第7話「千年封印柱」(脚本)
〇開けた交差点
女の子「ねぇ、あれ何だろう?」
青年「飛行機かな・・・?」
〇街の全景
〇研究所の中枢
WASO東京支局
リオナ局長「本日13時、東京都──区が壊滅しました」
結城イツカ 「なんてことなの・・・」
結城イツカ 「一体、どれだけの人が犠牲に・・・」
熊城博士「原因は、突如現れたこの怪物による攻撃だ」
〇空
〇研究所の中枢
熊城博士「これまでの怪物の魔力と、比べた結果を見て欲しい」
我浜ユウト 「桁違いの魔力・・・!」
我浜ユウト 「ついに、魔王がやって来たというわけですか?」
熊城博士「その可能性は、99.89%だ」
結城イツカ 「間違いないってことね・・・」
リオナ局長「現在、怪物は東京の上空で沈黙しています」
我浜ユウト 「なぜ、動かないんだろう?」
熊城博士「街を、一撃で破壊する魔法を使ったばかりだ」
熊城博士「魔力の回復を図っている可能性がある」
結城イツカ 「リオナさん、封印柱の使用は承認されましたか?」
リオナ局長「先ほど、本部で緊急承認されたわ」
リオナ局長「いつでも使用可能よ」
熊城博士「──持っていくがいい」
結城イツカ 「博士・・・あの魔法は?」
熊城博士「使えるようにしてある」
熊城博士「だが、本当に使うつもりか?」
結城イツカ 「いざという時はね」
結城イツカ 「間に合わせてくれて、感謝するわ」
我浜ユウト 「何の話ですか?」
結城イツカ「大したことじゃないわ。それより──」
結城イツカ「ユウト君、君は逃げた方がいい」
結城イツカ「これまでの相手とは、次元が違う」
結城イツカ「勝てる見込みは、ゼロに等しいわ」
我浜ユウト 「いえ、俺も戦います」
我浜ユウト 「戦わなくてはいけない理由がありますから」
結城イツカ「どうしてそこまで・・・!」
結城イツカ「私のことが好きだからといって、命までかけるなんて──」
我浜ユウト 「フフッ、どれだけ自意識過剰なんですか」
結城イツカ「えっ!?」
我浜ユウト 「魔王がそこまで強いなら、逃げてもどうせやられる」
我浜ユウト 「それなら、魔王を倒してヒーローになる可能性にかけてみようかと」
我浜ユウト 「ほら、御礼もたっぷりもらえそうですし」
結城イツカ「な、なななな!」
我浜ユウト 「目的は違いますが、倒すべき敵はイツカさんと同じ」
我浜ユウト 「今回も、一緒に頑張りましょう」
結城イツカ「・・・君の気持ち、よーく分かったわ」
結城イツカ「ほら、さっさと行くわよ!」
我浜ユウト 「まったく・・・本当に単純な人なんだから」
我浜ユウト 「俺があなたを守り──」
我浜ユウト 「ついでに、世界も救ってみせますよ!」
〇仮想空間
ロール・プレイング・ギアを
そうび しますか?
▶はい
いいえ
〇空
魔王アンヘルカイド「──来たか」
我浜ユウト「お前が・・・魔王なのか?」
魔王アンヘルカイド「そうだ」
魔王アンヘルカイド「余こそが、魔王アンヘルカイド」
魔王アンヘルカイド「千年の眠りから目覚めし、この世で最も優れた生物である」
我浜ユウト「なんて禍々しい魔力・・・」
我浜ユウト「だが──」
我浜ユウト「負けるわけにはいかない!」
〇空
魔王アンヘルカイド「我浜ユウトとやら、なかなかの力を持っておるな」
魔王アンヘルカイド「さすが、今世の勇者である」
我浜ユウト「なぜ俺の名を・・・?」
魔王アンヘルカイド「余は、星の彼方よりずっと観ていた」
〇SHIBUYA SKY
余の左腕と──
〇空港の滑走路(飛行機無し)
右腕を倒すとは、実に見事
〇空
魔王アンヘルカイド「余の新たな片腕として、仕える気はないか?」
我浜ユウト「そうだな・・・世界の半分をくれると言うなら考えてもいい」
魔王アンヘルカイド「威勢の良い奴よのう」
魔王アンヘルカイド「余は強き者は好きだが、思い通りに動かぬ腕はいらん」
魔王アンヘルカイド「ディマカエリもヴェンデルガルトも消えた今──」
魔王アンヘルカイド「やはり、本来の両腕を使うしかあるまい」
我浜ユウト「どういう意味だ・・・?」
魔王アンヘルカイド「さあ刮目せよ!」
魔王アンヘルカイド「余の真の姿を拝めることを、光栄に思え」
我浜ユウト「巨大な・・・腕!?」
魔王アンヘルカイド「余の力、しかと受け止めてみよ」
我浜ユウト「た、盾が・・・!」
魔王アンヘルカイド「よくぞ耐えた」
魔王アンヘルカイド「だが、この全方位攻撃の前では──」
魔王アンヘルカイド「すべて、塵(ちり)となる」
〇荒廃した街
結城イツカ 「ひどい・・・」
結城イツカ 「街が、めちゃくちゃだわ・・・」
???「うう・・・」
青年「だ、誰か・・・」
女の子「足が・・・瓦礫に挟まって・・・」
結城イツカ 「まだ、生きてる人がいる・・・!」
