4 帝王の社会人デビュー(脚本)
〇おしゃれなリビングダイニング
それから、高校を卒業したエンペラーは親のコネで大学にも進学。大学生活を送る中でエンペラーはゲーム類に嵌り、
暇さえ有ればゲームに没頭していた。そんな彼も、もう直ぐ大学を卒業する間近と成り、今後の進路を決めなくては成らなく成った。
西城帝王「父さん!今日はどうしたの?」
西城父「おぉ!来たかエンペラー!実はお前に、大事な話が有ってだな」
西城帝王「え?何々!?新しいゲーム買ってくれるの!?」
西城父「いや、今回はその話じゃ無いんだ。これからエンペラーも、大学を卒業するだろ?そしたらもう働かないとやって行けない」
西城父「だから、父さんの仕事場で働いて見ないか?」
西城帝王「へぇ・・・そう言えば考えた事無かったな・・・仕事って言っても具体的に何したら良いのさ?」
西城父「父さんの会社では和菓子や洋菓子を取り扱ってるんだ。でも、エンペラーには最初、簡単な作業から覚えて貰いたいから、」
西城父「先ずはそこからだな」
西城帝王「・・・そうだな、ゲームやれる時間減らないならやって見ようかな?」
西城父「そうかそうか!父さんも、お前に仕事を手伝って貰いたいと思ってたから嬉しいよ!卒業したら、何時始めたい?」
西城帝王「今やってるゲームが良い所だから、それが終わってからで良いかな?」
西城父「良し分かった!それまで待ってるからな!」
西城帝王「うん!」
父親から自分の所で仕事をして見ないかと聞かれたエンペラーは、遠回りする形で父の話に乗る事にした。その後、エンペラーは
ゲームの消化に勤しみ、気付いた頃には大学を卒業したのだった。
〇オフィスのフロア
それから数ヶ月。エンペラーは父のコネで西城カンパニーの子会社に配属と成り、今日から新社会人としてやって行くのだった。
部長「皆、お早う!」
水島千里「あ!部長!お早う御座います!」
氷室光輝「お早う御座います!」
部長「君達、聞いてくれ。今日から内の部署に新入社員が入る事に成った。西城カンパニーの社長の息子さんだ」
水島千里「えぇ!?社長のご子息さんですか!?何でまた急に!?」
部長「今後、社長の力に成れる様に鍛えて欲しいとの、社長からのご意思だ」
氷室光輝「西城社長のご子息・・・どんな人です?」
部長「あぁ、今から紹介しよう。入りたまえ」
西城帝王「へぇ、此処が俺の仕事場か」
部長「皆紹介しよう!彼がこの部署に配属と成った、西城帝王君だ」
西城帝王「おいおっさん!俺は帝王じゃ無くてエンペラーだよ!何回言ったら分かるんだよ!?」
部長「え?あぁすまん!まだ慣れて無くてね!後、これから皆で頑張るから、敬語はキチンと使おうね!?」
水島千里「え?帝王?エンペラー??」
氷室光輝「西城社長のご子息だよな?ネーミングセンス無くねぇか?」
西城帝王「何だよ?何か文句有るのか?」
水島千里「え?えぇ!何でも無いわ!私は水島千里よ!分からない事が有ったら聞いてね!」
氷室光輝「俺は氷室光輝。まぁ、その、あれだ。これから宜しくな」
西城帝王「・・・まぁ良いか。おっさん。俺は何したら良い訳?」
部長「西城君、此処では部長と呼んでくれと言っているだろう・・・後その喋り方は拙いから、敬語使おうね?」
社長命令とは言えエンペラーを預かる事と成った部署の人達は、エンペラーの態度に対して不安で一杯だった。
先ずはやって見ない事には始まらないのでやれる事をやるのだった。
〇オフィスのフロア
氷室光輝「基本は大体こんな感じだ。此処が分からないって成ったら言ってくれよ?」
西城帝王「うーっす!」
氷室光輝「・・・本当に西城社長の息子さんなのか?まぁ、簡単な資料作って貰うから、出来たら言ってくれよ?」
西城帝王「何か良く分からなかったが、まぁ適当にやれば良いか!」
水島千里「先輩、次の商品の案なんですが、抹茶を使ったケーキを提案したいと思うんですが」
氷室光輝「おぉ!良いんじゃ無いか?部長には話したか?」
水島千里「まだ具体的な事が纏まって無いので、完成次第、私から報告します」
氷室光輝「分かった!そっちは任せる!」
数分後。
氷室光輝「西城、そっちはどうだ・・・って・・・」
西城帝王「ぐがぁぁぁ・・・」
氷室光輝「おい西城!何居眠りしてるんだよ!起きろよ!」
西城帝王「え!?母さん!もう飯の時間・・・って夢か・・・」
氷室光輝「夢か・・・じゃ無いよ!何してたんだよ!?頼んでた資料は!?」
西城帝王「え?あぁ!此処に有ります!」
