魔王様は平和に憧れている

みちみち

エピソード12 平和(脚本)

魔王様は平和に憧れている

みちみち

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〇市場
  数日後
魔族a「りんごください」
街の人間A「はいどうぞ」
街の人間A「これオマケね」
魔族a「ありがとう」
魔族b「あそぼ!」
街の人間B「うん、いいよ!」
魔族b「えへへ」
魔族c「いいお天気でんなぁ」
街の人間C「そうだな!」
街の人間C「夜は冷えるから気ぃつけてな!」
魔族c「おおきに」
メリッサ「みんな溶け込んでいるようね」
メリッサ「よかった」
街の女性A「メリッサさ〜ん」
街の女性A「ここに居たのね」
街の女性B「手芸会の皆さんが待ってますよ」
街の女性A「メリッサさんの作るアクセサリー好評ですものね」
街の女性B「早く行きましょ」
メリッサ「ええ参りましょう」
生徒B「ケッ 魔族がゴロゴロいやがる」
生徒A「でも噂によると確か ケビンの奴は魔力を失ったそうだぜ」
生徒C「今なら勝てるんじゃないか」
生徒B「そうだな へへへ」
生徒B「俺の髪の恨み晴らしてやる」
ルイス「随分髪が伸びたじゃないか」
生徒B「ルイス!!」
ルイス「今度はモヒカンにしてやろうか?」
生徒A「ケッなんだこいつ」
生徒A「ちょっと魔法が使えるようになったからって偉そうに」
ルイス「俺のダチに手を出したら俺が許さないからな」
生徒B「チッもういこうぜ」
生徒C「バーカバーカ!」
生徒C「覚えてろよ!」
生徒C「お前らが見てないとこで魔王や魔族を・・・」
生徒C「イテッ」
魔族d「あ、ハンカチ落としましたよ」
魔族d「大丈夫ですか?」
生徒C「ひ、ひぃ」
生徒B「に、逃げるぞ!」
生徒C「ご、ごめんなさい〜」
魔族d「?」
ルイス「ありがとうございます これは渡しておきます」
魔族d「ああそうですか では頼みますね」
魔族d「騎士団員さん」
ルイス「はい!」
ケビン「さすが騎士団員 頼もしいな」
ルイス「ケ、ケビン」
ルイス「見てたのか」
ケビン「嬉しかったぞ」
ケビン「でも僕は大丈夫だ まだまだアイツらにやられたりしない」
ケビン「それよりも街の人達や魔族の者達を守ってくれ」
ルイス「ああ、まかせろ!」
ルイス「それでお前は 今日はバイトか?」
ケビン「ああ出勤中だ 見に来るか?」
ルイス「ん、なら パトロールがてら見に行くか」

〇古書店
ルイス「お前が本屋で働くとは意外だな」
ケビン「そうか? 本は昔から好きだぞ」
ケビン「それでこれ新刊なんだが」
ルイス「ん?」
ルイス「魔王は平和に あこがれている・・・」
ルイス「なんだこれ お前が書いたのか!?」
ケビン「そうだ」
ケビン「真実を伝えていこうと思ってな」
ルイス「へぇ どれどれ」
ルイス「ある所にモテまくりの ハンサムすぎる魔王がいました」
ルイス「ってさっそく嘘じゃねぇか!?」
ケビン「嘘じゃないだろ何を言う!?」
ルイス「ええっ!?」
マーガレット「ケビン」
ケビン「マーガレット!」
マーガレット「休憩にしない? お昼でも一緒にどうかな?」
ケビン「もうそんな時間か」
店長「休憩行っといで」
ケビン「店長!」
ケビン「ありがとう」

