我儘お坊ちゃま

夏目心 KOKORONATSUME

5 父親の依怙贔屓(脚本)

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〇オフィスのフロア
  それから数日。エンペラーが子会社に入って初めての給料日と成った今日。部長に取って最も恐れていた事態が起きるのだった。
氷室光輝「部長!これは一体どう言う事ですか!!?」
部長「氷室君に水島さん!?そんな血相変えてどうしたんだい!?」
水島千里「どうしたも何も無いですよ!!西城君の給料明細の記述、明らかにおかしいじゃ無いですか!!」
水島千里「私達は何時も通りやれる事をやって来ましたが、西城君に至っては此処に居るだけで何もして無いじゃないですか!!」
氷室光輝「社長は一体何を考えてるんです?西城が入って直ぐの頃に社長から給料5倍だの西城が次期社長だの聞かされて、最初は冗談かと」
氷室光輝「思いましたが、これって明らかに贔屓じゃ無いですか!!あいつは殆ど何もしてないし!!」
部長「私も社長に意見させて貰った!だけど、聞く耳を持ってくれなくてだな!」
水島千里「社長だから何やっても良いって言うんですか?もしそうだって言うなら、私は西城社長に幻滅しました!!自分の子供の間違いを」
水島千里「正せないなんて、私には理解出来ません!!」
部長「うん。気持ちは分かる・・・しかし!」
氷室光輝「部長。西城が入って少し経った頃に水島と話し合ってた事が有ります。今日に成ってそれは俺達の決心に成りました!」
部長「え?それは一体?」
氷室光輝「これが俺達の答えです!」
部長「じ、辞表だと!?待ってくれ!我が社に置いて君達二人は重要な戦力だ!今君達に居なく成られたら!!」
水島千里「残念ですが、私達は西城一家を満足させる為の玩具じゃ有りません。私は氷室さんと共に、新しい仕事場を作って、」
水島千里「そこでまた新しく、私達だから出来るお菓子作りをやって行こうと思います!」
部長「そ、それが君達が望む事なのか・・・」
氷室光輝「俺達はこの職場に置いて、西城社長や、この会社の為にやれる事は全てやり切ったと自負して居ます。そして息子さんが入った今、」
氷室光輝「もう俺達が此処に居る理由は無いと断定してます!」
部長「・・・考え直す気は無いのだね?」
水島千里「はい、もう決めました!」
部長「・・・分かった。君達の辞表は確かに受け取った。後は私に任せてくれ。それと、私の権限で君達を早退させよう。私から見ても、」
部長「君達は充分に頑張ってくれた!後の事は、君達が決めると良い」
氷室光輝「・・・部長、有難う御座います。もう会う事は無いと思いますが、この職場は早めに出た方が身の為ですよ」
部長「そうかも知れんな。さぁ、早く行くんだ。もう君達が此処に居る理由は無くなった」
水島千里「はい。今日まで、有難う御座いました。先輩、行きましょう」
氷室光輝「そうだな。部長、お世話に成りました」
部長「・・・どうやら、私も本気に成らねば行けないようだな・・・」

〇豪華な社長室
西城父「そ、そんな馬鹿な・・・氷室君と水島さんは君の居る部署で一番成績が良かったじゃ無いか・・・それを何故・・・」
部長「私はありのままを話しました。社長、今回の事は、私から見ても社長に非が有ると私も思います。今一度考え直して頂けませんか?」
西城父「し、しかしだなぁ・・・そんな事で態々退職するか?息子の給料を上げただけなのに・・・」
部長「社長!そもそも此処は実力主義の職場ですよね!?それをご自身の息子だと言う理由で贔屓すれば、氷室君や水島さんだけで無く、」
部長「今日まで努力して来た社員達に対する侮辱に成ります!これ以上、あの二人の様に自主退職を迫られたら!!」
西城父「まぁ先ずは落ち着きたまえ!息子の事は私が何とかする!」
部長「そ、そうはおっしゃられますが!!」
西城父「・・・そうだな・・・エンペラーに仕事を教えるならば、私が自力で教えよう」
部長「え?具体的に何を?」
西城父「エンペラーを、私の秘書として働かせる」
部長「・・・?本当に大丈夫なのですか?」
西城父「あぁ、任せたまえ!」
部長「(どうやら、私がどうこう言っても社長は考えを変えない様だな。これ以上やっても私には何も出来ない。ならば!)」
部長「社長!大変心苦しい事ですが、私から一つお願いを聞いて頂けませんか?」
西城父「ん?何だね?」
部長「先程、私もこれを書いて置きましたので、受理をお願いします!」
西城父「な、何だ!?君も辞めると言うのかね!?」
部長「はい。私も長い事勤めさせて頂きましたが、私自身、そろそろ限界だと思い書かせて頂きました」
西城父「・・・まぁ、人員なら私の方で何とか出来るが、君は本当にそれで良いのか?」
部長「今の私に悔いは有りません。受理して頂けませんか?」
西城父「・・・分かった。受け取ろう。今まで良くやってくれた」
部長「有難う御座います!社長にお世話に成った事、決して忘れません!」
西城父「うむ、明日から、有給消化期間としよう」
部長「有難う御座います!社長、今日までお世話に成りました!どうか、目を覚ましてくれる事を願います!」
西城父「全く・・・周囲の奴等は何を言っているんだ?エンペラーは私達が全力で守って居るだけだと言うのに・・・」

次のエピソード:6 人生の転換期

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