勇気という名のRPG(ロール・プレイング・ギア)

篠也マシン

第6話「ラストシューティング」(脚本)

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〇空港の滑走路(飛行機無し)
  封印から、24時間経過──
鋼のヴェンデルガルト「──この時代の勇者も、封印魔法が使えるとは驚きました」
鋼のヴェンデルガルト「ですが、たった1日の封印とは無意味でしたね」
我浜ユウト「そうでもないさ」
我浜ユウト「お前の攻略法を考えるには、十分な時間だった」

〇魔法陣のある研究室
我浜ユウト 「封印柱は、普通の弾丸に封印魔法を込めたもの」
我浜ユウト 「つまり発動するまでは、ただの弾丸と変わらない」
我浜ユウト 「あの怪物が魔力障壁を使わなかったのは、封印柱を『物理攻撃』と思ったからです」
結城イツカ「・・・なるほど」
結城イツカ「物理攻撃なら、自慢の衣が防いでくれる」
結城イツカ「消耗の激しい魔力障壁を使う必要はない──そう考えたのね」
我浜ユウト 「だから、封印魔法の代わりに──」

〇空港の滑走路(飛行機無し)
我浜ユウト「『攻撃魔法』を込めれば!」
鋼のヴェンデルガルト「くっ・・・これは炎魔法か!?」
鋼のヴェンデルガルト「この私にダメージを与えるとは・・・!」
我浜ユウト「もう一発だ!!」
鋼のヴェンデルガルト「──同じ手は通じません」
我浜ユウト「魔力・・・障壁!」
鋼のヴェンデルガルト「魔法攻撃と分かれば、魔力障壁を使えばいいだけ──何の問題もありません」
鋼のヴェンデルガルト「このまま、お互いに魔法を撃ち続けたら、どういう結果になると思いますか?」
我浜ユウト「・・・」
鋼のヴェンデルガルト「答えは簡単。先に魔力が尽きるのはそちらです」
鋼のヴェンデルガルト「私とあなたには、埋められない魔力の差があるのですから」
我浜ユウト「言いたいことはそれだけか?」
鋼のヴェンデルガルト「やれやれ、あきらめが悪いですね」
鋼のヴェンデルガルト「魔力障壁の餌食となりなさい」
鋼のヴェンデルガルト「なっ!? 障壁をすり抜け──」
鋼のヴェンデルガルト「ダメージはない・・・普通の弾丸か・・・!」
鋼のヴェンデルガルト「驚かされましたが、こんなもので私は倒せませんよ?」
我浜ユウト「ヴェンデルガルト──なぜ、魔力障壁を使った?」
鋼のヴェンデルガルト「それは、魔法が込められていると思った──」
我浜ユウト「どうやら、気づいたようだな」
我浜ユウト「お前の言う通り、まともに魔法を撃ち合えば、俺の魔力が先に尽きる」
我浜ユウト「だが、お前が無駄に魔力を使えば、話は別だ!」
鋼のヴェンデルガルト「まさか・・・その銃の中には・・・」
我浜ユウト「そう、『魔法を込めた弾丸』と『普通の弾丸』が入っている」
我浜ユウト「お前に見極められるかな?」
鋼のヴェンデルガルト「人間風情が、舐めた真似を・・・!」

〇空港の滑走路(飛行機無し)
鋼のヴェンデルガルト「これは普通の弾丸!?」
鋼のヴェンデルガルト「今度は魔法か!?」
鋼のヴェンデルガルト「も、もう魔力障壁を出す力が・・・」
我浜ユウト「ようやく、魔力が尽きたか」
我浜ユウト「これで・・・終わりだ!」
我浜ユウト「なっ!? 魔力切れ!?」
鋼のヴェンデルガルト「フフッ・・・」
鋼のヴェンデルガルト「先ほどの言葉、そのままお返ししましょう」
鋼のヴェンデルガルト「ようやく、魔力が尽きたようですね」
我浜ユウト 「そ、そんな・・・あと一歩なのに」
鋼のヴェンデルガルト「おやおや、どうしました?」
鋼のヴェンデルガルト「私には、あなたを消し去る程度の力は残っていますよ?」
我浜ユウト 「頼む! 動いてくれ!!」
鋼のヴェンデルガルト「形勢逆転ですね」
鋼のヴェンデルガルト「素直に負けを認めたら、苦しまずに殺してあげましょう」
我浜ユウト 「くそっ・・・これまでか・・・」
我浜ユウト 「俺の・・・負けだ」
鋼のヴェンデルガルト「随分と素直ですね」
鋼のヴェンデルガルト「では、望み通り、痛みすら感じないように──」
我浜ユウト 「待て」
我浜ユウト 「『俺』は負けたが『俺たち』は負けてない」
鋼のヴェンデルガルト「なにっ!?」
結城イツカ 「ユウト君、よく頑張ったわね!」
我浜ユウト 「イツカさん、後は頼みましたよ!」

