姫様の推し事!

朝永ゆうり

第十話 姫様と庭師の秘密(前編)(脚本)

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〇岩山
ヤコブ隊長「アルル、伏せろ!」
アルル姫「え──っ!?」
ヤコブ隊長「庭師、アルルにガードを 絵描き、その間にアルルに魔物の数と特徴を!」
ルーラ(女騎士)「なら私はこっちね!」
ノア(絵描き)「アルル姫、こちらへ!」
アレク(庭師)「はぁ!」
ノア(絵描き)「向こうに3体、あちらに2体 それから・・・ああ、また増えました!」
アルル姫(次から次へと現れてるのね なんでこんなに──)
アルル姫(いいえ、落ち着くのよアルル)
アルル姫(ガブ様ならどうする? ガブ様ならどうやって このピンチを乗り切る・・・?)
アルル姫「――・・・」
アルル姫「ルーラさん 今いる魔物をヤコブの正面に!」
ルーラ(女騎士)「追い込んでいけばいいのね! よーし」
ノア(絵描き)「僕も加勢します!」
アルル姫「ヤコブ! あなたは──」
ヤコブ隊長「分かっている」
ヤコブ隊長「はぁぁぁあ!」
アルル姫「やった・・・」
ヤコブ隊長「いや、まだだ」
ルーラ(女騎士)「嘘でしょ、なんて数・・・」
ノア(絵描き)「キリがありませんね」
アレク(庭師)「アルル、絶対に俺から離れるなよ 俺がお前を守るから・・・」
アルル姫「うん・・・」
アルル姫(何で私は何もできないの?)
アルル姫(戦いたい・・・けれど見えない)
アルル姫(ものすごい数の 魔物がいるっていうのに・・・ 私は・・・)
アルル姫「──違うでしょ、アルル ガブ様を思い出すのよ!」
アルル姫「怖くたっていい やるのよ、アルル!」
アレク(庭師)「何言ってんだ、お前──」
アルル姫「はぁぁぁぁあ!」
アレク(庭師)「何やってんだよ!」
アルル姫「何もできないで怯えてるなんて・・・ 守られてるだけなんて嫌なの!」
アルル姫「それに ガブ様の敵を討つのは私よ!」
アレク(庭師)「アルル・・・」
アレク(庭師)「なら、俺も・・・」
アレク(庭師)「やってやるよ! はぁぁぁぁぁあ!」

〇岩山
アレク(庭師)「はぁ、はぁ・・・」
アルル姫(今の、アレクの力・・・?)
「・・・」
ルーラ(女騎士)「今のって──」
ノア(絵描き)「ガブリエル殿と同じ・・・」
アレク(庭師)「くそっ! どんだけいるんだよ!」
ルーラ(女騎士)「そうね ぼうっとしちゃったけれど戦わなきゃね!」
ヤコブ隊長「絵描き、アルルに十時の方向の敵を教えろ そっちはアルルの軍配に任せる 絵描きとそこの馬鹿を使ってくれ」
ヤコブ隊長「六時の方向は庭師 二時の方向は私が対応する」
ルーラ(女騎士)「ちょっと、そこの馬鹿って何よ!」
アレク(庭師)「いやいやいや俺も無理だって!」
ヤコブ隊長「文句言ってる暇があるならやれ」
アレク(庭師)「ぐぬぅ・・・」
ノア(絵描き)「アルル姫 こちらは岩場に三体、正面に二体──」
ルーラ(女騎士)「まって、まだ岩場に隠れてるわ!」
アルル姫「なら、ノアは岩場の裏に回って! 魔物を全てこちらにおびき寄せるのよ」
アルル姫「ルーラさんは爆発で消滅を お願いします!」
ノア(絵描き)「でも、それでは──」
ルーラ(女騎士)「大丈夫よ、アルルちゃんは私が守る!」
ノア(絵描き)「はい!」
ルーラ(女騎士)「来たわね! はぁぁぁあ!」
ルーラ(女騎士)「・・・嘘でしょ、まだいるの!?」
ヤコブ隊長「はぁ!」
アレク(庭師)「ちっくしょう!」
アルル姫「見えないことが こんなにもどかしいなんて・・・」
アルル姫「私も一緒に戦いたい、けど・・・」
アルル姫「さっきみたいに動いたら 火山に着く前に──」
アルル姫「なんでよ! 何で私には見えないのよ!」
アルル姫(あれ・・・今の・・・)

