6 人生の転換期(脚本)
〇おしゃれなリビングダイニング
西城カンパニーから氷室達が退職してから二週間程経った。あの後エンペラーは社長秘書と成って父親をサポートする毎日を
送っていたが、サポートと言っても只父親の傍に居るだけで殆ど何もして居なかった。それに対する不満が社員達に溢れ、
何人か自主退職をしていたのだった。
西城母「エンペラーへの待遇が気に入らないからって貴方の会社を辞めるなんて、何て失礼な話なの!?」
西城父「全くだよ。私達は息子を守ってるだけなのにな」
西城母「それで、経営の方はどうなの?」
西城父「何と言うか、徐々に傾きが目立って来てな」
西城帝王「父さん、母さん、何かジュース無い?」
西城母「あらエンペラー!冷蔵庫の中に林檎とかブドウとか有るわよ!」
西城帝王「やった!ならどれか持って行くね!」
西城父「そうだエンペラー。前に話した事覚えてるか?」
西城帝王「え?父さん達、明日から旅行だったよね?」
西城父「あぁ、エンペラーにはすまないが、留守番して貰う事に成るし、私が居ない間、社長代理の仕事を確り頼むよ!」
西城父「秘書も付けて置いたから安心してくれ!」
西城帝王「分かったよ父さん!でも次は絶対俺も連れてってよね?」
西城母「本当、一緒に行きたかったわよね?」
西城父「大丈夫だエンペラー!今度はちゃんと行ける様、父さんが調整する!」
西城帝王「うん!楽しみにしてるよ!」
〇豪華な社長室
それから三日程経ち、両親が帰って来る日に成った。
渡辺美佐紀「社長代理、お早う御座います」
西城帝王「あぁ、お早う」
渡辺美佐紀「次の会議で使う資料、目を通して頂けましたか?」
西城帝王「えぇ、やっぱ俺も出ないと駄目なのかよ?」
渡辺美佐紀「当たり前です!西城社長も貴方ならやってくれると信じて社長代理を任せたのですよ!それなのに貴方と来たら!」
西城帝王「俺は今ゲームで忙しいんだ!社長代理として命令だ!会議はお前等だけで勝手にやれ!!」
渡辺美佐紀「貴方と言う人は・・・!!社長が只高い所で座ってるだけと思ったら大間違いですよ!何より、貴方が確りして居れば・・・!!」
西城帝王「あ、電話だ。お前ちょっと黙ってろ」
渡辺美佐紀「ちょっと!貴方状況が分かってるの!?」
西城帝王「あ〜もしもし?誰だよ一体?」
渡辺美佐紀「・・・!仕方無い、今は待つか・・・」
西城帝王「はぁ?警察が何で俺に電話して来るんだよ?」
渡辺美佐紀「警察?」
西城帝王「あぁ・・・あぁ・・・」
西城帝王「な、何だって〜!!!???」
渡辺美佐紀「・・・?」
西城帝王「父さんと、母さんが・・・死んだ・・・!?」
渡辺美佐紀「え・・・社長が・・・!?」
エンペラーに電話して来たのは警察からだった。警察の話では、両親が運転していた車が大型トラックと正面衝突し、その衝撃で
両親の車は大破。駆け付けた医者や警察の努力も虚しく、エンペラーの両親は帰らぬ人と成ったのだった。