〇仮想空間
  ロール・プレイング・ギアを
  だれに わたしますか?
  ▶イツカ
   ユウト

〇空港の滑走路(飛行機無し)
結城イツカ「私はユウト君に比べたら、はるかに弱い・・・」
結城イツカ「でも、今のあなたの魔力なら──貫ける!」
鋼のヴェンデルガルト「くっ! また、この女に・・・!」
結城イツカ「私のありったけの魔力、くれてやる!!」
鋼のヴェンデルガルト「フフッ・・・見事です」
鋼のヴェンデルガルト「人間の勇者たちよ・・・私の負けです」
鋼のヴェンデルガルト「しかし、主上がもうすぐ・・・完全に復活なされる」
鋼のヴェンデルガルト「それまで・・・束の間の平和を楽しみなさい」
我浜ユウト 「たとえ魔王であっても、俺たちは負けはしないさ」
鋼のヴェンデルガルト「・・・愚かなことです」
鋼のヴェンデルガルト「主上と戦う時・・・私の言葉が正しかったと知るでしょう」
鋼のヴェンデルガルト「私は先に・・・あなた方を地獄でお待ちしていますよ・・・」

〇空

〇空港の滑走路(飛行機無し)
熊城博士 「フフッ、あの怪物の残した衣、良い研究材料になるぞ!」
熊城博士 「他に、他に残されてるものはないのか!」
「・・・」
リオナ局長「──コホン」
リオナ局長「イツカ、ユウトさん、今回も本当によくやってくれました」
リオナ局長「ここで敵を食い止めてくれたおかげで、街に被害はありません」
リオナ局長「一体どう感謝すれぱいいのか・・・」
我浜ユウト 「今回も俺の活躍のおかげ──」
我浜ユウト 「──と言いたい所ですが、勝てたのはイツカさんのおかげですね」
結城イツカ 「・・・」
我浜ユウト 「イツカさん? どうかしました?」
結城イツカ「ううん・・・何でもないわ!」
結城イツカ「さぁーて! 勝利を祝って、打ち上げでもいきますか!」
リオナ局長「いいわよ、私が何でもおごってあげるわ」
結城イツカ 「やったぁ!」
結城イツカ 「魔力もお腹も空っぽだから、死ぬほど食べられそう!」

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次のエピソード:第7話「千年封印柱」

コメント

  • えっ!ユウト…戦いおわりにオレンジジュースなんですか?✨🍊か…可愛いです✨🥰ギャップ萌えです💓

    戦闘シーンとボイスとストーリーと全部ひきこまれますね✨😆あと、これは以前のコメントでも残してますが、セリフがオシャレなんですよね✨☺️そこも好きです✨

    いよいよ次回が魔王編スタートですね!?楽しみです✨

  • 物理と魔法のランダム技、クレバーで熱かったですね!交代劇もチーム感満点でした。
    しかし、命と引き換えとは……!不穏です。

  • 物理シールドと魔法シールドの使い分けを強いる展開に持ち込んで、イツカがフィニッシュを決めるとは、正に2人で勇者としての勝利ですね!
    イツカにギア渡す演出がなんだか懐かしかったです(笑)
    遂に魔王降臨の様ですが、命を差し出す展開……
    折角、青春が加速してきていたのにぃ

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