中編(脚本)
〇実家の居間
三年前
煉「かくうち?」
オキナ「そうだ、お爺ちゃんの町には角打ちという偉大な文化がある」
オキナ「工場や炭鉱で働く男達が酒屋で買った酒をそのまま店先で飲むという非常に効率的でかつ男らしい文化だ」
オキナ「煉も将来、お爺ちゃんが鍛えあげて立派なウワバミに・・・」
オウナ「・・・ほう」
オキナ「・・・」
二年前
オウナ「アンタはもう!またガブガブガブガブ飲みくさって!」
オウナ「次の健診まで医者に止められちょるやろうが!」
オウナ「そんなに透析生活になりたいんか!」
オキナ「いちいちしろしいんじゃ!透析が怖くて酒が飲めるか!」
オウナ「こないだ滅茶苦茶怖がっとやろうが!半泣きで胃カメラ飲んどったやろうが!」
オキナ「大声出すな!煉が怖がっちょるやろ!」
オウナ「ゲラゲラ笑っちょるわ!アホ!」
一年前
煉「ねーばあちゃん」
煉「いつ、じいちゃんとりこんするの?」
オウナ「満面の笑みで何てこと聞くんか」
煉「だっていつもケンカしてるじゃん」
煉「このままじゃおたがいのためによくないとおもうよ」
オウナ「ママ、どんな教育しちょるんかしら?」
オウナ「離婚か。う~ん・・・そうね」
オウナ「お爺ちゃんが『約束』忘れた時かな」
煉「ヤクソクって?なんのヤクソク?」
オウナ「それはね・・・」
〇実家の居間
一日前
「やけえ、あたしはアンタの体を思っていいよるんよ!」
「分かっちょるわい!じゃけえ、ほどほどで止めとるやろうが!」
「三杯も四杯も飲むんがほどほどか!昔とは違うんよ!アンタもアタシも、もう年寄りなんやけえね!」
煉「いつもいつも・・・」
煉「うぜーんだよ」
煉「・・・」
to be continued