〇黒
ルーラ(女騎士)「アルルちゃん? アルルちゃん!?」

〇岩山
ルーラ(女騎士)「アルルちゃん? アルルちゃん!?」
ノア(絵描き)「不思議です、魔物が皆・・・」
アレク(庭師)「これ・・・死んでるのか?」
ヤコブ隊長「──この女の力だ」
ルーラ(女騎士)「この女って・・・ あなたの可愛い奥さんでしょ なんで心配しないのよ!」
ヤコブ隊長「心配も何も こいつは時間が立てば目覚める 自分の中に宿る力を使っただけだからな」
アレク(庭師)「てめぇ、アルルのこと知ってたのかよ!」
ヤコブ隊長「貴様も知っていたのだろう、アルルの秘密」
アレク(庭師)「・・・」
ヤコブ隊長「否定をしないのは肯定と同義 いつから知っていた?」
アレク(庭師)「それは──」
ヤコブ隊長「城に潜入した時からか 貴様、ガブリエルの弟だそうだな」
「団長の(ガブリエル殿の)弟・・・!」
アレク(庭師)「・・・」
アレク(庭師)「ああ、そうだよ」
アレク(庭師)「俺の名は『アレクサンドル・ルナール』 ブレーヴ王国騎士団長ガブリエルの弟だ」
アレク(庭師)「ボヌール王国に仕えていたのは アルルを見守るためだ」
ヤコブ隊長「だがそのビビり様じゃ意味ないな 今までそれでアルルに何もなかったことが 不思議なくらいだ」
アレク(庭師)「な・・・っ!」
アレク(庭師)「確かに俺は兄貴みたいに 正義感も強くないし 勇敢さもないかもしれない」
アレク(庭師)「でも―― 誰よりも、アルルを大切に思っている!」
ヤコブ隊長「ほう・・・ なら、なぜ私が アルルの夫になれたと思っている」
ヤコブ隊長「国王に訊いたぞ、アルルの秘密 アルルは──」
アレク(庭師)「やめろ! アルルのことは この二人には関係ないだろ! 俺が守ればそれでいい」
ヤコブ隊長「それでアルルを守れているつもりか?」
アレク(庭師)「く・・・」
ルーラ(女騎士)「ちょっと二人とも!」
ルーラ(女騎士)「アルルちゃんが・・・」
ノア(絵描き)「その・・・ アルル姫の秘密とこの鱗 何か関係があるのでしょうか?」
ルーラ(女騎士)「関係あるなら教えて欲しいわ これは、私たちも関係があるもの」
ヤコブ隊長「・・・だそうだ」
アレク(庭師)「・・・分かったよ。アルルは──」
アレク(庭師)「人間じゃない 魔物の子供なんだ・・・」

次のエピソード:第十一話 姫様と庭師の秘密(後編)

コメント

  • えええーー!アレクはガブ様の弟!全く気づきませんでした!面白い楽しい😍
    ガブ様っていくつくらいの人なんですかね?(既出だったらすみません)

    私の中ではダンディーな雰囲気あるんですよね

  • アレク、やればできる男……!
    そしてまさかのガブ様血縁。
    ついにアルルの正体が明らかになりましたね!でも見えないのが余計に謎ですね。
    一ヶ所、「そこの馬鹿って何よ!」の前あたりで何か抜けてるかも?と気になりました。

  • 緊迫感に満ちた戦闘シーンからアルル姫の正体まで、息をのむ展開続きでただただ見入ってしまいました😊
    そして、アレクくんの正体が……ただのビビリのマダムキラーじゃなかったのですね😂

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