〇お花屋さん
ケビン「花屋の仕事は順調か?」
マーガレット「ええ 街の人達とも交流できるし」
マーガレット「花の話もたくさんできて とっても楽しい」
ケビン「そうか 体力仕事とかは大丈夫か?」
マーガレット「うん そういうのはボビンがやってくれるから」
ボビン「ふぅ これ結構重たいね」
ボビン「あ、ケビンだ」
マーガレット「お昼ごはんを皆んなで食べようと思って」
ボビン「お昼ごはん! お腹ぺこぺこ」
マーガレット「あ、その前にボビン」
マーガレット「顔に土が付いてる」
  ふきふき
マーガレット「はい、綺麗になったよ」
ボビン「ありがとう マーガレット!」
ケビン「・・・」
ケビン「ボビンお前本屋で働かないか?」
ボビン「え、なんで?」
ケビン「なんでもだ」
ケビン「兄の言うことを聞け」
ボビン「え〜」
グレン「はいはいそこ嫉妬しない」
グレン「見苦しいよ〜?」
ケビン「グレン!」
グレン「グレンせんせい、な!」
ケビン「せんせい?」
グレン「ふふん この度ボクは」
グレン「勇者学校の新しい教師になったのさ」
ケビン「へぇ〜すごいな」
グレン「ボクは人に教える方が向いているという事に気が付いてね」
グレン「なにせあのルイスに少し教えただけで騎士団員だ」
ルイス「それは俺の才能な!」
グレン「いーやボクの教え方だねっ」
ケビン「はは 皆んなすごいな」
ジョン「みなさんっ!」
ジョン「わたくしのお店の 新作スィーツができましたよっ」
ジョン「是非試食してくださいっ」

〇商店街の飲食店
ボビン「もぐもぐ」
ボビン「あま〜い」
マーガレット「おいしい」
グレン「うまっ」
ボビン「食後のデザートは別腹〜」
グレン「食べすぎるなよキミ」
ジョン「喜んでいただけて嬉しいです 坊っちゃま」
ボビン「ジョンいつもありがとう」
ジョン「坊っちゃま・・・」
メリッサ「私の分はあるんでしょうね? ジョン」
ジョン「メリッサ!」
メリッサ「何故私を誘わないのです」
ボビン「メリッサも一緒に食べよー」
メリッサ「ええ」
メリッサ「ボビン坊ちゃん」
メリッサ「あれ?」
メリッサ「ケビン坊ちゃんは?」
ボビン「ごはん食べてすぐにどっか行ったよ」
マーガレット「今日は街の人達の前で 挨拶をする日だったようなんです」
メリッサ「そういえばそうでしたね」
ボビン「挨拶?」
ルイス「広場で街の人達に 魔王として何か演説するらしいな」
メリッサ「現魔王として 今後の事などをお話になるのですね」
メリッサ「立派です!」
ボビン「そっかぁ アイツ緊張してるかな?」
ルイス「もうそろそろ始まるぞ」

〇結婚式場前の広場
  あーあー
  みなさん
ケビン「どうも 魔力を失った魔王のケビンです」
ケビン「ここ笑うところです」
グレン「どこをどう笑うんだよ」
ボビン「あっはっはっはっ」
グレン「笑ってるよ・・・」
ケビン「この度は 我々魔族を信じ」
ケビン「受け入れてくださり 誠にありがとうございます」
ルイス「・・・」
ケビン「魔族の皆も 街の人たちと仲良く暮らす事ができ」
ケビン「大変喜んでいることと存じます」
ジョン「うんうん」
ケビン「ここでひとつ 街の皆さまと魔族の皆に」
ケビン「ご報告があります」
ボビン「ご報告?」
ケビン「私ケビンは今日をもって」
ケビン「魔王の座を降りたいと思います」
ボビン「・・・え」
メリッサ「ちょちょちょ どういうことですか!?」
ケビン「今の魔族に王はいりません」
ケビン「これからは私も」
ケビン「人間、魔族、皆んなと同じように」
ケビン「悩み、迷い」
ケビン「己を律し、時には頼り」
ケビン「ひとりの人して」
ケビン「己の進むべき道を」
ケビン「ひたむきに生きていこうと思います」
ボビン「・・・」
ケビン「ボビン・・・ ごめんな」
ボビン「いや、いい」
ボビン「それで」
ケビン「もちろん」
ケビン「これからも元魔王として」
ケビン「皆んなの相談などにのり」
ケビン「何かあったらすぐに駆けつけるつもりです」
メリッサ「坊ちゃん・・・」
ケビン「皆んな今までありがとう」
ケビン「そしてこれから よろしくお願いします」
ルイス「・・・」
マーガレット「・・・」

〇結婚式場前の広場
ケビン(父上)
ケビン(僕は平和が好きです)
ケビン(きっと父上も)
ケビン(この光景を願っていたのでしょう)
ケビン(きっとこの平和を守ってみせます)
ケビン(皆んなと共に)

次のエピソード:エピソード13 イモ

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