した。
「ハピネスペンタゴンウェーブ!」
「ハピネスペンタゴンウェーブ!」
「わー!」
「覚えてなさーい!」
「ハピネスファイブ、」
「今回も大勝利!」

〇開けた交差点
  すぐにその場を去ったハピネスファイブを見ていた警察官は、こう言った。
警官「ヒーローって、本当にいたんだな・・・」

〇研究所の中
「信じられない・・・!」
シャンシャン「これがハピネスファイブの真の力なのです」
博士夫人「わかったでしょ?でもこのことは内緒よ」
福島博士「ダークネス団との戦いはまだ続くからな」
紅城憲夫「でも今回も一件落着だね」
藍沢拓馬「だな」
桜庭舞「これでまた明日からも仕事ができるわね」
山吹絵里奈「明日の準備もできたし、夕方になったら帰るわ!」
常盤隆一郎「大変だったけど、最高の休みになったよ!」
  こうして博士の研究所で最高の休日を過ごす面々だった。
  でも油断は禁物だ。
  次回へ続く。

次のエピソード:ゴールデンウィーク明けの事件

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