氷室光輝「そうかそうか!どれどれ?」
氷室光輝「・・・・・・」
氷室光輝「おい!ちゃんと俺の話聞いてたか?全部間違ってるぞ!?やり直せ!」
西城帝王「えぇ!?嫌だよ面倒臭い!!」
氷室光輝「面倒臭いって!西城!お前はもう学生じゃ無いんだ!社会に出たら、面倒臭いなんて通用しないぞ!」
西城帝王「はぁ!?そんなのお前等が勝手に決めた事だろ!?俺には関係無ぇ!!」
氷室光輝「おま!そんな子供見たいな理屈!!」
部長「あぁ君達!一体何の騒ぎだね!?」
西城帝王「おっさん聞いてくれよ!氷室の奴が俺に資料をやり直せって!」
氷室光輝「おい、俺の方が先輩なんだが?」
部長「あぁ分かった分かった!氷室君!此処は私に任せて!発注の方を頼みたい!」
氷室光輝「・・・分かりました。大変失礼致しました」
西城帝王「全く・・・煩ぇ奴だったな・・・」
部長「さ、西城君・・・仕事場に居るのは君一人だけでは無いんだよ。各々にやるべき事が有るから、そこの所は理解して欲しい」
西城帝王「はぁ?そんなのいちいち知らねぇよ。俺は父さんに頼まれたから来たんだ!」
部長「そ、そうかも知れないが・・・」
西城帝王「とにかく!俺はやりたく無い物はやりたく無いんだ!疲れたから俺は寝るからな!」
部長「う、う〜む・・・」
〇オフィスのフロア
氷室光輝「小麦粉良し、卵良し、砂糖良し、牛乳良し、桁数確認・・・良し、発注!」
氷室光輝「これで当分は大丈夫かな?」
水島千里「先輩!お疲れ様です!」
氷室光輝「あぁ、お疲れ。水島は疲れて無いか?」
水島千里「う〜ん・・・私は大丈夫ですが、先輩、さっき西城君と喧嘩してましたよね?」
氷室光輝「あ〜、やっぱ見てたよね?」
水島千里「まぁ、流石に・・・話して見て、どんな感じでしたか?」
氷室光輝「一言で言えば、常識が無さ過ぎる」
水島千里「あぁ、やっぱりですか?私も傍から見てましたが、何かこう、年の割にはって感じでしたし」
氷室光輝「そうなんだよなぁ・・・幾ら社長の息子だからって、あれは流石に無いわ・・・」
氷室光輝「現に今、自分のデスクの前で寝てるし」
西城帝王「・・・・・・」
水島千里「えぇ?本当に大丈夫なんです?」
氷室光輝「多分、親の育て方に原因が有ると思うよ。今更どうこう言っても手遅れかもだけど・・・」
水島千里「えぇ・・・西城社長良い人なのは私も知ってますが・・・肝心の子育て・・・」
氷室光輝「あぁ、大失敗だな・・・」
水島千里「・・・あの、氷室さん、今日気晴らしに飲みに行きませんか?こんな気持ち引きずっても良い事有りませんし」
氷室光輝「ん?良いのか?」
水島千里「私は大丈夫です!こう言う時は、美味しい物食べてリフレッシュするのが一番ですよ!」
氷室光輝「・・・言う通りだな。分かった、何か一品奢るよ!」
水島千里「有難う御座います!でも、そこまで気にしなくて良いですよ!」
〇豪華な社長室
部長「・・・っと、報告は以上と成ります」
西城父「成る程・・・エンペラーの初日はそんな感じだったのか・・・」
部長「私の様な立場の人間に言える事では無いかも知れませんが、社長。帝王、じゃ無かった。エンペラー君は20代の割には」
部長「ハッキリ言って幼過ぎます。自分の失敗を全面否定したり、言われた事を覚えておらず、協調性も有りませんし、好き嫌いが」
部長「激し過ぎます。社長、今一度考え直しては頂けないでしょうか?」
西城父「そこまでの事か?ハッキリ言って可愛いじゃ無いか?」
部長「し、しかし!あんな調子では彼自身も持たないし、周囲の者達も、不満で心がどうかしてしまいます!」
西城父「そうかそうか・・・なら、先ずはエンペラーのモチベーションを上げる事が先決だな。何か良いアイディアは・・・」
西城父「そうだ!エンペラーの給料を今の5倍にしよう!」
部長「え、えぇぇぇ!!?社長!本気で言ってるんですか!?」
西城父「勿論本気だ。沢山稼げると成ればエンペラーもやる気を出すだろう!」
部長「ま、待って下さい!そんな事をしたら、周囲にどれだけの影響が出るか!」
西城父「まぁ任せたまえ。エンペラーには、私から伝えて置くよ。給料5倍は、社長命令だ。エンペラーにはどの道、私の後継人に成って」
西城父「貰うつもりだからな」
部長「あ、はぁ・・・」
息子の可愛さ故に大切な事を見落としていた父親は、自分の意思を曲げるつもりは無かった。その後、エンペラーが時期社長に
成る事。給料が5倍に成る事は決定事項と成り、従業員達にしらされるのだった。