結城イツカ 「待ってて! 今助け──」
結城イツカ 「なんて激しい戦いなの!」
結城イツカ 「魔王を先に倒さなければ、みんなを助けることも──」
結城イツカ 「ユウト君、平気!?」
我浜ユウト「はい・・・まだいけます!」
我浜ユウト「RPGが・・・砕けた・・・」
我浜ユウト「こうなったら、生身で・・・!」
結城イツカ 「無茶よ!」
結城イツカ 「もう、魔力も残ってないじゃない!」
我浜ユウト「これでも、イツカさんよりは強いですよ」
結城イツカ 「君は退きなさい!」
結城イツカ 「私が、魔王を封印するわ」
我浜ユウト「ですが──」
我浜ユウト「たった1日の封印では、何も変わりませんよ!」
結城イツカ 「・・・安心して」
結城イツカ 「『千年』あれば、きっと魔王を倒せるはずよ」
我浜ユウト「え・・・!」
〇荒廃した街
魔王アンヘルカイド「魔導兵器は、砕け散ったようだな」
魔王アンヘルカイド「千年ぶりの戦いというのに、あっけない幕切れだ」
結城イツカ 「いえ、まだ終わってないわ」
魔王アンヘルカイド「そなたは、勇者の片割れか」
魔王アンヘルカイド「封印魔法の扱いに長けているそうだな」
魔王アンヘルカイド「たった1日なら、また封印されるのも悪くない」
結城イツカ 「なら、ちゃんと受け止めてもらいましょうか!」
結城イツカ 「《我が血に眠る魔の力、我が願いに答えよ》」
結城イツカ 「《我が心に宿る時封の力、今ここに顕現せよ》」
魔王アンヘルカイド「なんだ・・・この魔力は!?」
魔王アンヘルカイド「これまでの戦い時と、まるで違う・・・!」
結城イツカ 「どうやら博士の研究は、正しかったようね」
我浜ユウト「どういうことですか・・・?」
結城イツカ 「『命』を代償にすれば、千年の封印も可能なの」
我浜ユウト「命を代償・・・!」
我浜ユウト「まさか、死ぬつもりですか!?」
結城イツカ 「大丈夫よ」
結城イツカ 「千年間、閉ざされた時の中で、ゆっくり命を削られるみたい」
結城イツカ 「だから・・・死ぬのは千年後」
結城イツカ 「君より長生きしちゃうわね」
我浜ユウト「そんなの・・・死ぬより辛いじゃないですか」
結城イツカ 「私の命で、みんなが救えるなら安いものよ」
我浜ユウト「イツカさんは、間違ってます!」
我浜ユウト「命をかけて世界を救っても、何の見返りもない」
我浜ユウト「感謝する人ですら、一握りですよ!」
結城イツカ 「誰かに感謝されたいわけじゃない」
結城イツカ 「前に話したでしょ?」
結城イツカ 「私は──愛する人を失う悲しみを、誰にも味合わせたくないのよ」
我浜ユウト「あなたが死んで悲しむ人は、どうすればいいんですか!」
我浜ユウト「その人のことを、考えてください・・・」
結城イツカ 「それは・・・誰のことかな?」
結城イツカ 「もし、それが君であるとしたら──」
結城イツカ 「きっと大丈夫」
結城イツカ 「この先、普通の女の子を好きになり──」
結城イツカ 「子供を育て──」
結城イツカ 「私の想いを、千年先までつないでくれる」
我浜ユウト「無理ですよ・・・」
我浜ユウト「こんなひねくれた人間から、立派な勇者が生まれるわけないじゃないですか!」
結城イツカ 「そんなことない」
〇ビルの裏通り
あの日、初めて会った時から──
〇地下街
君は、誰かを守ろうとする──
優しい心を持っていたわ
〇荒廃した街
結城イツカ 「自分のために生きてるなんて、嘘ばっかり」
結城イツカ 「だから私は、そんな君のことを──」
魔王アンヘルカイド「ぬうう! なぜ抜け出せん!!」
魔王アンヘルカイド「こんな小娘が余の──」
魔王アンヘルカイド「余の行く手を阻むなど、ありえん!!」
我浜ユウト「イツカさん!」
我浜ユウト「待ってください!!」
結城イツカ 「──さようなら」
結城イツカ 「《我が命を対価に、悠久の檻に封じよ!》」
TNCとボイスを完璧に使いこなし、ストーリーまで完璧だなんて、流石過ぎます👍👍👍
このストーリーは、神vs人間の長い歴史の序章に過ぎないということですか?
イツカちゃんの犠牲が千年後に魔王を倒せる勇者を生みだすための布石…。
スゴいな〜と思いながらタップしてたら、いきなり度肝を抜かれたし、泣けました😭
ううっー!!!!!(´;ω;`)💦
イツカー!!!!!!ユウトー!!!!!!2人のシーンに泣かされました…泣いてます…(´;ω;`)✨
魔王の声、咲良さんがおっしゃっていた通り、とてもよかったです…
イツカとユウトの行方が気になり過ぎます!!次回も楽しみにしてます!!
わ~!最高最高!最高すぎます!✨
魔王様の合体キャラは迫力あるし!
イツカさーん!😢
ユウト、どうするー!?